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ことばの扉
2018年07月10日
「ことばの扉」その4
[その4]
「眠れぬ人には夜は長く、疲れた人には一里は遠い」
(『ダンマパダ』)
これは誰もが経験したことがある事態ですね。実は仏教の体系は、経験則や臨床事例に基づいている部分が大きいのです。いわば、自分自身の身心のメカニズムをよく理解することで、一時的な現象に振り回されないよう生活することを目指すわけです。ですから、「眠れない長い夜を無理になんとかしようとせず、そのまま引き受ける」「遠い一里を、むしろ楽しむ」、そんなことも説きます。このような態度は、生きる技法だと思います。
※『ダンマパダ』…初期仏教経典のひとつ。パーリ語でダンマは「法」、パダは「句」という意味なので、漢訳経典の『法句経』に相当します。1番から423番まで番号がふられた箴言・金言で構成されており、「仏教のバイブル」などと評する人もいます。実は日本では近代になるまであまり知られていなかった経典です。
(相愛大学教授)
(如来寺住職)
(NPO法人リライフ代表)
(雲雀丘学園評議員 釈 徹宗さん)