学園ブログ

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常務理事便り

2023年11月10日

Vol 34 「運気 決断」「失敗 努力」

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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 阪神が38年ぶりに優勝しました。関西は大いに盛り上がっています。時を同じくして私がかかわる剣道界では11月3日には日本一の選手を決める全日本剣道選手権大会、11月5日には全日本学生剣道優勝大会(剣道日本一の大学を決める団体戦)が開催されました。前者は広島県代表で今春に日本体育大学を卒業したばかりの棗田(なつめだ)選手が初出場、初優勝の快挙で剣道日本一に輝きました。外連味のない、思い切った剣道が勝利につながったように思います。また、後者では前回のブログでも取り上げたように法政大学が30年ぶりの頂点に輝きました。いずれも優勝候補と目される選手やチームとの接戦をものにしての勝利でした。

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標題の言葉は本年度の全国学生剣道大会のパンフレットに全日本学生剣道連盟会長の中本和洋先生が二回に分けて揮毫(きごう)された言葉です。パンフレットにはこれらの言葉を解説して以下のように述べられています。「試合では、日ごろ見せない油断や隙が勝敗につながる場面がある。剣運とも言うべきこの機会を逃さず、決断し、大胆に打ち込んで一瞬の勝負にかける。」

 更に続いて、「このように、決断し、打ち込めるようになるには、日頃の努力、すなわち稽古が必要です。人生も、決断、そしてそれを実現するための努力の連続です。

 剣道の試合を通じて、精神と身体を鍛え、社会生活の中においても、大事な場面で決断し、目的を達するための努力ができる人になってほしいと願います。」(パンフ原稿より抜粋)

 剣道の勝負において必要とされる重要な心のあり様は社会に出てからも大いに必要となる重要な要素であると述べられています。先だって、この言葉について更に深くお尋ねすると言葉を一つ足されて「運気 決断 失敗 努力」が真に意味するところだ、とおっしゃられました。

決断して挑戦し、その結果失敗して(勝敗に敗れて)もめげずに努力を続け、再度、挑戦することの繰り返しが人生であり、ご自分の人生を振り返ってみても「失敗なき成功はありえない。」ともおっしゃっておられました。

 今、学園にとって最も重要なのは「失敗してもめげずに努力できる生徒・児童を育成すること」です。親子ともども、失敗してはいけない、失敗したらどうしようと思いすぎているのではないかと危惧しています。特に学業においては、失敗すると落ち込み、自分はダメな人間だ、ほかの人より劣っているなどと考えがちではないでしょうか。まったくそんなことはない、挑戦して失敗することは当たり前にあることです。恥ずべきことでも何でもない。恥ずべきことは努力をやめてしまうことです。目標に向かってめげずに、しつこく努力を続けることは人生においてきわめて大切なことです。努力を続けていれば、成功という対価を生む可能性が高まりますし、間違いなく人間の器は大きくなります。逆説的に言えば、「失敗しなければ、人は大きくならない。」といえるのではないかと思います。

 「運気 決断 失敗 努力」は肝に銘じておきたい言葉です。