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2009年11月27日

気になる一言

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 あまり話題にならなかったが,先月,ハリウッド版「鉄腕アトム」が公開された。我々にとって,アトムはロボットの代表である。しかも,「彼」は正義の味方ヒーロー。我々にはロボット=「人の役に立つ機械」であり,お掃除ロボットは当たり前の機械だ。
 しかし,いつ頃からだろう,この等式は科学全般に及び,役に立たなければ意味がなく,実利がなければ意味がないという見方が広がっている。

 ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんは,自分の研究について,「1円にもなりません」と明快に答えたそうである。しかし,小柴さんのカミオカンデや,ハワイ島マウナケア山頂にたてたすばる望遠鏡が映し出す宇宙も,日本の最高水準の技術によってもたらされたものである。純粋科学の成果は直接に役に立つことは少なく,それを支えている技術が間接的に我々を豊かにしているのだが,そんな舞台裏まで考え及ぶ人は少ない。

「1位でなければ駄目なのか」「国民生活にどう役立つのかが分かりにくい」-事業仕分けにおいて出た質問が気になった。

2009年11月26日

あるクラスにて

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後ろの黒板に書いてありました。
高校生らしい,その文字が持つ雰囲気も大事な要素だと思い,わざと写真だけで表しておきます。読めますでしょうか?
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2009年11月25日

掃除の現場

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2009_11_25.jpg仮校舎の床は白いビニール製でできています。見た目はきれいですが,汚れが目立ちやすい。特に乾燥した冬場は静電気が起こり,ほこりがつきやすいですね。毎日毎日,生徒と一緒にブラシ型のほうきで掃いていますが,あまりきれいにとれません。だから最後はから拭きモップをかけて吸い付いたほこりを拭き取っています。

それにしても,すごい量の髪の毛です。モップをかけてきれいになったと思っても,誰かが歩いた後必ず1本落ちています。不思議なもので,1本見つけると,必ず2本目を見つけようとしてしまいます。それがまた,本当に見つけてしまうんですね。そして,よせばいいのに,その2本の髪の毛を指でつまんで後生大事に持ったまま,教室全体を歩き回って,毛を探している!(えっ?そんな経験ないですか?)。これって,習性ですかねぇ?

長さからして女の子の髪の毛だと思いますが,切れ毛が多いですね。若い子の髪の毛なんてそのままでもきれいなのに,整髪剤やなんやかんや手を入れすぎてかえって傷めてしまうことが多いんじゃないでしょうか。そんなことをふっと漏らしたら,
「先生,ちがうよ,勉強しすぎてストレス溜まってんの!」だって。

【配布物】   ありません
【連絡事項】 ありません

2009年11月24日

人生いろいろ

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2009_11_24.jpg 2年後期ともなると,来年度の準備が始まる。しかも,私立型か国公立型で行くか,どこを受験するのか,選択科目は何を選ぶのか等々,決めなければならない最終リミットが迫ってきている。いままで,LHRでくどいほどに進路についての説明を繰り返したのもそのためである。現在,生徒個々と面談を行っているのも,その確認作業の面もあるが,どこまで彼らが考えているか聞きだすいい機会であると考えている。
 私の場合,いまやっと,クラスの2/3の生徒と面談を終わったところである。生徒によっては予定時間を超え,1時間以上話すこともあるし,その中で答えが見つかる子もおれば,指針だけ示して終わる子もいる。全般に,どの子も真剣にまじめに自分の将来を考えているなぁというのが,ここまでの感想である。
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「先生,わたし,□□大学のAO入試を受けようと考えてるんです。」
「えっ?そこって・・・・・・・・・この前,わたしが説明した大学じゃないの?その意見も含めてのことなの?」
「そうです。先生の説明も飲み込んだ上で,やっぱり行こうかなぁと。で,どうせ行くんだったらAOから受けてみようかな,と」
「ふ~ん・・・・・・・・・」
「ところが,そこのAO入試のことがよくわからないんですけど,何か資料ないですか?」
以前から,この子から進路のことで相談を受けていたが,□□大学にすることについてはその決め方が表面的すぎて,わたし自身,納得がいかなかった。


「う~ん・・・・・・・。ちょっと待ってね,探して持ってくるから。」
進路指導室に行ってみたが該当する資料がなく,職員室に行き,探して見つけてきた。
「あったよ・・・・・・・,ここ,ここ,みて。」
そこには,昨年度の受験者数,合格者数が掲載されていた。わずか4人が受験し,4人とも合格になっていた。
「えっ?・・・・・・・・・・・・これって,全員合格・・・・・・・ですか?」
「そうだね。出せば合格るってやつだね。」
「4人か・・・・・。何でこんなに少ないんですか?」
「ここ,専願だもの。それに,合格発表が10月はじめでしょ?その後に他の大学の公募推薦が始まるのだけれど,合格ってしまえば一切受けられないからね。」
「そうか・・・・・・・・・」
「どうする?それでも行くか?」
「えっ?う・・・・・・・・・・先生のお薦めのところはどこですか?」
「そうだなぁ,ちょっと難しいけど,△△と,○○と,う~ん・・・・・・・・そう,☆☆かなぁ。歴史も実績もあるし,中も充実してるし,いいとこだよ。それに,他学部の学生もいっぱいいるし,折角通う4年間だったら,学生生活も大事だしね。」


その後,公募推薦入試があること,試験科目や倍率,一般入試の日程,試験方法等々,すべて解説し,それに対してどういう勉強をしていけばいいか,今何から手をつけなければならないのか,勉強スケジュールはどう組み立てるかまで一気に話し込んだ。
「じゃぁ,わたし,そうします。それでいいです。やったぁ,わたしの進路が決まった~」
そういいながら,晴れ晴れとした顔で帰って行った。


わたしは,彼女の前向きな姿勢を評価している。その姿勢は,最終到達点までもつだろうと予測している。だから,まだ距離はあるけれど,段階的に目標設定して進ませてみようと思っている。一歩ずつ前に進める子だから,半年後,きっと今よりもっといい状態になっているはずだ。

【配 布 物】 ありません。
【連絡事項 】
・テスト一週間前になりました。
・まだ,新型インフルエンザによる影響が続いていますので,「風邪調べ」を再開しました。

2009年11月18日

選択科目

 本日3年次の選択科目についてのプリントを配布しました。いよいよ3年生での受験体制へどのような戦略で臨むのか、決定する時期になりました。理系α、β、文系α、βの決定、選択科目の決定と将来の自分の進路を考えつつ決定することになります。これからの1年と数ヶ月の間の時期がそれぞれの人生において、おおきな意味を持つ時期となります。人間的な成長もその中で進んでいけると思います。日本が世界において置かれている位置や今の経済状態など、混迷と思える状態の中でも、希望を持って努力していくことがより良い人生につながることだと考えます。
 単に選択科目を選ぶというだけでなく、自分の進路についてより深く考える機会として欲しいと願っています。

2009年11月17日

中間考査まで2週間!

 気づいてみたら考査まで、2週間となっています。あわただしく過ぎていく2学期です。ギター・マンドリン部が県大会で最優秀、全国大会へ出場することになりました。演劇部も近畿大会へ出場することになっています。53期生が中心となっての文化部の躍進にとても嬉しく、担任団一同、誇らしい気持ちいっぱいです。ただ、目の前に迫りました考査に向かって、一日一日、やり残しのないようにしっかりと取り組んで欲しいと願っています。

2009年11月16日

中間考査2週間前

本日で,後期中間考査2週間前です。計画的に学習をはじめているでしょうか。なんとなく過ごすとあっという間にテストが明日!なんてことになりますよ。特に前期の成績が芳しくなかった人にとっては学習に意識をもって取り組むようにしよう。やれば必ず実を結びます。日々努力!
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特に配布物はありません。
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本日は漢文朝礼テストがありました。小テストを制する者が定期考査を制するといっても過言ではありません。日々の小テストを大切にする気持ちをもって,日々取り組んでください。

2009年11月14日

土曜日の午後

 土曜日の午後になりました。本校は、土曜日は全て授業日になっています。そもそも、学校が週休2日になったのは、日本人は働き過ぎだと言われ、労働者の休日を増やすために週休2日を導入したことにはじまります。国が導入したのですから、公務員は土曜日が休みになります。そして、公立の先生は公務員ですから、休みになります。先生が来ないと、学校は休みになります。ということで、学校も週休2日になったのです。そのために、土曜日の分の授業を減らさねばならなくなり、学習量が削減されました。「ゆとり」は何だかそのための理由付けのような気がします。でも、そのために日本の教育は全体のレベルが大きく下がってしまったといわれています。昨日述べた子供達の色々なことに関する興味関心が減退していることも、小・中学校で学ぶべき基礎的な内容が減ってしまったことに原因しているのかもしれません。昨日の報道で図書館の利用者と小学生の読書冊数が増えたと述べられていましたが、実は小学生の読書時間は減っています。これは、本をよく読む生徒と読まない生徒がはっきりと分かれてしまっていることを示しています。つまり、ここでも格差が生まれてしまっているということです。このような事態をどうすれば改善できるのでしょうか。
 これは、我々大人だけの課題ではなく、生徒の皆さんも考えておかなければならないことでしょう。大学へ入るためには、もちろん受験科目をしっかり勉強することも大切ですが、頭が柔軟で時間に余裕がある高校生の時に、様々な科目を学び、様々な本を読み、様々な文化財や美術品に触れることが、大学で、そして社会に出たときの自分に役立つのです。時はまさに“文化の秋”“読書の秋”まっさかりです。受験科目さえやれば良いという、近視眼的な考え方ではなく、幅広い教養を身につけることを意識しましょう。

2009年11月13日

あるべき場所 あるべき姿 あるべき人  再び

 また、旧聞を1つ。去る文化の日に、場所を移し、新装なった逸翁美術館を訪ねました。「逸翁」は阪急の創始者小林一三さんの雅号です。小林さんは、近・現代屈指の茶人としてたくさんの茶器をはじめとする美術品を蒐集し、そのコレクションが没後に美術館として公開されてきました。しかし、その美術館が様々な理由で休館となり、新館に移りました。
 さて、池田駅のほうから坂道を登ってくると、阪急文庫の北側に瀟洒な白い新館がありました。エントランスから展示室にはいると、その入り口に小磯良平画伯によって描かれた小林一三さんの肖像画が掛けられていました。それを見た瞬間に、違和感を覚えました。元の逸翁美術館は、現在地から少し東の小林一三さんが暮らしていた邸宅「雅俗山荘」をそのまま使用したものでした。その玄関を入ったところにこの肖像画が常に飾られていました。私はそれを見るたびに、いつも小林さんが生前と同じようにお客様を迎えておられるのだと思って見ていました。新館でも同じことを意図して展示されているのでしょうが、やはり本当の家を離れてしまったことで、こんなにも、絵に対する自分のイメージが変わるのかと自分でも驚きました。
 新しい美術館は、素晴らしいコンセプトで作られ、今後ますます充実していくことでしょう。そして、元の雅俗山荘は、来春には「小林一三記念館」として生まれ変わるそうです。小林さんの肖像画がどちらに展示されるのかは分かりませんが、2つの館が小林そんの想いを受け継いで共に続いて行くことでしょう。
  高Ⅱの皆さんも機会があれば、逸翁美術館を訪れて小林さんの想いに触れてみましょう。
 

2009年11月12日

知の広がりを楽しむ心

 クロード=レヴィ=ストロースの死と並んで、私が今年ショックを受けたのは、大阪古書肆の代表とも言うべき中尾堅一郎さんの訃報であった。中尾さんとの出会いは、私が畏れ多くも中尾さんの店に押し掛けた時からである。初対面でかつ浅学非才の私に、様々なお話しを一時間以上にわたってお聞かせいただいた。
 私が中尾さんを訪ねた理由は、江戸時代の大坂が生んだ“知の巨人”木村蒹葭堂(きむらけんかどう)の研究をはじめようとしたことによる。
 木村蒹葭堂(1736~1802)は、坪井屋吉右衛門という大坂堀江の造り酒屋の主人であった。しかし、それは渡世の上での姿であり、蒹葭堂の本分は、古今東西の奇書珍物を集め、それを考策する博物・物産の学にあったといっても過言ではない。彼の家には、毎日何人もの来客があり、当時の文化人で「浪速を訪う人にして、蒹葭堂を訪わざる人なし」といわれたほどであった。彼の学問は、動物学や植物学、考古学といった現在の学問の枠組みでは区切ることのできない広大なものであり、彼自身が1つの“知の宇宙”であったといっても過言ではない。当時の大坂で、商家の主人として日常を過ごしながら、極めて優れた学問的業績を残した人は実は蒹葭堂一人ではない。天文学の間重富、升屋の番頭さんで唯物論・無神論を説いた山片蟠桃など枚挙に暇がない。彼らは、仕事の合間を縫って、自らの知的好奇心を最大限に発揮し、大きな成果を生み出したのである。
 生徒の皆さんを見ていると、年々知的好奇心が減退しているように感じられる。身のまわりの楽しいことだけに興味を示し、少し難しい本を読んだり、政治について考えたりする人がぐっと減ったように思う。
私が大学に入学したとき、少なくとも友人達でレヴィ=ストロースを知らないものはいなかった。ちなみに、私が授業を担当している高Ⅱ・高Ⅲでは知っている生徒は、残念ながらゼロだった。この差は、何に原因しているのだろか。このことは、私達大人がよく考えねばならぬことだろう。
 最後に、昨日のクイズの答えを書いておきます。『野生の思考』のフランス語の原題は、“LA PENSÈE  SAUVAGE”です。PENSÈEとは「思考」という意味と共に「パンジー」=「三色スミレ」という意味もあります。そして、SAUVAGEは「野蛮人」と訳されることが多いのですが、ここでは「野生の」と訳します。つまり、野生=原種の三色スミレと「野蛮人」・「未開人」と呼ばれてきた人々の逞しい思考を比喩的に重ね合わせているのです。
配布物:ひばりの図書室No.33

2009年11月11日

雨のウェンズデイ

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このタイトルを見て、「あっ」と気付くのは、保護者の皆さんでしょう。生徒諸君でこの題名を知っている人がいたら、なかなかの通ですね。
それはさておき、久し振りのまとまった雨になりました。これからは、一雨ごとに秋が深まりを見せていきます。山が少しずつその色を変えていく様を生徒の皆さんはよく観察してみてください。人間は、自然の一部として、その中で生きているということを、都会で生活していると、ともすれば忘れがちです。それが現代人に様々な心の問題を引き起こしている原因の一つであることは間違いないでしょう。
このことは、すでに近代の初期から指摘されていることです。近代最大の思想家ともいえるルソーは、近代社会が人間の根本を破壊するものであることを早くも見抜き、「自然にかえれ」と提唱しました。現代に続く様々な矛盾や問題点は、自然と人間の乖離が生み出した結果であるといっても過言ではないでしょう。
そうした近代社会の大きな背景となった考え方に、「進化論」と「西洋科学万能主義」があります。それらは、人間が全ての生物の頂点にあり、近代科学によって全ての物事を知ることができるという独善的なものでした。実は、「資本主義」も「共産主義」もどちらもその根底には「進化論」が大きな影響を及ぼしています。
では、人間は本当に一方向的に進化・発展しているのでしょうか?そうしたいわば常識視されていた考え方に真っ向から疑問を呈したのが、先日100歳で亡くなったクロード=レヴィ=ストロースの「構造主義」でした。彼は、現代人が「訳の分からないもの」と感じている無文字社会の人々の思考や宗教にも、実はきちんとした論理性があり、それは現代人の思考と優劣をもって比べるものではない、「野生の思考」と呼ぶべきものだという考え方です。この考え方は、思想界に大きな反響を巻き起こし、ポスト構造主義と呼ばれる様々な思潮を生み出しました。でも、ストロースが考えたことは、そんなに大袈裟な事でしょうか?彼は、南米などのフィールド調査を通じて、おそらく自分と彼らとは「物事に対する対処の仕方が少し違う」だけで、同じ人間だと気付いたのでしょう。そして、その根本的な気づきが偏見のない相対的な文化観へと彼を導いていったのでしょう。
 人間は、学んでいる途中で、「ふっ」とひらめく、あるいは気付くことがあります。学校での学習でもそうです。いわゆる「壁を越える」と言う状態ですね。今日もHRで進路について(今日のテーマは推薦入試)お話ししましたが、進路を定めるためには、まず自らの学力を高めることが必要です。それが進路の幅を広げるのです。先日も模擬試験を実施しましたが、もう自己採点は済ませましたか?間違った問題をやり直してみましたか?そうした地道な取り組みが、自らの希望する進路に近付く第一歩です。
 最後にクイズを一つ。レヴィ=ストロースの『野生の思考』の表紙には、原種の三色スミレの絵が描かれています。それはなぜでしょう?答えは、明日のプログで。
 配布物:保護者対象講座「子どもたちのケータイ・ネットの現状」ご案内プリント

2009年11月10日

中学校訪問

10月から11月にかけて、私達教員は、一人が数校ずつ手分けして、各中学に来年度入試の説明にうかがっています。皆さんの後輩が1人でも多く本校を受験していただくためですが、中学の先生方とお話ししていて、一番先生方が喜ばれるのは皆さんの様子を伝えたときのことです。「○○さんは、□□という職業を目指して、授業中もよく頑張っていますよ。」「☆☆君は、今クラブで大活躍です。」そうした、お話しをさせていただくと、先生達は「くれぐれも生徒達に宜しく伝えてください」と嬉しそうに仰います。皆さんが本校で色々な形で頑張ることが母校の中学の先生方への何よりの恩返しではないでしょうか。今日も皆さんの頑張っている様子を伝えに中学訪問へ出かけてきます。

2009年11月09日

あるべき場所 あるべき姿 あるべき人

 いささか旧聞に属しますが、文系の諸君は校外学習で今話題の阿修羅像を拝観しました。阿修羅像は、永らく興福寺の国宝館でケースの中で公開されてきました。像の高さは、153cm。その面立ちや少し儚げな体躯と合わせて、思春期の少年・少女を思わせます。ケースの前に立つと阿修羅の大きさは、人間としての親近感を抱かせるものでした。ところが、今回は他の八部衆像や釈迦十大弟子像と共にお堂の中で巨大な本尊の前で並んで祀られていました。図らずも、ある生徒が、「先生、阿修羅って思っていたよりも小さかったです。」という感想を私に告げました。実は私も久しぶりに対面した阿修羅像が小さく見えたことに驚きました。広い堂内で、巨大な仏像を背景とするとそれとの比較からでしょうか。しかし、お堂の中で見た阿修羅像やその他の仏像達は、ケースの中に並んでいるときよりも、それぞれが遙かに存在感がありました。それは、やはり仏像は堂内で祀られ、拝まれるものであるという当たり前のことが再確認されたということでしょう。
 奈良でもう一つ話題になっている「像」に、平城遷都1300年祭のマスコットとして決定され、物議を醸した「せんと君」があります。この像は、額に白豪をもつ明らかに仏教的造形に鹿の角を付けるという大変奇抜な姿です。奇抜という意味では、阿修羅像も三面六臂の異形の仏像です。しかし、その姿には、ゾロアスター教という異教の神であったアフラ・マズダに起源するきちんとした理由が付加されています。他にも様々な姿をした神や仏が存在しますが、それらは全てそれぞれの宗教の経典などでその姿の意味を厳密に定められているのです。
 先日、ある新聞の講演会を収録した記事で、せんと君の作者が「せんと君は、神仏習合の姿です。」と述べているのを見て、驚きました。その作者は他には仏教などに題材を得た作品を数多く製作しており、仏教や神道に対する知識も一般の人よりは多くあるようです。それならば、神仏習合という日本独自の宗教の在り方が、どれほどの僧侶や神官が精密な解釈を重ねてきた結果だと知っての発言でしょうか。
「せんと君」はやはり仏教に対する冒涜としか言いようがないと多くの僧侶や宗教者も指摘しています。その立場に立つならば、せんと君は「あるべき姿」ではないということです。
 人間も様々な場所で、様々な人が日々生きています。そのなかで、自分自身が本当にそこに「あるべき人」として過ごすことができる、高2の諸君にもそんな進路を選び取って欲しい。そう願っています。
 先週末からクラスごとに個人面談が始まっています。日々の学習や生活と共に、受験校をほぼ確定し、α・βの選択など来年度に向かっての生徒諸君の意思確認をおこなっていきます。
 それぞれの教室で、授業に真剣に取り組む姿を見せる高校2年生の生徒の皆さん。天上での帝釈天との激しい戦いの末に仏に帰依した姿を表すとも言われる興福寺阿修羅像のように、凛とした姿で人生を過ごすために、まず自分の進む道を定めましょう。
 ※本日の配布物はありません。

2009年11月06日

進研模試

本日は進研模試一日目です。数学,理科,地歴を受験しました。これまで3教科受験でしたが,今回は初めて理科,社会も含めた5教科で受験をします。これまでもHRなどで受験についてなど話をしてきましたが,模試に対してかなり意識を持って取り組めたと感じています。明日は英語,国語,現社です。最後まで集中して取り組んでいこう。
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明日は一日模試です。授業はありません。

2009年11月05日

明日は進研模試です。

明日,明後日は進研模試です。明日は,数学,理科及び地歴です。C組以外は午後からは授業です。C組は4限のみが地歴の受験でそれ以外は授業です。各教科しっかり対策をして臨もう。昨日,今日と各教科の先生に質問に来ていた人もいます。何事にも準備が必要です。最後まで!!
(土曜日は,全クラス英語,国語,現社です。)

2009年11月04日

LHR

4日のLHRの時間に私学及び国公立大学のAO入試についての説明を行いました。資料は8枚と多岐にわたりますので,AO入試を考えている人はゆっくり資料に目を通してください。安易な考えでは受験できないこともよくわかったと思います。しっかり考えてみてください。