校長通信
創立記念日② 第59号
2021/09/30
10月1日(金)創立記念日・親孝行の日にあたり、前回に続き学園の歴史について書きます。
「孝道を人間の根本義と考え 社会のために尽くす精神を最も尊重し よりよい社会 国家を生み出すべく 心を素直にもち すべてに感謝の念を捧げ 健康な体力とたくましい実践力をもつ 強い人間を創ることを念願としています」。
創立30周年記念誌によりますと、この創立の精神は、「鳥井理事長から親孝行、田岡理事から社会奉仕、堀新理事から素直な心、等が出て」とあります。前号で書きましたように後半部分は土井学園長の教育観からです。
初代理事長は、親孝行を以下のように説明されました。 「親孝行というものは人間最高の道だと強く信じて居ります。孝行ということは、その人が人間として立派でなくてはできないものです。即ち、徳が身についていなければ出来ないことであります。徳のある人は、世の中に出ても認められ、必ず立派な仕事をして行くことが出来るものです。この学校は親孝行な人間を育てるという教育方針をもった学校」(昭和29年中学校校舎落成での鳥井信治郎理事長挨拶より)
創立記念日に向けて設立当時の様子を振り返ってきました。改めて資料を理事長を始めとして設立に関わってこられた方々が、こんな学校をつくりたいという明確な目標を掲げて取り組み、実現してこられたのは敬服するばかりです。村立小学校の分教場として、幼稚園の一教室を借りて産声を上げた学校が、今は幼稚園が2園、小学校、中学・高等学校までの「一大総合雲雀丘学園」(学校創設趣意書)にまで発展しています。
また、多くの方の意見を集約し練り上げられた「創立の精神」、これは本学園の宝物であり、「不易」なものとして引き継いでいかなければならないです。いつの時代でも、人類が生存している限り「親」があり「子」があります。親子の関係は永遠のテーマです。親が子を思い、子が親を思う気持ちはいつの時代も同じです。
今、自分がここに在るのは、親を始めとして多くの人の支えがあるからだということを理解すれば、感謝の気持ちを持って親を大切にすることはもちろんですが、「親の存在を乗り越える」、分かりやすくいえば「親より立派な人間になる」、その努力を続けること、そして社会のために役立つ人間になること、これが「親孝行」だと考えます。