学園ブログ

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常務理事便り

2024年08月21日

Vol 21 涼風を待つ

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 強烈に暑い夏も、朝夕だけはほんの少し涼風を感じられるようになってきました。夏休みも最終版となり秋の準備に学園は動き出しています。

 この暑い夏休みの間に開かれたオリンピックの感動は予想通りでした。科学技術の進歩は人類の進歩に良い意味でも悪い意味でも寄与します。オリンピックでアスリートは、人間の持てる力の極限に挑戦し、時として人間の原始の感動や驚きを呼び起こし、心を洗ってくれるように思います。

 甲子園でもそれに類する感動が起こっています。島根県大社高校の大活躍です。大社高校は優勝候補であった我らが兵庫代表 報徳学園を、そして東京の早稲田実業を破り、ベスト8に駒を進めました。高校数で言えば、島根県は48校、兵庫は200校強、東京は360校あまりです。しかも、強豪校といわれる高校には近隣地域から才能豊かな選手が集まり、部員数も100名を超えることが少なくないと聞きます。これほどの差があるにもかかわらず感動的な勝利を収め、地元は大騒ぎであると報道されています。まさに、地域全体に感動を呼び起こす勝利となりました。大社高校野球部は地元出身者主体で組まれているチームです。個々の能力が、たまたま高い人材が集まったのかもしれませんが、「ベスト8以上を目指す!!」という具体的かつ達成可能性のある目標を掲げ、そのためにどうするかを選手たちが考え実行してきたことが甲子園で初めて3勝を挙げ、目標のベスト8まで進んだ最大の要因であると思います。ベスト8というラインに最高目標を設けたところが実に心憎いところです。日本一は威勢がいいですが、甲子園で1回戦に勝つことがやっとで、2回戦を勝つと107年ぶりとなる高校にとっては「日本一」という目標は遠い夢になってしまいます。ベスト8は到達可能性が少しでも見える近き夢の最高目標だったのでしょう。そうであればこそ、そこを目指すためには何をせねばならないかを全員が本気で考え、取り組んできたに違いありません。そうした本気の努力の成果であろうと推察します。

 目標設定と本気度がいかに大切か、を大社高校は教えてくれました。スポーツしかり、勉学しかりです。また、企業経営や組織運営もしかりです。

 夏休みが明け、まもなく学園での活動が始まります。生徒、児童がそれぞれの目標をしっかりと設定し、本気でそれの達成のために取り組めば、必ずや望む結果に到達すると確信しています。雲雀っ子には「夢を大きく」もって、「チャレンジ」してほしいと思っています。よき見本を我々は甲子園で観ているのですから。