学園ブログ

学園ブログ

常務理事便り

2024年11月01日

Vol32 研修週間

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

20220401.jpg

今週は多くの学年で宿泊研修の週となりました。小学校3年生は山へ、中学2は沖縄へ、中3はオリジナルプランで東京始め、全国6か所に、更に高校1は和歌山県の白浜へ、それぞれが目的を持った宿泊研修に出ていました。沖縄を除き、今日、宝塚に戻る予定です。

学年のみんなと協調しながら研修を進めていくには自らを主張することも大切ですが、他の仲間の声を聴き、最善な方法を採っていくことがより重要になっていきます。

ある種の生きていくための知恵を働かさねばなりません。果たして、よりよく全員が満足できる研修になったことを期待しています。

 そんな折、新聞等で小中学校の不登校児童生徒が34万人という記事がセンセーショナルに紙上をにぎわしています。我々教育関係者はこの事実はしっかりと受け止めねばなりません。一方で慌てふためき、拙速な対策を講じてもすぐには効果が表れるとは思えません。要因は極めて複雑で、今の学校の仕組みや教育の考え方では今後もこの数字は増え続けるように思えてなりません。

 識者、関係者の解説が一緒に載っています。要因その1は、コロナ時代に集団生活を送る機会が減り、その結果「幼い子供が我慢や忍耐の力を養えず、不満をうまく処理できなくなったのではないか」。要因その2は、2017年に施行された「教育機会確保法」は学校以外の多様な学びを認め、「無理してまで学校に行かせなくてもいい」との認識が広がったことが影響している、などが主な解説です。不登校の理由としては「学校生活にやる気が出ない」、「不安抑うつ」、「生活のリズムの不調」が上位を占めます。

 様々な解説や対応策が書かれていますが、どれも的を捉えているようには思えません。根本的な部分が今のままではすべてが付け焼刃になってしまいます。難しく、困難を伴いますが、現在の教える教育から進んで学べる、自ら学ぶ教育への深化を急がなければならないと思います。偏差値や成績表が小学校から高校まで付きまといますが、本当にそうしたものが、立派で独り立ちできる人間の育成に必要なのか、学ぶ教科がたくさんありますが、本当に必要か、特に小学生低学年などは集団活動や遊びの要素をふんだんに取り入れて、人間関係作りの機会をたくさん与え、人としての基盤の成長をサポートしていくことがより重要ではないかと思います。その結果として、教える教科の思い切った削減などが視野に入ってきます。また、学期ごとの成績表などは本当に必要かどうかも含めて、検討すべきではないかと思います。更に、その内容も大きく変えていく必要があると思います。親も子も先生も偏差値や成績表に振り回されているような気がしてなりません。そうした「ものさし」にとらわれない教育が本当に必要な時代が来たように思います。