卒業生~母校は母港になる
No.67(47期)「今日、私はもうちょっとだけ〇〇になる。」
2023/04/20
47期生の杉山と申します。後輩の皆様に何かを語れるほどの経験も無くおこがましい限りですが先般、中井先生から直々に寄稿文のご依頼を頂戴しましたので拙い文章にお付き合い頂ければと存じます。
私は大学卒業以来、日系金融機関に勤務しております。全国各地の拠点での勤務を経て2019年から英国に駐在し、ロンドン支店にて企業向け融資の仕事を担当しています。主な顧客は英国・欧州大陸に進出している日系企業となります。我が国には世界に誇る多数の日系グローバル企業があります。私の仕事は微力ながらも、これら企業様のビジネスをお金の面からサポートする(日々の支払いに必要な資金や工場建設資金の手当て)といったイメージです。
学園はグローバル教育に注力しているとお聞きしました。若くから海外にも目を向ける機会が身近にあることは素晴らしいことです。私は英語が不得意で、今も毎日のリスニングと週末の英会話レッスンを継続しながら、悪戦苦闘しておりますが、世界屈指の金融都市”City of London”で働くことは大変刺激的で充実した時間です。
日本は少子高齢化・経済低迷とネガティブなニュースばかりですが、世界に類を見ない豊かな社会・文化を持った素晴らしい国です。パンデミック発生直後に大混乱に陥った欧州各国は、規律の取れた社会を維持した日本に驚き、称賛しました。我が国の長所・短所を考えつつ、皆さんも是非海外への関心も向けて頂くと良いのではないかと思います。
さて、高校生活を振り返るとまさに青春一色でした。良き恩師に導かれ、良き友に囲まれ、部活動・恋愛・ボチボチ勉学とこの上なく充実した時間でした。
所属していたバレーボール部での日々は私の人生の糧であり、根幹を成しています。目立った戦績はあげられませんでしたが、情熱的な顧問の指導のもと肉体的にも精神的にも本当にタフな日々でした。“自分の足で立つこと”、一生懸命努力すること、仲間と助け合い何かを目指すこと、いずれも社会生活に不可欠な要素全てを叩き込まれました。社会人生活10年以上が過ぎ、様々な壁にぶち当たってきましたが、あの時間を乗り越えられた自信が支えになってきました。この経験は学園で過ごした日々の最大の財産です。
学園生活、特に高校3年間は皆さんの未来に大きな影響を与える時間だと考えます。部活でも勉強でも趣味でも何でも構いません。何か打ち込める物が見つかれば、とても幸せなことです。社会が急速に変わり今はきっと私の学生時代よりも複雑で難しい時代だと思います。様々な悩み・迷いがあるでしょう。そんな時はスローダウンしても良い。時に立ち止まって休んでも構わない。結果が全てではないし、失敗しても構わない。大事なのは頑張ろうとする意志を失わないことかなと思います。
昔、中山先生からこんな言葉を教わりました(先生、覚えていらっしゃいますか?)。
「今日、私はもうちょっとだけ〇〇になる。」
少しだけでも〇〇になれれば良いし、〇〇になれなくても良い。大事なことは昨日よりも成長した自分になろうとする意志です。
常に順風満帆な旅路など有り得ません。必要ですら無いのかもしれない。時に迂回・後退することもあるでしょう。私自身、一度は教師になる道を志し、学園にて教育実習のお世話にまでなりました。紆余曲折を経て今の自分がありますが、悩み・迷いながらも、この言葉を忘れずコツコツ前に進んできたのかなと思います。皆さんにはこの貴重な学園生活の時間をひたむきに一生懸命過ごして欲しいと思います。
皆さんの旅路が一生懸命で豊かなものとなることを祈念するとともに、社会でお会いできる日を、一緒に仕事ができる日を楽しみにしております。
杉山諒悟(2005年卒 47期生)
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