1月19日(火)、環境大使と担当教員で校外学習に行きました。行き先は、「ヒガシマル(株) 」です。製麹装置、もろみタンク、大型圧搾装置、詰口自動化ラインと工場見学を行い、ヒガシマルで実施している省エネルギー・資源のリサイクル・排水処理・産業廃棄物の処理・廃熱利用などのお話を伺いました。昼食後はグリコピア神戸で工場見学をして、楽しく学ぶ1日を過ごしてきました。
本校は、平成26年度から平成28年度まで、経済産業省 資源エネルギー庁主催の「エネルギー教育モデル校」に選定されています。
情報発信としての公開研究授業や校内発表、校外環境イベントへの参加などなど、今回の校外学習を含む本校のエネルギー教育の実践の様子は「エネルギーモデル校」の活動報告のHPでも詳しく紹介していきます。ぜひご覧ください。
コチラをクリック→『エネルギーモデル校 活動報告』
一面雪景色でした まずは座学
いざ工場へ ツタは夏の熱対策
塩水をためる場所 海水の10倍の濃度とか!
赤穂の塩がたくさん もろみ
熟成には6か月かかる 長い布でしぼります
綺麗な排水 鯉も住んでいます
空気を燃やす 匂い対策 いよいよ完成
大豆の説明 ボトルに詰められたたくさんの醤油
帰りにグリコぴあによりました カカオはチョコのいいにおいしないね
見学後の質疑応答より
Q ヒガシマルでは年間どれくらいの醤油をつくっていますか?
A 4千万トンです。醤油ボトルを横だおしに並べていくと、東へはニューヨーク、西へはマドリードあたりまで並ぶ量です。1400のメーカーと工場が年に8億ℓの醤油を作っていて、これは真空醤油パックを上へ積んでいって月にささるくらいの量です。
Q 醤油の搾りカスを、小麦畑の肥料に再利用しているという話がありましたが、塩分の影響はありませんか?
A 実は堆肥にもある程度の塩分は含まれています。醤油の搾りかすは堆肥の塩分の10倍ありますが、栄養が高いので、使用料は1/10で済むため、影響は堆肥と変わりません。また、匂いが堆肥に比べて良いので、利用しやすいという利点があります。
Q 最後の行程であった「精密ろ過」ってなんですか?
A 余分なたんぱく質をフィルターで超す作業です。
Q もろみ絞り機の近くにあったミシンは何に使っているんですか?
A しぼり布は全長1.3kmあります。次の布に入れ替える時にその継ぎ目を縫い合わせるために置いています。布の破れを補修するようなものではありませんよ。
Q うすくち醤油は全国的に使われていますか?
A 関西に多いです。
Q 麹の品質管理はどのようにしているのですか?
A 戦前からの麹を培養しています。オリジナルの大切なものです。
Q 醤油のボトル詰めが、とてもゆっくり入っているように思ったのですが・・?
A 勢いよく注ぐと泡立つ性質があるので、そのようになっています。
Q ヒガシマルのマークの由来はなんですか?
A 関西にあるのになぜヒガシ?という質問をよく受けます。西側にたつの城があり、本丸の東側、東丸に位置していたから、もう一つの理由は東の大きな丸=太陽のように、上昇していこうという気持ちから。
Q ライバルはどこですか?
Aよく醤油の他メーカーの名前をあげる人が多いですが、実はライバルはマヨネーズ・ケチャップなどの「他調味料」です。醤油は「好きな調味料ランキング」で1位になっており、日本食は「ユネスコ無形文化財」に登録されました。一方でファミレスなどでは和食が広まっていない現状もあります。醤油メーカーは課題を発見し、国内のみならず海外へ向けても和食を盛り上げていく仲間です。
以下大使感想
・脱脂大豆というものを初めて知った。油がもともとのぞいてあるので、油を扱う企業と醤油を扱う企業が良質な大豆を共有できるようになったそうだ。表示の見方も教えてもらい、面白かった。
・ヒガシマル加古川工場は甲子園球場2つぶんもの大きさがあった。醤油工場の中は、伊丹の酒工場と同じ匂いがした。1日30tもの塩を使っており、使う食塩水は海水の10倍!でも、排水が鯉が住めるほどきれいにされていた。
・麹を作る過程やもろみを発酵、熟成させるタンク、容器詰めの過程を見た。工場内は醤油の香りがした。醤油作りで出た空気(醤油の香り)は燃やして水蒸気にして外にでないように配慮されていた。醤油作りの塩は赤穂の塩(一番塩)だった。
・醤油は5種類もある! 醤油は大豆・小麦・塩・米・麹でできている。そして300年前から使われている。醤油の匂いは300種類もある!ヒガシマルでは年に4千万トン!つくっている。おどろいた。
・醤油は人間の力だけでなく、他の生き物(微生物)の力も借りて作られている、というのが印象的だった。現代になっても、醤油をつくるのは麹の力で、人間は環境を整えることしかできない。
・脱脂大豆やもろみをみた!工場内はすごく醤油のにおいがした。でも、外には匂いがしないように対策がされていた。年間4千万トンも作っているということで、ライバルは他の醤油メーカーかと思ったが、洋食がライバルと知った。
・醤油は大豆・小麦・塩でつくるが、薄口醤油はさらに米(甘酒)をもろみに加えてできている!布でプレスされて絞っていた。絞りカスは牛のエサになったり畑の肥料になったりしていて無駄がないなと思った。
・もろみを熟成させるのに6か月かかる。大豆には丸大豆と脱脂大豆がある。醤油をボトルに詰める時にゆっくり入れていたのは泡を立てないため。色々な事を教えてもらった。醤油はいろんな料理に使えていいなと思った。
・醤油に小麦が使われているのは知らなかった!小麦は国産で、兵庫県の小麦の半分はヒガシマルで使っており、国産100%で地産地消しているのがすごいと思った!行程の全てに理由があるのに驚いた。
・たくさんの料理に入っている醤油をいつも食べていたが、醤油の作り方は知らなかった。今日学んだことを家の人に話してあげたい。
・詰め込み等は全て機械!機械が動きを覚えてすべてを行っているのがすごいと思った。ボトルにつめるのは一瞬だが、準備から含めると詰めるまで6か月もかかると知った。
・醤油は万能調味料であり、いろいろなところで生活に役立っていると知った。その製法は昔からのものを継承し、麹にいたっては戦前のものを使っていると知って歴史を感じられた。ヒガシマルは清潔さにこだわり、昔からの味に加えてさらにおいしくという思いを持って醤油をつくっているなあと気づきました。グリコでは久々に童心に戻った気がしました。子ども喜ばせるしかけが多くしてあり、とても楽しかったです。
・醤油貯蔵タンクの周りの植物は夏の日光で醤油が参加するのを防ぐ「緑のカーテン」だった。ヒガシマルでは揖保川の水・赤穂の塩を使って地産地消していた。関東では薄口醤油はめったに使わないと知った。醤油と味噌の差は、塩を入れて粘りをつけて作るか、塩水を入れて液体にするかの差があるということだった。醤油は300種類もの香りがバランスよく入っていて、醤油がなぜ日本の料理に不可欠なのかよくわかりました。来年の大使遠足も楽しみです。