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親孝行・やってみなはれ
2018年10月05日
オリーブの木
校庭の観覧席の東の端に1本のオリーブの木があります。総合発表会の頃に,小鳥たちの格好の餌になる,熟した実をつける木です。
私が雲雀丘に来て1年目,昭和58(1983)年の年度末に,香川の小豆島のYMCA余島キャンプ場に青少年育成リーダーの研修会に行かせてもらい,その帰りに,オリーブの若木を買ってきました。
2年目,昭和59(1984)年のスタートの4月に「学校へのお土産で買ってきました。」と,当時主事だった仲谷清先生にお渡しすると,ちょうど,今のベル広場の西側に位置していた温室で一年間大きく育ててくださり,1年後の昭和60(1985)年,「君の記念樹だね,頑張りなさい。」と今の位置に植えてくださった木なのです。
大学を卒業したばかりの新卒で,しかも見ず知らずの土地で,保護者の期待の多い私立の小学校の4年生のクラスを任されて,教師生活が始まりましたが,やることなすこと全くうまくいかずに,毎日毎日が空回りで失敗の連続でした。当時の36回生の4年月組の子ども達と保護者のみなさんには本当に申し訳がなかったという思いと,思い出す度に恥ずかしさで赤面の気持ちでいっぱいです。
ご多分に漏れず,仲谷先生には,ことあるごとに『ご指導』を受けました。教員室でも,教室でも先生の足音が聞こえると緊張したものです。学級経営,教科の教材研究,教師としての立ち居振る舞いや言葉遣い,服装,髪型に至るまで,事の大小を問わず指摘されることが多く,最後には,「良くなる見込みがある人間だと思っているから叱るのだよ。」と褒めて(?)もらったりもしました。
未熟で生意気盛りの20代前半の頃から,愛情を持って厳しく私を育ててくださった仲谷先生は,この写真のように抜けるような青空の上からいつも雲雀丘を見守ってくださっているのでしよう。時には「昔とった杵柄を誇らしげにする教師は進歩しないよ。」などと諭すように仰っておられるかもしれません。時々聞こえるような気がします。
33年前にこの丘の地に根付かせてもらったオリーブの木は,今年もたくさんの青い実をみのらせています。私も,まだまだオリーブに負けないように日々,精進していきたいと思っています。
(小学校 教頭 井口 光児)