学校ブログ

校長通信

岐阜 第65号

2022/10/24

学校経営

岐阜で行われた全国私立中学高校教育研究集会に参加しました。研究目標は「これからの時代に対応する私学教育の使命~私学独自の教育の再構築~」で、長良川国際会議場に全国から500名以上の先生方が集まり、研修を行いました。

初日は「教育政策と私学情勢」の報告のあと、「神岡でのニュートリノ研究を通して考える理科教育」の演題で東京大学宇宙線研究所教授でノーベル賞を受賞された梶田隆章先生の記念講演を聞きました。自らのこれまでの研究生活からこれからの教育について示唆に富んだお話しでした。日本は科学技術立国を目指すことが一番の旗印になり、若い研究者がすぐに役に立つ研究のみに猛進していること、先生曰く「人類の知の地平線を広げる」研究の重要性を話されました。また、国際比較データの中で「こどもたちが夢を持つ教育を」「女性の理系研究者割合」を指摘され、学校関係の私たちにも大変勉強になりました。

私学経営部会では、私学の使命として各校が培ってきた歴史や伝統、理念を堅持しつつ私学の新たな存在意義や社会的役割の再構築を行い、未来を見すえた教育がテーマとなりました。講演やパネルディスカッションを通して「私学が担い,私学しかできない」私学独自の教育について意見交換しました。
特に、「建学の精神の再創造」については公立私立ともに掲げることになったスクールミッション、スクールポリシーを考えていきました。本校においても創立の精神をより浸透させ、生徒のみなさんや先生方の中に落とし込んでいくことが重要です。国の教育改革の動きと全国の先生方からの情報とともに、本校の教育活動に活かしていきたいと思います。

地理の話しを・・・。岐阜はかつては繊維業が発達していたが、生産が海外に移り問屋街がシャッター街になってしまったと教えてきました。20年くらい前に行ったときに商店街にはシャッターが閉まる商店が多く、さびれており、再開発されると聞いていました。今回行ってみると、駅は立派、駅前には黄金の信長像が出迎え(キムタクがお祭りに来るとかが盛り上がっていました)2つの130m級のタワーマンションがそびえています。これから駅前正面に2つのゲートタワービルができるそうです。人口40万人の岐阜は名古屋から電車で20分でもあります。今回はタクシーから見ただけでしたが、古い店舗密集地にはどんどん新しいビルやお店ができていました。
朝の人の様子を知るために、早起きして駅前のホテルから長良川会場の橋の手前まで混雑バスに乗ってみました。朝の小テストでしょうか英単語の勉強している高校生にたくさん遭遇しました。どこの高校生も同じです。岐阜をはじめ北陸の地方都市の先生方からも、急激な少子化の影響で公立校でも私学でも定員割れが起きており、めざす大学は関東圏・近畿圏・中京圏の都会で、就職には故郷の地方には戻ってこないというお話も多く聞きました。日本は東京一極集中が進み、地方活性化・再生といえば「はこもの建造物」をつくることに終始しているような気がしてなりません。高層ビルはこれからどうなっていくのか?地方から送り出す親世代にも、出て行く若者にも生きがいを感じる生活の場はどこにあるのか、梶田先生の「若者に夢を」にも、つながるような気がしました。教育の役割は大きいです。
写真は、味噌おでんの大根です。美味でした。

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