学園ブログ

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常務理事便り

2025年03月03日

Vol53 67回高等学校卒業式

~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~

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67期生332名の皆さん、そして保護者の皆さま、ご卒業、誠におめでとうございます。
私がこの学園に赴任したとき、皆さんはまだ10歳、小学校5年生でした。可愛らしい5年生だった皆さんが、今では立派な青年男女へと成長されました。心からお祝いを申し上げます。
保護者の皆さまにおかれましても、これまでのご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。ご家庭において、あるいは教職員とともにお子さまたちを支え、この日を迎えられたこと、改めてお祝いとお礼を申し上げます。
さて、本日は皆さんの門出を祝う卒業式ですが、残念ながらお天気は快晴とはいきませんでした。しかし、雨の日は実は縁起が良いとも言われています。二十四節気でいえば、今は「雨水(うすい)」の時期。雪が春の雨へと変わる季節であり、自然の息吹や変化を感じさせる頃です。この雨も、皆さんのこれからの人生の実りを暗示する吉兆の雨かもしれません。

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卒業後、室内で記念撮影


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幼稚園から高校まで通ってくれた子が 
26名卒業しました。 
皆さん、雲雀丘学園の育てたい生徒像を覚えていますか?
「高志、自律、努力」。また、「やってみなはれ」精神を様々な機会を通じて学んだはずです。この学園は社会に貢献できる「自立型人間」の育成を「親孝行」とともに大切にしてきました。これらを、これからの人生の指針として大切にしてほしいと思います。
先日、ある一流企業の人事部の方とお話をしました。その方が「今の若者はなかなか自立できていないのではないか」と指摘されていました。理由を聞くと、次のような答えが返ってきました。
「今では、入社式に保護者席を設けないとクレームが来る時代になりました。数十年前には考えられなかったことです。さらに、入社時の提出物の確認や問い合わせは、ほとんどが親御さんからの電話です。」
この話を聞いて、私は改めて「自立」の大切さを実感しました。
皆さんは、これから親の庇護を離れ、本当の意味での「自立型人間」になっていかなければなりません。そのために大切なのは、「すべてを自分で決める」という意識を持つことです。自分の考えを持ち、責任を持ち、決断する。それこそが「自立」です。
保護者の皆さまにお願いしたいことがあります。
大学4年間は 「金は出すが、口は出さない」
社会人になったら 「金も出さないが、口も出さない」
この姿勢が、子どもたちの本当の成長につながります。社会に貢献できる、立派な大人に育つための土台は、すでに皆さんの中にあります。あとは、それを意識し、実行するだけです。
最後に、皆さんに覚えておいてほしい言葉があります。
それは 「明歴々、露堂々(めいれきれき、ろどうどう)」 という禅語です。
意味は、「真理は明白であり、それに気づくことが大切である」 というものです。
メーテルリンクの『青い鳥』の話にも似ています。
私の剣道の師匠も、晩年、この言葉を座右の銘として大切にされていました。
「これまでの修行の成果は、面をつけて立ち上がった己の姿にすべて凝縮されている。そこにあるのは、他人の真似ではない、自分の剣道だ。」
そう語っておられました。
では、皆さんにとって、この言葉はどのような意味を持つでしょうか?
皆さんがこの世に生まれ、今ここにいるという事実こそが、何よりも尊いことです。
他人と比べる必要はありません。自分を飾り立てたり、虚勢を張ったり、あるいは他者と比較して卑下する必要もありません。
「あるがままに、堂々と生きること」
これこそが、皆さんに伝えたいことです。
これからの人生を、自信をもって、堂々と歩んでください。
皆さんの未来に、大いに期待しています。
最後になりますが、改めてご卒業おめでとうございます。
これからの皆さんの活躍を、心から願っています。