学園ブログ

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常務理事便り

2024年12月11日

Vol38 フロンティア・ウイーク

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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中高では新しい試みとして、今週1週間は通常授業から特別授業に切り替え、教科書では学べない様々な分野について、主体的に学べる期間としました。外部講師の方も招き、通常の授業では得られない、実学的な学びに多くの生徒たちがチャレンジしています。

 例えば、体育館では高1生が全員集まり、慶応大学のS教授の指導のもと、「システムデザイン」について、ワークショップなどを通じて学びました。「システムデザイン」という概念は私も十分には理解していませんが、あるアイデアの実現や課題解決に向けて、対象となるものの要素や構造を多面的にとらえ、具体的な仕組みとして作り上げたり、具体的な課題解決策をデザインすることを学ぶ実践的な学問です。一見、理系と思われたり、IT系と思われがちですが決してそうではなく、経営戦略や人事戦略、マーケティングなどにも応用されている分野横断的、学際的な学問で、ここ数年高い注目を集めています。

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 ある課題を様々な角度から分析し、実現可能な対応方策を見つけ出し、実践していくという、言わば正解のない解を導き出す、これからの社会で最も求められる能力であり、生きる力につながる刺激的な学びです。

 今回のテーマは「朝起きられない問題に対してのイノベーティブな解決方法」。午前中いっぱいを使って、多くの生徒がグループワークなどに積極的に参加し、「システムデザイン」の何たるかを経験することができました。一人でも多くの生徒がこの分野に興味を持ち、学びを深めてもらいたいと思います。

 同じ時間に講堂では中京大スポーツ心理学のK先生の指導のもと、高2生が「非認知能力(目に見えにくいが生きる力に直結する能力)」について学んでいました。ここでは非認知能力の要素について「メタ認知(自分の考えや行動を客観的に振り返る能力)」を促進させるようなワークショップが行われるなど、興味深い内容の講義が展開されていました。

 また、別の講座では中学生がジョンソン&ジョンソン社の指導のもと、「ヘルスリテラシー」について学びました。体調不良で病院へ行くという設定でロールプレーイングが実施され、医師に自分の症状をいかに正確に伝えるか、その時の必要な能力について、講義を受けていました。

 学年やレベルに合わせて内容も形式も違いますが、学びをより実践的なものとして深めていく新しい取り組みは、生徒たちの成長にとって、今後ますます欠かせないものとなっていくに違いありません。即ち、学びと社会をつなぐ「フロンティア」的授業といっても過言ではありません。ここに生徒たちの新しい発見や気づきが眠っているのではないかと思います。この取り組みが根付いていくことを期待しています。