卒業生~母校は母港になる
No.68(49期)雲雀丘学園とともに
2023/05/08
はじめまして。49期卒業生の廣海と申します。
大学を卒業後、英語の教師になり、様々な学校で経験を積んで参りました。そして、今年度より雲雀丘学園中高等学校で勤務しております。自分が育った母校で働くこと。この上なく嬉しい気持ちでいっぱいです。同時に、やっとここからがスタートなのだと自身に言い聞かせ、気を引き締めている所存です。
せっかくこのような寄稿の機会をいただきましたので、卒業後の人生についてお伝えできればと思います。
雲雀丘学園高等学校を卒業後、私立大学の法学部に進学しました。法学部を選んだ一方で、英語をもっと学びたい、海外経験をしてみたいと思っていた私は、大学1回生の頃、友人から聞いたカナダへの留学プログラムに応募しました。2回生の後期、カナダへ留学します。現地ではホームスティをしながら、大学のESLプログラムに通いました。そのプログラムでは、様々な国から生徒が集い、とても国際色豊かでした。自分の価値観がいかに主観的で、ちっぽけなものなのか、痛感させられることばかりでした。語学の勉強は確かに大事でしたが、プログラム全体で企画してくれる活動もとても刺激的でした。特に印象に残っているのは、バンフ国立公園へのフィールドトリップです。100人ほどの団体で、一斉に乗馬をしながら雄大な自然を満喫しました。乗馬体験すらしたことのなかった私は、翌日酷い筋肉痛で驚いたのを覚えています。また、友人に誘われて、ホームパーティに参加したことも良い思い出です。初対面の方と英語で話す経験をたくさんしたことで、異文化を知り、自国を知りました。カナダ留学が自分の視野を広げ、将来を考えるきっかけになりました。
大学を卒業後は、私立高校に就職しました。右も左も分からない中、教師としてのいろはを学び、教材研究に勤しみました。心がくじけそうになることもありましたが、ただひたすらに目の前の「自分のすべきことをする」を繰り返してきたように思います。
そして、転機が訪れました。なんと、お腹に双子の赤ちゃんを授かりました。「双子だ」ということが判明したその日、まさかの大量出血。「無理だと思った」という主治医の話を後から聞いて、血の気が引きました。その後も、数多の試練。大きなお腹を撫でるたびに、母の偉大さを思いました。絶対に諦めないという一心しかなかったように思います。無事に出産し、育児に奮闘。双子はすくすくと育ち、今では元気な小学生になりました。
猫の手も借りたい育児の真っ最中、私を助けてくれたのは他でもない雲雀丘で出会った親友でした。ミルクを飲ませるのを手伝ってくれたり、抱っこをしてあやしてくれたり、さらには私の話し相手にもなってくれました。
その後も、私の人生には立ちはだかる壁が連続しました。親友はいつも寄り添い、そして励ましてくれました。共に泣いてくれることもありました。また、私の選択を常に応援して支えてくれました。「孝道」の精神のもとで青春をともに過ごしたからこそ、大人になっても切れない絆を感じています。素敵な友人たちと出会えた雲雀丘学園に本当に感謝しています。たくさんの思い出溢れるこの学校で、教壇に立てる幸せを忘れずに精進したいと思っています。
「親孝行な人はどんなことでも立派にできます」
雲雀丘学園の卒業生として、恥ずかしくない人生を送っていきます。
川崎 紗佑実(2007年卒 49期生)
今年度の新任者集合写真より 前列左より3番目
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