学校ブログ

校長通信

高校入学式 第4号

2021/04/07

行事

4月7日午後、高校入学式を挙行しました。感染防止対策を行い、プログラムを変更いたしました。保護者の皆様にも参列いただき、66期生286名(一貫探究コース164名、文理探究コース122名)を迎えることができました。ご入学おめでとうございます。


入学生宣誓、入学生のことば、先輩からのことば、すべてがすばらしいものでした。本校生徒たちの可能性を感じる一日でした。

式辞の要旨を紹介します。

皆さんはいよいよ今日から高校生になります。単なる高校生でなく、雲雀丘の高校生「ひばり生」になってほしいと思います。「ひばり生」は、創立の精神を意識し、親孝行の心、チャレンジ精神を備えた自立型人間を目指します。ひばり生の第一歩の今日、松下幸之助さんのエピソードを紹介します。松下さんは、十歳で丁稚奉公に入り、一代で松下電器、現在のパナソニックをつくった実業家です。
ある年の入社式での訓示で「君らな、僕が今から言う二つのことを守り通したら重役になれる。一つは、良い会社に入ったと思い続けられるかどうかや。入社したばかりの時はそう思っても、嫌な上司に出会ったり、意に沿わない仕事をさせられても、なお、良い会社に入ったと心から思えるかどうかはすごく大事なことや。もう一つは、社会人になってお金が一番大事と思ったらあかん。もちろんお金も大事だが、お金は無くしても取り戻せる。しかし、人生にはこれを失うと取り戻すのに大変苦労するものがある。それは、信用や。信用を大事にせなあかん。」

このエピソードの中の会社を学校に、重役を充実に、お金を成績に、置き換えて読むことができ、信用は人間力に替えることもできます。よい会社に入ったと思い続けられるか、成績だけでなく信用、人間力を大事にできるかです。人間は、状況によって不平不満が多くなり、感謝の心を忘れ、私心(わたくしのこころ)に支配されるのかもしれません。「人生は心一つの置きどころ」という言葉があり、心は自分が決めるもの、自分で作るものが人生・運命です。

皆さんは「天賦の才能」ともいうべき能力を持っています。それは天から授かった贈り物です。また、皆さんは決して一人で大きくなったのではなく、一人の力で生きているのではありません。食べるものにおいては、植物や動物の命をいただいていますし、生活に必要なものも決して自分でつくっているのではありません。たくさんのものをいただいて生きているわれわれは、地球や世の中の人々へお返しする使命があります。そこで、皆さんには『世界のどこかを支える人間になる』ことを意識してほしいです。雲雀丘学園の創立の精神では、「社会のために尽くす精神」を最も尊重しています。本校で深く、広く、学んで、あなたが支える場所を見つけるとともに、支えることのできる力を伸ばして、骨太の「ひばり生」になってください。
私たちは、皆さんが入学されてくるこの日を心待ちにしていました。心よりお祝いし、歓迎いたします。この中には本校が第一志望ではなく、入学した人もいるかもしれません。しかし、最終的にここに進むと決めたのはあなた自身です。どんなに落ち込んでいたとしても、私達教職員一同は『生徒一人ひとりの夢の実現をはかる』という高い志のもと 情熱をもって努力し、取り組んでまいります。心配はいりません。思い切ってぶつかってきてください。これから三年間どうぞよろしくお願いします。そして、「ひばり生」としての誇りを持ち、充実した学校生活を送ってくれることを願います。

保護者の皆様にお願いがあります。「子離れして下さい」というお願いです。高校時代は、親離れを遂げ、人を守り支える大人へと成長する時期です。子どもが何を考え、何に悩んでいるのか、見えないもどかしさに親として苦しむ時期です。子ども達の育成にあたっては、家庭と学校との連携が何よりも大切です。皆様のご理解とご協力なくしては、雲雀丘学園の教育は成立しません。
3年後、みなさんが卒業される時、「雲雀丘学園に来て良かったなあ」「三年間で随分成長したなあ」と胸を張って言えるようになっていただきたいと願い、私の式辞といたします。


知事、市長をはじめ、小学校、中学校、関係の皆様よりたくさんの祝辞をいただきありがとうございました。

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