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常務理事便り

2025年03月10日
Vol54 75回小学校卒業式
~雲雀丘学園常務理事 成地 勉~
本日、第75回卒業式を迎えるにあたり、児童、保護者の皆様方に心からお祝いを申し上げます。
142名の児童の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんは令和初めのコロナパンデミックにより、様々な楽しい学びや体験が制約を受け大変苦労されました。しかし、コロナ後にはスキー合宿や、臨海学舎、九州方面への修学旅行等、メインとなる大きな体験は復活しましたから、きっと苦労と喜びのたくさんの思い出を作られたのではないでしょうか。
保護者の皆様もお子様方がちょうど成長盛りの頃に様々な制約を受けましたので、学校の授業はもちろんですが、何かと心配事が多かったのではないかと推察いたします。幸い大過なく今日を迎えられたことを皆様とともに喜びたいと思います。おめでとうございます!




さて、卒業生の皆さん、皆さんの進路はこれから様々に分かれていきます。他の学園に進学される方、そのまま学園中学校に上がられる方、あるいは地元の中学校に進まれる方もいらっしゃいます。皆さんにはそれぞれの進学先でしっかりと頑張ってほしいと思います。周りの環境はこれまでとは変わるかもしれませんが次のことを忘れずにいれば、どこへ行っても大丈夫です。
まず、しっかりと認識しておいてほしいことは、皆さんはとても貴重で、尊い存在であるということです。今ここにいることそのものが奇跡に近い、そんな価値ある一人一人であるということです。なぜなら、我々ヒトはホモサピエンスという人類の種です。ホモサピエンスがアフリカに誕生したのが30万年前、そして、アフリカを出て世界に広まりだしたのが約6万年前、更に約4万年前に日本にきたということが最新の遺伝子解析の結果、判明しています。そうして彼らの命が営々と紡がれて、皆さんが今、ここにいます。こうして考えてくると、皆さんは生きているだけで奇跡的な価値ある存在なのです。そうであれば、こんな風にも考えられます。小学校を卒業し、その貴重な人生を本格的に歩み始めるこれから先、自分がしたいことを思いっきりやればよいのです。成功や失敗は気にする必要はありません。成功を誇る必要もないし、失敗を卑下する必要もありません。もし失敗すれば、何回でも気が済むまで挑戦すればよいのです。なぜなら、貴重な人生であればあるほど、充実したものにしてほしいからです。人が決めたことをやるよりも、自分で決めたことをやる方が楽しいし、充実しますよね。初代理事長の鳥井信治郎先生は20歳にして、独立して店を構え葡萄酒を売り始めました。ウイスキーに進出するときは会社の幹部や関係先の偉い方は皆さん「ウイスキーは日本人の味覚に合わない」と反対一色でした。しかし、鳥井先生は自ら選んだやりたいことに敢然と挑戦し、紆余曲折を経て、今のサントリーさんの礎を築きました。皆さんもやりたいことを一所懸命に探して、思う存分にチャレンジしてください。「やってみなはれ」です。皆さんのこれからの人生はやってみたいことを探す旅でもあります。
この無数に選択できる人生をしばらくの間、サポートするのは保護者の皆さんです。歩みたい道の選択や方向付けは本人自らにしてもらいましょう。ここに口を出さないことが子どもたちの成長の源泉になるに違いありません。文字通り、見守ってあげてください。
卒業生の皆さんが自分の道を見つけ出し、充実した価値ある人生を歩んでいかれることを心から祈念して祝辞とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございました。