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常務理事便り
2024年06月10日
Vol 11 繁茂の季節
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~
先週は高校2年生の修学旅行、その他の中高生の校外学習(遠足)がありました。小学校は授業参観が始まりました(今週も続きます)。4月の新学期から児童生徒は新しい環境に慣れるために緊張感をもって学校生活を送ってきたに違いありません。2か月が経ち、少しその環境にも慣れてきて、少しは息抜きをし、心の緊張をほぐすにはそれぞれの行事が良い契機になったのではないでしょうか。気の合う仲間と学校を離れて一緒に過ごす非日常は、それぞれの心を洗ってくれたに違いありません。また、保護者がおみえになっての参観授業は児童にとっては晴れの場です。ポジティブな気持ちが高まっているに違いありません。たとえ、うまく答えられなかったとしても、頑張っていた様子をしっかりとほめてあげてほしいと思います。きっと、学校での意欲が一層、高まるはずです。
里田んぼでも田植えが終わり、苗が根付き始めました。同時に害虫も発生しており、無農薬の田んぼの管理はなかなか、大変です。更に雑草も根を伸ばし始めましたし、池でもメダカが盛んに繁殖し、スイスイと群れを成して泳いでいますし、アオミドロや絶滅危惧種の水草も繁茂しています。
6月に入り、人も自然も大いに成長する季節になってきました。自然の中では多様な生物が共生しながら、大きく成長し始めました。子どもたちも同じでしょう。新学期から今までは自分だけのことで精いっぱいだったと思います。新しいクラスや学年という慣れない集団の中で2か月が過ぎ、相互理解が進み、ようやく、お互いを認め合いながら、ともに成長できる季節を迎えたわけです。
農薬をまき、害虫や雑草を死滅させると、手間なく稲は順調に成長し、たくさんの実りを結ぶかもしれません。しかし、その裏で多くの生物が死滅し、生物多様性は著しくなくなり、持続可能な自然環境は少しずつですが、確実になくなっていきます。人も全く同じです。優れた均一な集団の中で育てば、その価値観の中では優れた人材に育つかもしれません。しかし、世の中の価値観は実に多様です。多様な価値観の中で育ち、それらへの理解が幹の太い、様々なことに臆せず対処できる人間を育てます。
夏休みまでのしばらくの間、人も自然も多種多様に大いに繁茂し、刺激し合うことを期待しています。