2年後期ともなると,来年度の準備が始まる。しかも,私立型か国公立型で行くか,どこを受験するのか,選択科目は何を選ぶのか等々,決めなければならない最終リミットが迫ってきている。いままで,LHRでくどいほどに進路についての説明を繰り返したのもそのためである。現在,生徒個々と面談を行っているのも,その確認作業の面もあるが,どこまで彼らが考えているか聞きだすいい機会であると考えている。
私の場合,いまやっと,クラスの2/3の生徒と面談を終わったところである。生徒によっては予定時間を超え,1時間以上話すこともあるし,その中で答えが見つかる子もおれば,指針だけ示して終わる子もいる。全般に,どの子も真剣にまじめに自分の将来を考えているなぁというのが,ここまでの感想である。
----------------------------------------
「先生,わたし,□□大学のAO入試を受けようと考えてるんです。」
「えっ?そこって・・・・・・・・・この前,わたしが説明した大学じゃないの?その意見も含めてのことなの?」
「そうです。先生の説明も飲み込んだ上で,やっぱり行こうかなぁと。で,どうせ行くんだったらAOから受けてみようかな,と」
「ふ~ん・・・・・・・・・」
「ところが,そこのAO入試のことがよくわからないんですけど,何か資料ないですか?」
以前から,この子から進路のことで相談を受けていたが,□□大学にすることについてはその決め方が表面的すぎて,わたし自身,納得がいかなかった。
「う~ん・・・・・・・。ちょっと待ってね,探して持ってくるから。」
進路指導室に行ってみたが該当する資料がなく,職員室に行き,探して見つけてきた。
「あったよ・・・・・・・,ここ,ここ,みて。」
そこには,昨年度の受験者数,合格者数が掲載されていた。わずか4人が受験し,4人とも合格になっていた。
「えっ?・・・・・・・・・・・・これって,全員合格・・・・・・・ですか?」
「そうだね。出せば合格るってやつだね。」
「4人か・・・・・。何でこんなに少ないんですか?」
「ここ,専願だもの。それに,合格発表が10月はじめでしょ?その後に他の大学の公募推薦が始まるのだけれど,合格ってしまえば一切受けられないからね。」
「そうか・・・・・・・・・」
「どうする?それでも行くか?」
「えっ?う・・・・・・・・・・先生のお薦めのところはどこですか?」
「そうだなぁ,ちょっと難しいけど,△△と,○○と,う~ん・・・・・・・・そう,☆☆かなぁ。歴史も実績もあるし,中も充実してるし,いいとこだよ。それに,他学部の学生もいっぱいいるし,折角通う4年間だったら,学生生活も大事だしね。」
その後,公募推薦入試があること,試験科目や倍率,一般入試の日程,試験方法等々,すべて解説し,それに対してどういう勉強をしていけばいいか,今何から手をつけなければならないのか,勉強スケジュールはどう組み立てるかまで一気に話し込んだ。
「じゃぁ,わたし,そうします。それでいいです。やったぁ,わたしの進路が決まった~」
そういいながら,晴れ晴れとした顔で帰って行った。
わたしは,彼女の前向きな姿勢を評価している。その姿勢は,最終到達点までもつだろうと予測している。だから,まだ距離はあるけれど,段階的に目標設定して進ませてみようと思っている。一歩ずつ前に進める子だから,半年後,きっと今よりもっといい状態になっているはずだ。
【配 布 物】 ありません。
【連絡事項 】
・テスト一週間前になりました。
・まだ,新型インフルエンザによる影響が続いていますので,「風邪調べ」を再開しました。