校長通信
こんな本を読んだ 第17号
2024/05/23
「こんな本読んだ」を久々に・・・少し前のものから紹介します。
まず本でなく映画です。東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマで、役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」です。ずっと気になっていたのですが、なかなか観に行けませんでした。2023年第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、役所広司さんが日本人俳優としては19年ぶり2人目となる男優賞を受賞しました。監督はドイツの方で、映像も美しく、日本の美しさや精神性に触れている気がしました。「こんな風に生きていけたら」が心に残りました。
この週末に帰国子女生徒への説明会に参加するために、バンコクと台北に出張します。関東関西から18校の私学が参加しております。ハードな行程になっております。また教育事情も報告します。
3月に台湾研修旅行を実施するにあたり、台湾に行ったことがなかったので、昨年、個人旅行で台湾一周してきました。そこでとても気に入りました。地震の被害の大きかったエリアにも訪問、宿泊したのでびっくりしました。
今回、台湾のSt. Peter HSと協定を結び、もっと勉強しようと台湾関係の本を読みました。歴史はもちろん日本との関係、台湾有事、中国との関係など、そして台湾の人々の考え方など勉強になりました。
「台湾の本音」 野嶋剛著 光文社新書
「台湾の歴史と文化」 大東和重著 中公新書
「学校がウソくさい」藤原和博著 朝日選書 「学校よ、今こそ原点回帰で蘇れ!」とあります。著者の藤原さんとはお話ししたことがあるのですが、エネルギッシュな方です。
こちらは小説「存在のすべてを」塩田武士著 朝日新聞出版で本屋大賞ノミネートだったと思います。「罪の声」がおもしろかったので、気になって図書室で借りました。
このあたりは売れている本です。「人生100年時代」の提唱者ロンドンビジネススクール教授のLIFESHIFTのシリーズです。梅田の紀伊国屋に大コーナーができていました。次々出ているようで同じ内容かなとすべて読んでいませんが、学校に関係するかなと思い学校説明会でお話しするマルチステージを確認しながら読んでみました。「16歳からのライフシフト」の紹介文です。
「100年人生」の一大ムーブメントを巻き起こした『ライフ・シフト』、待望の高校生版!若者が今後の生き方を考える上で必要なエッセンスを凝縮。キャリアや人生を設計するための手助けとなる「問い」も掲載。探究学習、キャリア教育にも最適。
「人生100年時代に何が変わるの?」「どのような働き方の選択肢がある?」「何歳まで働くの?」
「自分の時間はどう使う?」「進路、働き方、生活はどう考える?」
「2040」も売れました。さらっと読み直しました。「ChatGPT教師の仕事」はその時々にチラ見しています。
最後に担当教科の地理関係で。
東大入試の地理の問題は論理的思考力、展開力が重視される問題です。自分の知識をもとに表や図を読み取り、思考をめぐらせ、答えを導き出します。われわれが作問する中学高校入試や定期考査においてもそのようになれば良いと思っています。それによって、授業も変わるのではないかと思います。この本は小学生の解答を取り出し解説しています。神奈川の私学中高で書かれているのですが研究されています。
もう1冊は、地理新課程の学習参考書です。文英堂「理解しやすいシリーズ」の旧版に関係していたこともあり、今回の「地理総合」「地理探究」新版の日本の国土、防災、地域調査、自然環境、人口村落都市の執筆を担当しました。限られた紙面で書き切ることは難しいのですが、今回の改訂の趣旨を意識しながら勉強し、書いてみました。暗記科目と言われがちな社会科、地理ですが、思考力重視の地理好きな生徒が増えればと思います。
中間考査もがんばってくださいね。