学園ブログ

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常務理事便り

2024年07月08日

Vol 16 陰徳を積む

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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先日、サントリー社から14名のお客様をお迎えしました。
同社創業者の想いを学ぶための研修会参加者です。初代理事長でいらした鳥井信治郎翁はサントリー社の経営者であったことは多くの方がご存じかと思います。信治郎翁は会社が生み出した利益は「お客様やお得意先」に、そして次なる発展のため「会社への再投資」に、更に、会社が存続している根幹たる「社会」に三分割すべきと唱えました。これは、近江商人の「売り手良し、買い手良し、世間良し」のいわゆる「三方良し」に似ています。
 会社創業の当時から社会に対する貢献を企業の使命であるとされたわけですが、今や当たり前となったCSR的思想をサントリー社が大きくなる前の「寿屋」時代から実践し、貧しい人々のための無料の診療所や宿泊所などを作りました。これらの事業は「社会福祉法人 邦寿会」に引き継がれ、すでに100年を経過しているのです。
 更に翁は「陰徳あれば陽報あり」とし、こうした社会貢献活動は名を伏せてやるべきと考え、ことさらに会社の名前を出すことなく社会奉仕活動を続けてきたのでした。今でも、多くの方が知らない分野でこうした活動は続いています。「陰徳を積むこと」は会社の発展にもつながると信じてやってきたことは、いまだにサントリー社の中に脈々と生きています。
 こうしたことを学ぶために、サントリーコーポレートビジネス社(以下SCB社)の会長以下、14名が本学園を訪ねてくれました。

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 信治郎翁の陰徳としてお手伝いをした学園の成り立ちや「親孝行な人はどんなことでも立派にできます」という言葉の謂れなどを座学で学んでいただき、小学校を見学していただきました。私たちからは、法人がお得意先であるSCB社様の特徴を生かして、中高探究活動における企業様とのつながりの強化について、お知恵を貸していただけるようお願いすることができました。来られた面々は異口同音に「訪問して、創業者精神に触れることができて大変良かった」、「教育を通じて企業様とのつながりを膨らますことができるように頑張りたい」などの感想をいただくことができました。
 孝道を人間の根本義と考え、社会のために尽くすことのできる実践力ある強い人間を創ることを念願とする、と創立の精神は宣言しています。一歩でも二歩でも近づいていきたいと思います。