学園ブログ

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常務理事便り

2022年05月19日

Vol 8 誰もやらないことへの挑戦  ―飛べ、蛍!!―

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 先日、本校ひばりの里のアドバイザーのYさんが勇んで学園事務局に入ってこられました。「蛍が孵(かえ)りましたー!!」の一声です。

 以前はひばり滝付近に自然発生していたゲンジボタルが環境変化(環境破壊)の中でいつのころからかいなくなってしまったという話をお聞きし、前学園長の岡村先生がYさんや中高の岸本先生、科学部の生徒の皆さんと蛍復活活動に昨年来取り組んでこられました。

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孵(かえ)ったばかりのゲンジボタル
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二段の白いおしり部分が光ります

 ゲンジボタルは元来、水がきれいで流れのある場所、かつ餌となるカワニナが生育しているところにしか育ちません。いわば、汚染のない環境優良なる場所でしか発生はしないのです。当初はひばり滝付近での再生を目指しましたが、様々条件を試したところ、ここでの復活再生は難しいという結論に至りました。しかし、科学部の生徒や岸本先生はあきらめません。それなら、自分たちで飼育して滝で飛んでもらおうと計画したのです。こうして、餌のカワニナ捕り、成虫からの産卵、幼虫飼育等を経て、羽化までこぎつけたのです。まさに、やってみなはれ、だれもやらないこと、無理だと諦めそうなことを敢然とやり遂げてくれました。このパッションこそ、社会に出ても役立ち、創立の精神にも書かれている「たくましい実践力」につながっていきます。

 最初の一匹に続きこれから次々と羽化が始まる予定です。5月末頃にはひばり滝付近に「やってみなはれのゲンジボタル」が舞うことを楽しみにしています。