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親孝行・やってみなはれ

2018年03月16日

教師の『師』

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 私は,新卒4年目の新学期に5年生の担任になりました。そこで,一緒に学年を担当し,多くを教わりながら数多く手を煩わせたのが町田秀夫先生でした。町田先生には,社会科の教科部でも鍛えてもらいました。大学で専門的に社会科指導を学んでいなかった私に,社会科の教授法や教科教育の基本的な理念など偏りのない考え方を教えてくださいました。

 先生とはちょうど38回生,42回生。44回生と3回ご一緒しましたが,私が学校にも慣れ,学級経営や教科指導にも少しの自信のようなものが感じられた時期に,私の奢った気持ちを引き締めるように,「『雲雀丘に子どもを入学させたのなら,井口先生に担任をしてもらいたい。』と保護者に思ってもらえるような教師になれ。」と,ことあるごとに言われました。28年間担任をしましたが,町田先生のその言葉のような教師であるかどうかが,爾来私の目標であり,そのような教師であるかどうか自問自答の日々でした。

 一緒に組んで学年を持っている時も,そうでない時も,そして,校長になられてからも,褒められたことはほとんどありませんでしたが,黙って私のことをよく見ておられて,易きに流れる様子があると,折に触れて諫めてくださいました。



 今でも,忙しさに追われて,自分を見失いそうになった時など,ふと,空を仰ぐと「おまえは,まだまだ勉強せなあかん。そして,いつも子ども一人ひとりをしっかりと見ていかないとあかんな。」と聞こえてくるような気持ちになる時があります。先生の言葉が,ずっと教師であり続ける私の心の中に確かに存在していることが,私の誇りです。

(小学校教頭 井口 光児)



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1992年(平成4年)3月18日

第42回卒業式の後の謝恩会

宝塚ホテルにて

右から4人目が町田秀夫先生