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常務理事便り
2023年05月23日
Vol 10 広島サミット
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~
ゼレンスキー大統領が広島サミットに電撃的に参加しました。G7サミットは国際政治の最大の表舞台ですから、各国の思惑が飛び交い、裏では様々な駆け引きもあったことが想像に難くありません。戦火の中を一時的にとはいえ離れ、直接、ウクライナの心を会議参加の主要国に届け、支援継続の約束を取り付けるという目的を最優先されての決断だったと思われます。広島を訪問し、原爆資料館を見学し、慰霊碑に花を手向けたことは大きな話題となりました。
戦争と平和、あるいは戦争と核兵器は人類にとっての最大の矛盾するテーマとなっています。戦争や核兵器はあってはならないこと、この世の中から消えてほしいと誰もが思っています。しかし、ウクライナの様に自国の平和を守るために文字通り、必死に戦いを続けている国も厳然としてあります。核兵器廃絶も然りです。日本は広島、長崎で原爆の被害を受けた唯一無二の国ですから、核廃絶を訴えて当然ですが、核兵器禁止条約には批准していませんし、最大の核保有国である米国とは同盟関係にあります。こうした問題は既に一国では解決不能な段階に進んでいるようにも思えます。戦争はしてはいけない、核兵器は存在してはいけないという理想論だけでは解決できない問題が山積みです。しかし、現実に合わせて理想を捨て去ることは現実を一層加速させかねません。理想の旗は掲げ続けながらも、国を守るとはどういうことか、国を守るためのし烈さも我々はかみしめなければいけない時代に突入しています。
教育界においてもこのような問題について正面から取り組み、より一層真剣に考える時期が迫っているように思われた広島G7サミットとなりました。