学園ブログ

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常務理事便り

2024年11月13日

Vol34 まさかの優勝

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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前号に続いて、剣道の話です。11/9日、10日愛知県春日井市で全日本女子学生優勝大会が開催されました。(5名で戦う団体戦です。)

 現在の学生剣道界の勢力図は関東勢が圧倒しています。それは登録人数だけではなく各種大会成績についてもいえることです。体育会剣道部に籍を置いて修練する学生は約一万人いますが、その45%近くが関東の大学所属です。地方の有力な高校生選手が関東地区の大学に流入することで登録人数は増えていませんが維持しています。一方、関東以外の地区は少子化や有力選手が関東を中心に流れることなどから、地盤沈下を起こしつつある状況にあります。

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この写真は本文と関係ありません
 このように地方が厳しい状況に置かれる中、優勝したのはなんと、九州地区の福岡大学でした。応援に来られていたOBもびっくりの優勝でした。福岡大学はもちろん地力はあったのですが、九州予選でも常勝の鹿屋体育大、進境著しい別府大の後塵を拝した3位でした。

それが接戦の中、関東の有力校を次々と破り、決勝に勝ち上がりました。ベスト8には進出したのは福岡大以外ではすべて関東勢でした。ここから優勝候補の一角の日体大や早稲田大を破り、決勝に駒を進めたのでした。

 相手は昨年優勝し、本年度も優勝候補の筆頭、筑波大でした。もはやここまで、西日本勢として、よくぞここまで勝ち上がってくれた、と私も内心思っていました。ところが福岡大学は大将戦で勝利し、勝ち数、取得本数で同点に追いつき、代表者戦に持ち込みました。代表者戦は1本勝負です。筑波大学の代表は本年度の大学女子個人戦の優勝者のKさんです。今回も負けなしの好調を維持しています。一方の福岡大は今回、数々の逆転劇を演出してきた大将のKさんです。しかし、この時点でも多くの方は筑波大の優勝を予想されたのではないかと思います。

 会場の観客、役員、選手たちが固唾をのんで見守っています。聞こえるのは選手の気勢と竹刀が小刻みに触れ合う音だけです。開始1分過ぎくらいでしょうか、二人の選手が鍔迫り合いから離れようとした刹那、福岡大のK選手が胴を一閃、その瞬間に旗が3本上がりました。なんと、予想もしなかった、福岡大が初優勝した瞬間でした。

 勝負事は本当にわかりません。選手層、周りの環境、過去の戦歴などを見比べれば、到底予想できない結果となりました。しかし、福岡大にはそうしたデータでは表せない強さが培われていったのではないかと思います。試合を重ねるうちに「私たちも出来る、やれる」

大阪弁で言えば「やってみな、わかりゃぁしまへんで!」という確信。逆境にあっても最後まであきらめない意思が大きな成果を手繰り寄せたということかと思います。勝負に限らず諸事、本質は同じではないでしょうか。

 福岡大学の女子学生剣士の皆さん、おめでとうございます。勇気をいただきました。ありがとう!!これからも油断することなく精進を続けてください。