学園ブログ

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常務理事便り

2023年02月20日

Vol 47 墓参

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 本日は初代理事長 鳥井信治郎先生の祥月命日です。昭和25年、地元の保護者有志に沸き上がった小学校設立の願いを実現すべく、設立発起人に名をつらね、設立後は亡くなられた昭和37年2月20日まで雲雀丘学園初代理事長として学園の発展に尽力されました。

 創立の精神の冒頭にある「孝道を人間の根本義と考え・・」という文言は初代理事長が強く推されたと記録誌に書かれています。「孝」は人間最高の徳であり、この最高の徳を身につけた人はどんなことでも間違いなく立派にできると確信されていました。孝の始まりは親孝行です。それを学ぶことで、一緒に暮らす家族や助け合う友達への感謝の気持ちが芽生え、更に我々を取りまく社会や自然にも感謝できる人に成長していくことを願ったに違いありません。

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 信治郎先生は幼いころからの丁稚奉公等を通じて、社会の仕組みや人間の感情というものを熟知されていたはずです。自分さえよければよい、あるいは自社だけが良ければよい、という利己的な考えでは長い繁栄を築くことはできません。必ずしっぺ返しが来ます。

そうした人間社会の仕組みを身をもって学んでいたはずです。自分のためだけではなく、ほかの何かのために働く、あるいは働いて得たものを社会に還元していくという考え方を強くもっておられました。大戦後まもなく、診療所や療養所を作り多くの人を助けました。また、苦学生に対しては匿名の資金援助(奨学金)も惜しみませんでした。大戦後、国民を勇気づけるために新国民歌作りにも大きな力を割かれました。今はあまり聞かれることはありませんが新国民歌「われら愛す」はこうして誕生しました。

 親への感謝、社会への感謝、自然世界への感謝、こうした我々を取り巻くすべてのものに感謝できる人、他責ではなく自責で物事を考えることのできる人を育んでいきたいと墓前にお誓いした日となりました。