学校ブログ

校長通信

先輩から学ぶ 第111号

2024/03/21

グローバル探究

65期生で国立台湾大学法学部に進学した卒業生にキャンパスの案内と進学動機・準備や大学生活について話を聞きました。事前に質問事項を届けており、生徒も意識して聞くことができました。

なぜ海外大学、なぜ台湾の大学に進んだのか?できなかった英語や数学(本人いわく)をどう伸ばしたのか?英語の上に中国語をどうやって勉強したのか?将来の夢は?など生徒の関心に丁寧に答えてくれました。
驚いたのは、試験のために家に帰らず24時間開館の図書館で勉強し、ほぼ泊まっていた(シャワー室がある図書館)こと、猛勉強で上位の成績をおさめスカラー奨学金をうけていること、外国枠で入学した人に対していわれのない嫉妬心をあらわにする台湾人がいることなどでした。

ホテル近くにたくさんの大学受験向けの予備校が並んでおり、玄関には大学名・学部・氏名が張り出されていました。トップは国立台湾大学です。学校が終わってから、かなり夜遅い時間にも弁当を購入したり、近くのお店で食事をして猛勉強しているようです。保護者の送迎の車、バイクの列を見ることもできました。学校にも遅い時間まで電気がついていました。

生徒たちも海外での大学生の先輩に「格好良い」「品がある」「あんな人になりたい」「夢に向かっている」「意志の強さを感じる」とその場で実感を教えてくれました。
就職をメインとした大学ランキングばかり報道している日本を顧みると、どんな境遇の人も本当に学ぶことができる体制になっていないように思えます。海外大学と比較すると日本の大学教育がまだまだ遅れているように感じました。

今回の台湾研修旅行に引率し、大きく3点を感じることができました。生徒からのレポートや感想文からもひしひしと感じることができました。いろいろな苦労はありましたが、実施して良かったです。
1.生徒たちの様子からグローバル教育に対する新たな気づき
2.台湾の学校交流や視察を通して日本における教育のあり方、問題点への気づき
3.国外の歴史や地理的状況。政治、経済を知ることが自国を考えることへの気づき
 いずれにしても、自国のことだけでなく、他国を知り交流することが、国際理解教育のねらいに関わります。国際理解教育が、グローバルローカリー、シチズンシップ教育、開発教育等とも結びついていると言われる理由です。「グローバル」ははやり言葉のようにどの学校でも使われ、海外に出ることが取り上げられますが、真に生徒の育成に寄与できるように取り組みたいと思います。

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