« 2014年04月 | メイン | 2014年06月 »

2014年05月28日

なでしこ、命名10年

 25日、ベトナムのホーチミンでサッカー女子アジア杯決勝・豪州vs日本戦が行われました。結果は日本が1-0で14回目の出場で初優勝。これで来年カナダで行われる女子サッカー・ワールドカップの出場権を手に入れました。
 日本の女子サッカー代表チームが『なでしこジャパン』と命名され10年。ずいぶん浸透してきましたが、それまでの道のりは選手やスタッフにとって大変なものだったようです。

蹴る女/河崎三行 (講談社)
 なでしこ不動のボランチ(チームのかじ取り役のポジション)として活躍する阪口夢穂選手を7年にわたり取材。彼女を中心に前回のワールドカップでの活躍を経て劇的に変化していく女子サッカー界の様子を詳細に描きます。 

 取材開始時は、男子サッカーに比べると注目度の低いマイナースポーツ。プロとは言え昼間は他の仕事をこなし練習は仕事の後。恵まれた環境とは言えません。

 チーム最年少だった阪口選手は天才肌ルーキーとして注目されていましたが、所属していた田崎真珠(神戸)のチーム解散、自身のケガを経験し、もうサッカーはやめようと思ったこともあったそうです。そんな阪口選手がプレイヤーとして人間として成長し、チームに不可欠な存在になっていく様子を描いた臨場感あふれるノンフィクション。


nades.jpg IMG_7740.jpg
                            体育大会・クラブ対抗リレーでの
                                 ひばりのなでしこさん
  

 なでしこ達の活躍を観て、競技人口も増えてきたそうです。我が校サッカー部にも中学女子部員が5名在籍中。がんばれ、ひばりのなでしこさん!

新なでしこゴール!~女子のためのサッカーの本/砂坂美紀 他 (講談社)
 練習法はもちろん、身体だけではなく心や脳の鍛え方、ケガの予防、将来サッカー関係の仕事に就くにはどうすればいいか等、サッカーをやる上での色々な知識を集めた1冊です。

 同じサッカーをやるのに男女の違いはないけれど、男子と女子では心と体の成長曲線が違います、なにより違うのは男女サッカーを取り巻く社会環境。そんななかで現在、頑張っている選手たちの言葉、役に立つかもしれない情報なども掲載されています。

2014年05月23日

ひばりの図書室 配布しました 

       本日、ひばりの図書室5月号配布しました。

        hbrt5.jpg

 日本がカナダと外交を始めたのは1928年、今年は日加修好85周年です。
  (ちなみにカナダは漢字表記で『加奈陀』)

 学園のカナダ研修でも訪問しますが、カナダと言えばプリンスエドワード島を舞台にした小説「赤毛のアン」がよく知られています。
 現在、「赤毛のアン」の翻訳者である村岡花子さんを主人公にしたドラマ「花子とアン」も放送中ですので、併せて関連書籍を紹介してみました。

 また、ブログでも紹介していきますね。

 

2014年05月21日

中間考査、せまる

 新学年になって初めてのテストが来週の火曜日から始まります。
もう1週間前を切ったので部活もありません。
 さて、自分が一番落ち着いて勉強できるところはどこでしょう?家へ直行の人、
校内だと教室や廊下の自習スペース、玄関吹き抜け上のウッドテーブル、どこが集中できるかなあ。今年も図書室を選んだ人、多いですよ。


ick1.jpg ick2.jpg

 今日は水曜日なので、全学年が6限目で終わりますから、満員御礼。
 さあ、スタートが肝心です。健闘を祈る!

 毎回恒例の「卒業生による学習支援」
 24(土) 13:15~17:45 中央棟会議室 (図書室の下) で行われます。

2014年05月17日

先輩からのおすすめ本 5

 卒業生で現在大学2年生のHさんが訪ねてきてくれました。
中高6年間で、何度となく図書委員をつとめてくれていた筋金入りの図書委員OGです。ならば、と、早速、本の紹介をお願いしました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 私は雲雀丘学園中学校・高等学校の卒業生です。
中学1年生の前期に図書委員をさせていただいてからほぼ毎年、図書委員という大義名分のもと図書室に入り浸り、その際先生には大変お世話になりました。
 そこで今回は私が高校時代に何回読んだかわからない有川浩さんの本の中から、一番好きな本を紹介させていただきたいと思います。

           hayashi.jpg


クジラの彼/有川浩 (角川書店)

 『クジラの彼』は『図書館戦争』『空飛ぶ広報室』などの著者である有川浩さんの短編集で、表題作である『クジラの彼』を始めとする6作が収録されています。
 内容は有川さん自身もおっしゃっている通りの「活字でベタ甘ラブロマ」。
漫画ではなく、活字であるというところがポイントです。また、6作全てに自衛隊が絡んでいるということで、自衛隊の方々をより身近に感じることができます。
 この本は有川さんの『海の底』『空の中』とも繋がっている部分もあり、この2冊とあわせて楽しめると思うのでおすすめです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 Hさんは、活字だからこそ楽しめる1冊をお勧めしてくれました。
 確かに今までマンガで楽しラブコメだけれど、有川さんの本と出会って、文章を読んでキャラクターや場面を想像する楽しさを知った人も多いと思います。

 昨日は、以前に登場してくれたTさんも一緒でした。二人は在学中から、カウンター当番はもちろん、本の移動や整備などいろいろな裏方作業も手伝ってくれていました。昨日も早速、積み上げられている新刊図書の準備を手伝ってくれて、とても助かりました。ありがとう。

2014年05月15日

おかえりなさい、若田さん

 ISS(国際宇宙ステーション)で日本人初のコマンダー(船長)を務めた若田光一さんが乗る、ロシアのソユーズ宇宙船の帰還カプセルが、昨日カザフスタンの草原に着陸。笑顔の若田さんが船外に姿を見せました。
 若田さんは、昨年の11月にISSに到着、今回の宇宙滞在期間は述べ188日。その間におよそ地球を3000周!したそうです。
 この3月には第39代目のコマンダーに就任、米国人2名、ロシア人3名のクルーを66日間に渡り引っ張ってきました。

 志や目的が同じとはいえ、宇宙という特殊な場所でリーダーシップをとるのは並大抵ではありません。
 コマンダーになるための試験はなく、「なりたい!」と手を挙げてなれるものでもないそうで、その人のあらゆるパフォーマンスの積み重ねや結果が評価され選ばれるのだそうです。それだけにプレッシャーも計り知れないですね。

We are 宇宙兄弟~宇宙飛行士の底力/モーニング編集部・門倉紫麻 (講談社) 
 この中で若田さんが、コマンダーとして一番大変な業務として挙げているのがコミュニケーション。チーム内はもちろん、24時間体制でミッションをバックアップしてくれる各国の管制局と、クルーの代表としての円滑なコミュニケーションが要求されます。

 中国の老子は「有能なリーダーが仕事を終えた時、人々にはその事柄が自然に起きたように見える」というような言葉を残しました。若田さんはそんな透明人間のようなリーダーを目指しているそうです。
 そして、問題解決のための議論を行う時、「相手に逃げ道を残す」寛容さが、チームのハーモニーを保つのには大切だと話しています。

 若田さんを始めとした宇宙飛行士達に加え、マンガ「宇宙兄弟」にも登場する彼らを取り巻くスタッフ(宇宙服研究者、JAXAの広報担当者など)10名のインタビューで構成されています。

       ucyuk.jpg

 若田さんの著書は他にも 国際宇宙ステーションとはなにか(講談社) 前回の滞在をまとめた 宇宙で過ごした137日(朝日新聞出版) などがあります。  

 2011年にISSでミッションをおこなった元医師の古川聡さんの話を読むと、宇宙飛行士に選ばれたからといって、誰もがすぐに宇宙に行けるとは限らない。
ひたすら地上で訓練を続けること12年、その間に自分に足りないものを、あらゆる努力でもって身につけ、新しいタイプの宇宙飛行士像を作り上げたそうです。


2014年05月08日

体育大会、せまる

 週末の本番に向けて、今日は体育大会予行がおこなわれました。
心配された日曜日のお天気も、今朝の週間天気予報ではなんとか晴れマークが出ていました。よかった、よかった。
 連日、校内のあちこちで、行進や二人三脚、エンカレの練習、クラスの旗を作る姿が見られます。同じようにそんな体育祭前のソワソワしたシーンから始まる物語を紹介します。

     komeb.jpg

僕らのごはんは明日で待ってる/瀬尾まいこ (幻冬舎)
 じゃんけんに言い争い、笑い声。体育祭の出場種目を決める平和な戦いが繰り広げられている教室でぼんやり窓の外を眺めている葉山くん。
 そんな彼が流れで、何事にも真っ直ぐで、くったくのない体育委員の上村さんと「米袋ジャンプ」なる競技に出場することになります。それをきっかけにいままで止まっていたような葉山くんの高校生活が動き出します。

 「学校には強制的なものや無神経なものがごろごろしている。だけど、やわらかい場であることは確かだ」 大事な家族の一人を喪って以来、喪失感を抱え、気がつくとひとりでいることを選んでいた葉山くんが、人と関わる事で心の傷が癒され再生していく事に気がつきます。

 お互いマイペースで、かみ合っているのか、いないのか。二人の会話を楽しみながら、場面は高校、大学、社会人へとうつり、それぞれの年代で起こる問題を二人で乗り越えていきます。

 *「米袋ジャンプ」っていったいどんな? 詳しくは作品で。

2014年05月02日

八十八夜

 立春から数えて八十八日目。今日は八十八夜です。春から夏へ切り替わる時。校内でも昨日から、合服への移行期間となりました。

 夏も近づく・・・、と言っても「八十八夜の別れ霜」という言葉もあり、地域によっては急に気温が下がって遅霜が降り、芽吹きはじめた農作物に被害を与えることもあるそうです。それを警戒した言葉で、別れ霜は季語にもなっています。 
 そして、八十八夜がすぎれば気候も安定してくることから、農家では昔から八十八夜は作業の目安とされてきたそうです。

 七夕、小正月などの昔からの行事に郷愁をもっていたと言われる太宰治の小説に「八十八夜」という短編があります。

         hhy1.jpg

 作家の笠井さんは、一時はハイカラな作風で新鋭作家として脚光をあびましたが、今は家族や生活のためと努力して、芸術を捨てて生活の為だけに通俗な小説を書く日々。なのに生活は楽になるどころか、気持ちの上でもどんどん落ち込む一方。もう八方ふさがり、闇の中。
 根も尽きた五月のある日、ありったけのお金を持って旅に出ます。顔見知りの女中さんがいる駒ヶ岳の麓・上諏訪の宿へ。ロマンチックと自由を求め。

 数ページの短編小説です。笠井さんの心の動きが、ごく短文で書かれています。
2日間の旅で、自分自身にとことん嫌気がさして、叫びだしたいほど自己嫌悪に陥るのに、そんな自分に平気になれ、と、いつしか救いを見出します。

 太宰治全集3(筑摩書房) 走れメロス(角川書店)等で読むことができます。

2014年05月01日

カラダ地図をかこう

 昨日は、健康診断・体力診断が行われました。
男女問わず身長の伸び具合を気にする人、多数。「又、伸びてた・・・」と女子、「まだ、伸びるかなあ・・・」と男子。

 外見もですが、健康診断では身体の中身も診断されます。
自分の身体の中身をどのぐらい知っていますか?どんな臓器があるのかは言えるけれど、位置関係を聞かれると自信ないなあ、の人が多いのでは?
 そこで、身体の内部地図を描けるようになろうという本を紹介します。

                trsk.jpg


トリセツ・カラダ/海堂尊、ヨシタケシンスケ・絵 (宝島社)

 著者はチームバチスタシリーズなどでおなじみで、現役の医師でもある海堂さん。世の中には身体のしくみを詳しく説明した専門書は多いけれど、トリセツ(取扱説明書)のように大体の事がすべてざっくりわかる本がない。では、自分で作ろう。中高生に理解でき、本を読み終わる頃には自分のカラダ地図が描けることを目的にしようと思い、作ったそうです。
 カラダ地図とはカラダの内部のイラスト。つまり手術でお腹を開けた時どういうふうに見えるか、ってこと。
 専門用語は出てきますが、身近なものに例えたり、ちょっととぼけたイラストを用いたりして楽しく紹介してあります。

 ちくわの真ん中には穴が開いています。ヒトのカラダの真ん中にも、口からお尻の穴までつながる消化器官という穴があいています。そう!ヒトのカラダはちくわの仲間なんです!というところから始まります。ちょっと楽しそうでしょう。
 読み終わったら、ぜひ本の表紙にも使われているカラダ地図を作ってみてください。あ、当たり前ですが本には直接描きこみしないこと。付属の白地図をコピーしてください。

 カラダは私たちから決して離れることのないたった一つの持ち物。皆さんはこれからカラダ一つでいろいろな体験・冒険をしていく。だからそのためには自分の道具をすみずみまで知り、活用することは生き抜くための最低条件だと海堂さんは言います。
 また、将来医師を目指す人は、この本に書いてあることくらいは中学生のうちにぜひマスターしてほしいそうです。