校長通信
高校卒業式 第111号
2021/03/01
様々なことを検討し、感染防止対策を講じて、3月1日に第63回高等学校卒業式を行いました。担任の呼名に返事をするみなさんの姿には、高校での成長、卒業後への希望を感じました。63 期生285名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
式辞「わらしべ長者-ピンチをチャンスに」を抜粋して掲載します。
コロナ禍によって、みなさんも私たちも大変なピンチに直面しています。みなさんの高校生活の最後の1年がこのようになるとも思っていませんでした。「ピンチはチャンス」という言葉があります。私もよく耳にしますが、どのように考え、どのように判断、行動すれば良いのか悩み続けています。高校卒業という門出にあたって、私が考えたピンチをチャンスにするためのヒントとして、昔話「わらしべ長者」の話をします。
この「わらしべ長者」の話を、単に運のいい人のお話と読むのではなく、人が成長する話として読んでみることにしました。「わらしべ長者」の話は、男が石につまずいて転ぶところから始まります。ここが大事です。「転ぶ」すなわち失敗することが成長の始まりになります。
1つ目の学びは、「失敗した時、つかんだものを大切にせよ」です。「わらしべ長者」の男がつかんだわらしべは、価値があるかどうかわからないものです。みなさんも失敗した時、つかんだものを、それが大したものと思えなくても大切にしてください。
2つ目の学びは、「大切にしているものを人のために与えなさい」です。男は、大切にしていたわらしべを子どもにあげてしまいます。みかんも、反物も、馬も、先に与えてしまいます。見返りがあるから差し上げたのではなく、差し上げたところ、お礼をもらうのです。自分が頑張ったことによって得たものを活かして、それを人に提供する。価値のあるものにしようと、自分の技術なり、知識なりを磨く。それをまた人に提供する。そうした繰り返しのなかで人間は成長し、よりすばらしいものや人と出会います。
3つ目の学びは、「出会いを大切にしなさい」です。男は、様々な境遇の人々と出会ったとき、素っ気ない態度や欲張りな態度を取りません。泣いている子ども、苦しんでいる商人、弱った馬を連れた侍、旅に出る屋敷の主人と、いろいろな状況の人々との出会いを大切にしていました。どの出会いも軽く扱わず、謙虚に、誠実に対応しています。
「ピンチをチャンスに」皆さん一人ひとりが悔いのない充実した人生を送られることを心より願っています。私がもうひとつ大切にしてほしいのは、友達です。卒業してもずっと大切にしてください。さまざまな場面で雲雀丘学園のことを思い出し、機会があれば訪れてください。教職員一同お待ちしています。
最後になりましたが、保護者の皆様、さまざまなご協力をいただきましたこと教職員を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。
Hello,my friend 作詞:松任谷由実
Hello,my friend 君に恋した夏があったね
みじかくて、気まぐれな夏だった
悲しくて 悲しくて 帰り道探した
淋しくて 淋しくて 君のこと想うよ
離れても 胸の奥の 友達でいさせて
悲しくて 悲しくて 君の名を呼んでも
めぐり来ぬ あの夏の日 君をなくしてから
淋しくて 淋しくて 君のこと想うよ
離れても 胸の奥に ずっと生きているから
もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて
友達でいるから 友達でいさせて