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2012年12月31日

「大晦日」にあたって

 きょうは大晦日、2012年最後の日です。2012年は第3ステージの展望を切り拓く、としてスタートした年でもあります。
 高校改革からスタートし、翌年中学改革として進めてきた学校改革も軌道に乗り、進学実績の向上を始め環境教育の充実やクラブ活動の活発化とともに実績向上など成果が出てきました。また、経済不況や少子化の中で私学経営が厳しい中、多くの入学者を迎えることもできてきました。
 その中で、単なる知識の習得に終わらせず、「本物の学び」の追求を掲げ、「学び」の楽しさやおもしろさを体感する中で学習に対するモチベーションをアップさせる取り組みに力を入れてきました。「分からないことが分かるようになること」、「出来なかったことが出来るようになること」、この体験が何より学習に対する意欲を喚起することになると考えているからです。今年から本格的にスタートした大学や研究機関と連携した「学びの場」も生徒が意欲的に参加してくれました。
 「学び」に大きく関係する教員の指導スキルや授業研究にも力を入れてきました。日常の生徒の学習スタイルも「予習」に重点をおいた家庭学習を提起してきました。その結果、「予習」に力を入れて取り組む生徒が、6学年ある中で5つの学年で1学期より2学期の方が増えているというアンケート結果も出ました。
 今年を振り返ってみると、まだまだわずかな成果ですが一歩前進したことは間違いないと考えています。年が明けるとすぐに三学期です。大学入試や中学・高校入試と続きますが、今年度の課題を総仕上げする学期として頑張っていきたいと考えています。

2012年12月30日

「夢を最後まで追求することの大切さ」

 2012年を象徴する大きなニュースと言えば、iPS細胞でしょう。しかも、ノーベル賞を受賞された山中教授やガードン博士にまつわる大変興味深いエピソードもありました。
 山中教授は、手術も不得手で他の医師が30分で終わる手術に2時間かかったということもあったそうで、臨床医を諦め基礎研究に転換されたところから今の成果にたどりついたということもあり「人間万事塞翁が馬」を座右の銘にされているという話でした。
 一方のガードン博士は、学生時代はかなりの落ちこぼれだったそうで、学生時代の学業報告に「科学者になるという考えを彼は持っていると思う。これは全くばかげている」、「彼にとっても、指導する必要がある側にとっても全く時間の無駄だ」と酷評されていたという話でした。一度科学から離れられたそうですが、大学でかつての夢に再び取り組み、iPS細胞作製の原点になる実験に成功されました。
 お二人に共通していることは、決して順風満帆な研究者生活を送られてきたのではないということです。多くの失敗や挫折の連続、それを乗り越えて大成功をおさめられたということが言えます。多くの失敗を学ぶ材料として捉えたり、成功へ導くヒントが隠されていると考えるべきだということや、何よりも「夢」や「志」を最後まで諦めずに追求していくことの大切さを教えていただいたと思います。今まさに受験という試練に直面している受験生の皆さんにとっては、勇気づけられる話ではないでしょうか。

2012年12月29日

「夢は叶えられる」

 2012年も後3日になりました。今年は4で割り切れる年、オリンピックイヤーでした。4ヶ月前になりますが、史上最多のメダル獲得に象徴されるように感動する場面がたくさんありました。「夢叶う」という言葉とともに、「夢は見るものではなく、実現させるものだ」とか、「努力は人を裏切らない」といった言葉をたくさん耳にしました。「夢や目標」、「高い志」を持ってそれを実現するために「努力」する姿が、人の心を打ち、感動させたのだと思います。
 さて、受験生にとっては、いよいよ入試やセンター試験が近づいてきました。一生懸命努力すれば必ず「夢叶う」というほど甘いものではありませんが、努力なくしては「夢叶う」ことがないことは事実です。結果は、努力の度合いに比例するほど単純なものではありません。あれほど一生懸命努力したのに、結果がついてこないという場合もあります。残酷なようですが、結果だけを考えれば、「合」か「否」です。しかし、「合」の場合だけが、努力が報われたのでしょうか。いや、そうではないと思います。失敗やあるいは「第二希望」であった進路から素晴らしい人生を築き上げたという例はたくさんあります。そこに共通するものは、今やるべきことをやり遂げるために一生懸命努力しているということが挙げられます。「努力は人を裏切らない」ということは、「直近の結果」だけをさしているのではありません。長いスパンで考えればということだと思います。
 目指す学校を「夢」とするのではなく、「夢」実現のための「一つの選択肢」として捉えて努力を続ければ、必ず「夢は叶う」、いや、「夢は叶えられる」ものだと信じています。

2012年12月28日

今年の学校納め

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                3種類のつきたてお餅の差し入れがありました
 きょうで学校の業務は終わり、明日から特別休暇にはいります。といいましても、高校3年生は、30日まで講習を行います。31日から元旦にかけては、本校の体育館で毎年恒例の甲志会剣道越年稽古会が行われます。今年で31回目になるそうですが、阪神中体連や高体連の先生方や地域の剣道愛好家が集まって大晦日から新年にかけて稽古をされます。この様な活動はまだありますが、きょうで学校納めです。
 中学入試の出願も年内はきょうで終わりました。後は、年明け7日から10日までが前期入試の出願期間になります。28日現在で、前期A日程の比較でいいますと、一昨年度の出願者数を越えました。年内の前期A日程出願者数の比較では、昨年度よりも僅かに多く、前期B日程では少ないという状況です。お陰様で、今年度も多数の方に出願していただき、感謝すると共に期待に応えるべき責任を感じている次第です。
 今年の入試は、日程の関係で少し遅くなっていますが、後二十日余りです。「後・・・しかない」と捉えるべきか、「未だ・・・ある」と捉えるべきかは別にして、残された期間をどう過ごすかは非常に大切です。センター試験を受験する高3生にも同様のことがいえます。「驚・懼・疑・惑」(きょう・く・ぎ・わく)という言葉があります。 「驚いたり、懼(恐)れたり、疑ったり、惑ったりする」心の状態を表す言葉で、「四戒」と言いこの様な状態になることを戒める言葉です。競争率に「驚懼」したり、自分の力を「疑惑」してはいけません。年末年始は厳しい寒さになるとの予報がありますが、体調に気をつけ、計画したことを着実に行うことが、栄冠を手にする近道だと確信しています。

2012年12月27日

生き方を探る契機となる「環境教育」

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 昨日は、「本物の学び」の追求について振り返ってみました。きょうは環境教育について考えてみたいと思います。
 本校は「人間教育の充実」と「学力の向上」の両立を目指しています。その「人間教育」の大きな柱として位置付けているのが「環境教育」です。「環境教育」を単なる知識の獲得だけに終わらせていません。「学び・考え・行動する」ものとして捉えています。自分の生き方を探ることにも発展させうるものだと考えています。
 中高一貫校のメリットとして、先輩である高校生の姿をみて中学生が学ぶということがありますが、ともすればこれがデメリットになることもあります。というのは、先輩に頼ってしまい、中学生が活動する場面が少なくなるということがあるからです。その点を考慮して、「環境教育」は中学生をメインにして取り組ませるようにしています。活動内容は各学年の宿泊行事と関連づけた取り組みや有志による「環境大使」の活動などです。また、地域のコミュニティと連携した「里山再生」の取り組みも行っています。これらの活動を集約し、発表する「環境フォーラム」を中学生の手で企画運営させています。「実践力旺盛な生徒集団」は今年掲げた目標の一つです。失敗を恐れずいろんなことに「トライ」してみる、そして、そこから教訓を導きだす。自立へ向けた大切なプロセスだと考えています。
 これらの活動の中から自分の進路を見つけ出している先輩が出てきています。「環境教育」は、生き方や進路を考える契機になる取り組みへと発展していくものだと考えています。

2012年12月26日

「本物の学び」の更なる高みを目指して

 今年も後わずかになりました。各学年の冬期講習も最後の追い込みに入っています。
 さて、平成24年を振り返ってみますと、何と言っても今年は「本物の学び」の追求での新しい局面を切り拓いたということが挙げられます。日々の授業を大切にすることは勿論のことですが、その授業に臨むにあたって予習の定着を掲げてきました。予習を単なる授業の前の下調べから、もっと本格的に自ら進んで、自分の興味や関心のあることについて深く掘り下げてみる、そして授業に臨み、検証するとともに学んだことを復習で定着させるという学びのサイクルの重要な柱として位置付けるということです。場合によっては、授業の枠や範囲を超えたり、履修の範囲も学年を超えることもでてくると思います。そこででてくる疑問や課題を先生にぶつける、という取り組みが様々なところで起こってくるようになってほしいと考えています。
 今年の象徴的な取り組みとして、大学や研究機関と連携した学びの場の創出があります。「サイエンスキャンプIN鳥取大学」では中学生が大学の先生や学生と一緒に研究をしました。「最先端科学実験教室」として行っているサントリーの生物有機科学研究所での「研究者体験」は5日間にわたる本格的なものでした。このような学びの風土のなかから「日本生物学オリンピック」での本選出場者や「日本ジュニア数学コンクール」優良賞受賞者がでてきたといえます。机を並べ共に学んでいる仲間の中から受賞者が出るということは、多くの生徒に勇気と希望を与えてくれたと思います。
 もう既に、各種コンテストやグランプリなどに対する取り組みは、中学生からがポイントになるとして計画をスタートさせているところでもあります。来年度は、「本物の学び」の追求の更なる高みを目指していきたいと考えています。

2012年12月25日

「クリスマス」について

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 きょうはクリスマスです。12月25日といえば、イエス・キリストが生まれた日と思われている人が多いと思いますが、実は違うというお話です。
 先日の中学英語暗誦大会で、生徒たちのスピーチが終了した後、ALTの先生から素晴らしいとお褒めの講評をしていただきました。その後、彼がゲームでこの問題を取り上げていましたが、ほとんどの生徒は、「キリストの生まれた日」に手を挙げていました。では、どうして、この様に思われるようになったのでしょうか。
  現在のようにキリストの誕生が12月25日に定められたのは、4世紀半ばのローマでのことだったとされています。それまでは、いつ生まれたかは定かでないということだったようです。当時のローマでは、太陽神を崇拝する異教が大きな力を持ち、ほぼ冬至にあたる12月25日を太陽神を祭る祝祭日としていたそうです。そこで、異教徒との対立や摩擦を生むことなくキリスト教が浸透するように、この日が降誕祭に選ばれたという話です。冬至は、一年のうちで昼の時間が最も短くなる日で、それから日増しに昼が長くなっていくことから、この日に新しい太陽の誕生を祝うという習慣は、世界を見渡しても決して珍しいものではないからです。日本でも、冬至に「一陽来復」の願いを込めたりしています。クリスマスが世界に広がるひとつの要因に、冬至を降誕祭の日にしたことも挙げられると思います。ちなみに、ヨーロッパの国々のなかには、いまでも25日をキリストの誕生日とするのではなく、冬至を誕生日とみなす考え方が残っている地域があるそうです。

2012年12月24日

「終い天神」

 クリスマス寒波の到来で日本海側を中心に、広い範囲で大雪が降っています。北海道で氷点下28.7度を観測するなど各地で冷え込みが強くなっています。
 年末恒例の大きなイベントといえばクリスマスですが、日本にも「終い弘法」(21日)、「終い天神」(25日)というものがあります。弘法大師や菅原道真の月命日にちなんで行われるものです。その中で12月に行われるものを「終い」とつけて呼んでいます。京都の東寺で行われる「終い弘法」、北野天満宮の「終い天神」は多くの参拝者があり有名です。
 菅原道真といえば幼少より詩歌に才をみせ昇進していきますが、藤原氏との確執のなか左遷され太宰府に赴任していくとしてよく知られています。その時に詠んだ「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」という有名な歌があります。現在では学問の神様として親しまれ、学問成就、合格祈願に多くの方が参拝されます。
 神様の御利益云々は別として、「手を合わせて、願い事をする」のは大切なことではないでしょうか。夢や目標を実現するために一生懸命努力してきたという前提に立って、「後はよろしくお願いします」という境地で「願い事をする」ことは意味のあることだと思います。あくまで、一生懸命努力してきたということが大切です。自分の果たすべき役割を実行しない「神頼み」は御利益がありません。また、目標を他人に分かるように文字に書いたり、口に出して言えてこそ初めて本物の目標になる、と私は考えています。そういう点から考えると、絵馬や書き初めに目標や願い事を書くことは意味のあることだと思います。

2012年12月23日

「予防が何より重要」

 寒い日が続いています。今晩あたりから一段と寒くなるようです。クリスマス寒波到来です。
 さて、21日に気象庁は、世界と日本の今年の天候のまとめを発表しました。それによりますと、世界の年平均気温は平年を0.15度上回り、統計開始の1891年以降8番目に高く、陸上に限ると平年比プラス0.31度で、過去4番目の高さとのことです。日本の年平均気温は平年より0.2度高く、統計開始の1898年以降15番目の高さだそうです。
 世界、日本とも1990年代以降高温の年が多くなっているようですが、特に日本の上昇ペースが高いようです。地球温暖化が確実に進行していることになります。そういえば、急激な豪雨や雷など異常気象と思われるような日が多かったように思います。これらも、気温上昇と関係があるのかもしれません。温暖化防止が急務です。
 猛暑の年は不思議と冬は厳しい寒さがやってきます。今年も当初は暖冬との予報でしたが、途中から厳しい寒さになると変更されました。予想通りの寒波がやってきています。また、この時期は毎年のようにインフルエンザが流行します。それに加え、今年はノロウイルスによる被害も各地ででています。今回は新型が出現したことで、免疫を持っていない人が多いことも流行の背景にあるとみられているようです。
 受験を控えている皆さんは特に気を使われていると思いますが、これも「予防が何より重要」です。生活習慣をコントロールすることも「学ぶ力」につながります。うがいに手洗い、規則正しい生活を心がけ体調管理に気をつけて乗り切って下さい。

2012年12月22日

「一陽来復」

 昨日は二十四節気の22番目にあたる冬至でした。冬至は太陽の南中高度が一番低く、一年中で最も昼が短く、夜が最も長い日です。夏至と比べると札幌で6時間、東京で4時間以上も昼の長さが違います。
 札幌と東京では経度にして約2度札幌が東にあります。ということは、太陽は東から昇りますので札幌の方が日の出は早いはずです。確かに夏至の頃はそうですが、冬至の頃は東京の方が早くなります。
 その仕掛けには、地球が自転している軸、地軸が約23度ほど傾いているところにタネがあります。夏至の頃は北極側が太陽の方を向きますから、緯度が高いほど日の出が早くなり、日没が遅くなります。北極付近では日が沈まず白夜になります。冬至の頃はその逆になります。札幌は東京より緯度が約8度ほど北にありますので、夏至の頃は日の出が早く、冬至の頃は日の出が遅くなるわけです。
 「冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の『一陽来復(いちようらいふく)』といって、冬至を境に運が向いてくるとしています。つまり、みんなが上昇運に転じる日」(くらしの歳時記)、といわれています。昔から、冬至にはゆず湯に入って、「なんきん」を食べると良いといわれています。これも、「いろはにほへと」が「ん」で終わることから「ん」には「一陽来復」の願いが込められており、「なんきん」は「ん」が二回もつくので良い、とされているようです。
 物事を静止して捉えると、冬至は太陽の力が一番弱い日です。しかし、変化の中で捉えると、これから強くなっていく日だといえます。変化の中で物事を捉え、プラス思考で考える素晴らしい伝統を大切にしていきたいと考えています。

2012年12月21日

中学入試出願始まる

 終業式は昨日終わりましたが、冬期講習、懇談がありますので、職員室や校内は、普段と変わりない様子で学校は動いています。保護者の出入りの多いのが普段と違う光景です。
 きょうから中学入試の出願が始まりました。早朝より受付が始まるのを待っておられる方もありました。前期入試の出願期間は入試日程の関係上、昨年は7日間でしたが、今年は10日間になります。初日の出願状況はトップページにも載せていますが、前期A日程は一貫選抜79名、発展25名の計104名です。昨年の初日も12月21日でしたが、出願数も同数の104名です。内訳は、今年の方が一貫選抜が11名多いという違いはあるものの、同じ日に同じ出願数、偶然の一致とはいえ何か不思議なものを感じます。
 年末から年始にかけて、各学校で出願が始まります。競争率は確かに入試の難易度を測るバロメーターの一つになりますが、倍率が高いことがイコール難易度が上がるとは言い切れません。入試では、どのような力を持ったものが集まっているかによっても難易度は変わります。力の均衡したものや自分より力が上のものが集まっていれば、少数でも激戦で難しくなります。その逆であったり、力がばらついていれば倍率は高くても易しい場合もあります。それは倍率だけでは分かりません。要は自分の力が他と比較してどの位置にあるかがポイントになります。倍率に気を取られることなく、迷わず納得できるところに挑戦し、持てる力を十分発揮できるようにすることが重要です。

2012年12月20日

2学期は予習をする生徒が増加

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            2学期終業式
 本校では、教員も生徒も含め「授業は自分を成長させる場」と位置づけて取り組んでいます。2学期は、授業に臨む姿勢として予習をして臨むということに力を入れて取り組んできました。学習したことを定着させる復習も大切なことですが、より主体的に、より能動的に授業を受けるためには予習が不可欠との考えからです。「学びを追求する生徒集団の育成」という年度当初の目標遂行でもあります。その取り組みの検証のために授業アンケートも行っています。
 アンケート項目に中に、授業を受けている各科目について週あたり2時間以上の予習をして臨んでいるかを調べる項目があります。当然、各科目の週あたりの授業時数が違いますので、多い科目は短時間の予習でも積み上げれば多くなりますし、週に一度しかない科目では予習の時間は短くなったりしますが、授業担当者は自分の授業にたいする結果を分析して授業改善に生かしていきます。
 全体で見ますと、中学では、1学期と2学期ではほとんど差がありませんが、学年別で見ると1年生は減っていますが2・3年生は増加しているとの結果がでました。高校では2学期の方が増えていますし、学年別で見ると高3は勿論のことですが、すべての学年で増えています。中1を除く5学年が増えていることになります。
 求める姿からはまだまだの感がありますが、前進していることは間違いありません。全体の流れを見て、各自の反省に生かして欲しいと思います。残念な結果がでた中1は、入学後の一服状態がまだ抜け切れていない人がいるのかもしれません。この結果を受け止め、3学期には増加に転じてくれると期待しています。

2012年12月19日

第41回中学英語暗誦大会

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 きょうは中学英語暗誦大会を実施しました。これは今年でなんと41回目を迎える本校の伝統行事となっています。中学一年生は「Who's Knocking at the Door?」、中学二年生は 「Peach Boy」、中学三年生は「 I have a dream 」が今年の課題です。みんな堂々としてなかなか立派なものでした。
 大会の終わりにあたって、私の方から英語に限らずいい文章は暗誦することが大切であるという話と共に、オバマ大統領の演説の一部を引用して話をしました。
「Focusing your life solely on making a buck shows a certain poverty of ambition. It asks too little of yourself. Because it's only when you hitch your wagon to something larger than yourself that you realize your true potential.」 (Barack Obama)
「人生を金儲けだけに集中するのは、野望が欠乏しているということを表す。 自分に対して少しだけ要求するのだ。 野望を持ってより大きい志を成し遂げようと思う時にはじめて、真の自身の潜在力を実現することができるからだ。」(バラク・オバマ)
 中学生に金儲けの話ではありませんが、目先の楽しみや些細なことだけに一喜一憂しないで、大きな志を持ってその実現に向けて努力するような学校生活を送ってほしいということ。そのことが、自分の持っている力(潜在能力)を開花させることになるし、中・高等学校の校是である「高志・自律・努力」につながるものであるとして紹介しました。

2012年12月18日

「学習の定着には休憩が大事」

 二学期の授業も明日一日になりました。各学年LHRの時間がありますので、冬季休業中の過ごし方や講習などについての話もあると思います。そこで、冬季休業中の家庭学習について参考にして欲しいことを紹介します。
 理化学研究所脳科学総合研究センターの研究グループは「短期の運動学習による記憶は小脳皮質に、長期の運動学習による記憶は小脳核にあることを解明」しました。ということは、一時的に記憶を保存しておく場所と、長期間記憶を保存しておく場所が違うということになります。また、「集中学習でつくられた記憶は小脳皮質にとどまったままだが、学習中に休憩を取ると記憶が小脳核へ移動する」ことも解明しています。「記憶を移動させるものが休憩中に小脳皮質のプルキンエ細胞で作られる何らかのタンパク質であることを突き止めた」、としています。「学習には休憩が大事だ」ということを科学的に初めて証明することができた、と研究グループは言っています。これはマウスによる実験ですが、人間にも当てはまると思います。
 以前、中学朝礼で超進学校で有名な東京の開成高校野球部の話をしました。その中に出てくるある選手は、集中力が1時間しか持たない。そのため、勉強も1時間で区切るようにしているとのことでした。彼のスケジュールは、帰宅後1時間勉強そして素振り、7時から夕食、その後1時間勉強→素振り→風呂→1時間勉強→素振り→弁当箱洗い→勉強→11時就寝です。素振りや夕食、風呂、弁当箱洗いの時間を勉強の休み時間としてうまく利用しています。まさに、「学習には休憩が大事だ」ということの実践です。ぜひ、参考にして下さい。くれぐれも、「集中した学習のあとの休憩」が大事だということを忘れないように。

2012年12月17日

国公立大学推薦入試

 今週で、二学期も終わります。終業式が済めば、懇談や冬期講習が始まります。高校三年生は、年が明けるとすぐにセンター試験ですから、それに向けての年末・年始の講習を予定しています。文字通り最後の追い込みです。
 この間にも、私立大学の推薦入試の合格発表と同時に国公立大学の推薦入試の結果も分かってきています。国公立大学といえば、センター試験を受けて、その後二次試験の結果で合格が決まると思われていますが、AOや推薦入試も私立大と同じようにあります。今年度のAO・推薦入試は国立大学で9割以上の大学が実施し、募集人員は全体の募集人員にたいして15%強募集します。公立大学も同じく9割以上の大学が、26%強の人数を募集します。センター入試を課すものと課さないものがありますが、選考方法は出願書類(調査書・推薦書)、面接、小論文で行われるものが多いようです。面接は、志望学部・学科についての適性や能力、基礎学力を審査する口頭試問が中心になりますので、志望学科についての基礎的な知識が、小論文は、出題されるテーマから自分の意見を論じたりしますので、理系・文系を問わず文章の読解力と表現力が必要とされます。
 今の時期に発表されるのは、センター試験を課さないものですが、今日現在、3名の合格の知らせが入っています。内訳は国立大学2名、公立大学1名で、何れも特進コースの生徒です。個別の学力試験に対応する力は勿論のことですが、自分が何をしたいのか、それに対してどのような問題意識を持っているのかが問われます。こういった力が試された結果の合格といえます。

2012年12月16日

盛況だった「ミニ入試説明会」

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 昨日の土曜日、午前10時から「ミニ入試説明会」を実施しました。8日の土曜日に続いて2回目になります。ホームページで案内を出しただけですが、中学・高校とも予定していた会場が満員になるという盛況ぶりでした。土曜日は授業を行っておりますし、「職業人に学ぶ」講座も行っています。人手が足りず、私や二人の教頭も含め総動員で対応にあたる始末でした。
 「勉強だけでなくクラブも頑張らせたい」、「中学入学時に2つのコースに分かれるが、高校進学時に同じ目標を持ったコースに行けるのが魅力」、「人気が高く志願者が多くなると聞いているが、難しくなるのですか」など中学受験で相談に来られた方の質問や感想です。
 高校受験では「選抜特進に行けばクラブは出来ないのですか」、「現役の進学率はどうですか」、「大阪府の私学と同等の奨学金制度とは」、「公立と迷っていますが」などの質問が多かったように思います。
 折しも、昨日の新聞に「大阪公立校『普通科』前期4.09倍」の記事が出ていました。「普通科定員29,380人のうち6,420人を前期に回した。14日校長会の希望調査によると26,237人が希望。2万人の不合格者が出る」。というものです。特定の人気のある学科やコースに高い倍率が出るということはあると思います。しかし、普通科全体で4倍を超え、2万人の不合格者がでるというのは、喜ばしいこととはいえないと思います。進学指導の中で調整されるとは思いますが、「ダメもと」で受けてみようというような風潮が助長されるのは良くないことです。良く調べ「この学校なら頑張れそうだ」というところを志望校にすべきです。急遽実施した「ミニ入試説明会」ですが、少しはお役に立てたのではないかと考えています。

2012年12月15日

高校一年生「職業人に学ぶ」

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 きょうは高校一年生を対象に「職業人に学ぶ」を実施しました。医師、弁護士、大学教授、会社の経営者など15の様々な職種の方をお招きして、現場の生の声をお聞かせいただくという企画です。生徒たちは自分の関心のあるものを2つ聞くことができます。詳細は進路便りに掲載されていますので、そちらを参照してください。
 本校の教育の大きな柱の一つに「キャリア教育」があります。中学・高校の6年間を見渡して、系統的に取り組みを企画しています。その高校一年生版が今回実施しました「職業人に学ぶ」です。高校生になれば、大学進学をどうするかということが大きな課題になります。当然のことですが、大学をどこにするかと言うよりも、自分の生き方、将来の進むべき方向を考えて、その中でどの学部、どの大学にするかということを考えることが重要です。大学が先にあったり、ましてや大学の名前から進路を考えると言うことではありません。
 世の中にはたくさんの職業があります。情報化社会ですから、ネットや本などで沢山の情報が溢れています。しかし、その情報からだけでは本当の姿を掴むことは難しいものです。作られたイメージによる思いこみもあると思います。今回のように、その分野で実際に活躍されている方の口から話を聞き質問もできるという機会は、生徒が職業についての理解を深める上で重要な役割を果たすことは間違いありません。
 早い段階で、将来の進路目標が明確になった生徒は、学習に取り組む姿勢も変わってきます。「学びのスイッチ」が入ります。様々な機会を通して自分の生き方を見つけだし「社会で活躍するリーダー」になってくれることを願っています。

2012年12月14日

「学び」のカギを握るものは

 昨日のふたご座流星群を残念ながら私は見ることができませんでしたが、よく見えたといろんな人から聞きました。大阪の梅田に近いところでも良く見えたと、私の教え子からもメールが届きました。
 さて、「学び」についてですが、カギを握るのは何かということです。そのことについて、先日PTAの講演会でお話していただいた内田樹先生が、中学二年生の国語教科書 (教育出版)に「学ぶ力」で以下のように書いておられます。
 「『学ぶ(ことができる)力』に必要なのは、第一に、『自分は学ばなければならない』という己の無知についての痛切な自覚があること。第二に、『あ、この人が私の師だ』と直感できること。第三に、その『師』を教える気にさせるひろびろとした開放性。この三つの条件をひとことで言い表すと、『わたしは学びたいのです。先生、どうか教えてください』というセンテンスになります」。勿論、「師」は学校の先生だけを指しておられるのではありません。
 「学び」は教育者と被教育者、指導するものと指導されるものとの間で成り立つものです。この関係の中で大きなカギを握るのが、被教育者、学ぼうとするものだということです。当然のことですが、教える側、指導者の役割を軽視しているのではありません。
 このことは、自ら進んで学ぼうとする「学びを追求する生徒集団」の育成を掲げている私たちの考えと共通するものです。今一度、学びに対する自らの姿勢を問い直し、師から、「こんなことも教えたい」、「分かるまで教えてやろう」という気持ちを引き出す「師を見上げる真剣なまなざし」で授業に臨んでほしいと思っています。

2012年12月13日

「本物の学び」

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      「先端科学実験教室」              「サイエンスキャンプ」

 日常の授業の中で基礎・基本をシッカリ学習すると共に、「一流・本物から学ぶ」をテーマに、各方面の第一線で活躍されている方から「学ぶ」ことに力を入れています。本校が目指す「本物の学び」の追求です。日本の伝統芸能の歌舞伎や狂言、芸術鑑賞や講演会などを教育課程に組み込んでいるのもそのためです。また、環境教育を通しての「学び」、大学や研究機関と連携しての「学び」など、自分の興味や関心のあることを深く追求できるようにもしています。来年は、鳥取大学医学部や徳島大学総合科学部も協力していただけます。「サイエンスキャンプ」での学びの幅が広がります。
 中学生がこの様な「学びの体験」ができることは大変意義のあるものだと思います。今年の夏に参加した中学3年生のお母さんが、「どうだった?」と娘さんに感想を聞かれたそうです。その時は「難しかった」という返事だったので、そんなものかなと思われたようですが、別の大学のオープンキャンパスに行かれた時に、研究室に設置されている機械や設備を見て「これと同じものを鳥取大学で使わせてもらって実験や研究をした」と言う娘さんの説明を聞いて、「本格的な実験・研究をさせていただいたんだ」と感心されたそうです。
 また、高校生が体験したサントリー生物有機科学研究所での5日間の「先端科学実験教室」は、「受容体遺伝子のPCRによる同定とその塩基配列の決定」といった本格的なものでした。
 これらは一例ですが、知的好奇心を刺激し、「本物の学び」をいろんな分野に広げていきたいと考えています。今夜も、ふたご座流星群に胸を躍らせている生徒がいてくれると期待しています。

2012年12月12日

第3ステージへ向けての取り組み

 高校改革後に入学してきた生徒を第1ステージ、中学改革後に入学してきた生徒を第2ステージの生徒と位置づけています。今年度は第1ステージの生徒が高校三年生になり最後の学年になります。高校二年生から中学一年生までは第2ステージの生徒ですから、来年度はすべての学年が第2ステージの生徒となります。そして次のステージ、第3ステージでは、中学は今のコースで言いますと一貫コースのみになり、高校では同じく一貫と選抜特進のコースになります。必然的にコース制は発展的に解消されることになります。
 今年から始めている第3ステージへ向けての取り組みとは、現在の発展コース(中学)、特進コース(高校)で入学した生徒を3年後には選抜特進と同等の力を付けさせるように、指導法も含めカリキュラムやシラバスを検討・実践していくということです。勿論、一貫選抜は6年のスパンで進度と深度を考え、よりレベルの高い学びを目指していきます。ここで大きな鍵を握るのが「本物の学び」の追求です。
 受験学力として要求されることには、決められた時間内に的確に求められる答えをアウトプットする事があります。じっくり考えて正解を導き出すということではダメなのです。また、問題も明確な答えがでるものに限られます。見解が分かれていたり、いろいろな見方ができるといったものや自分なりの考えを求められるようなものは、特別な場合を除いて出題されません。しかし、本当の学びの面白さはこういったところにあると思います。「本物の学び」を追求する中で、受験に対する学力も付けさせる、本校が目指しているのはこのことです。

2012年12月11日

今年の主な取り組み

 今年も残すところ、あと20日になりました。少し早いですが、この一年を振り返ってみたいと思います。
 高校改革を始めて6年目、中学改革からは5年目になります。今年は改革の第3ステージをめざすとしてスタートしました。育成すべき生徒像としては、「自ら進んで学びを追求する生徒集団」、「実践力旺盛な生徒集団」、「自治力豊かな生徒集団」を掲げて取り組んできました。そのなかで、単なる受験学力ではなく、「本物の学び」の追求に力を入れて取り組んできました。日常の授業での追求は勿論のこと大学や研究機関と連携して取り組んできたこともあります。夏休みを利用して中学3年生と高校1年生の有志を募っての「サイエンスキャンプin鳥取大学」や高校生対象のサントリー生物有機化学研究所での5日間にわたる「研究者体験」等です。こうした取り組みの中から、高校生が「日本生物学オリンピック」で本選に出場したり、中学生が「日本ジュニア数学コンクール」で優良賞を受賞するといった成果が現れてきています。
 「本物の学び」を追求するとともに「何のために大学へ行くのか」、「どのような分野で社会貢献するのか」といったことを摑ませるためにもキャリア教育に力を入れて取り組んできました。中学生が行っている「職業人インタビュー」、高校生対象の「卒業生に学ぶ」、「1Day College」そして今週末に予定されている「職業人に学ぶ」等です。
 あと、「人間教育」の柱としてして位置づけて取り組んでいる「環境教育」があります。これらについて、総括をして教訓を導きだし、更なる発展をめざせるようにしていきたいと考えています。

2012年12月10日

寒波襲来

 真冬並みの寒波が日本列島を襲っています。日本海側では記録的な大雪になった所もあるようです。京都では例年より早く初雪が観測され、金閣寺が雪化粧しています。北極にある冷たい空気の塊(北極気団)が、膨らんだり縮んだりといった動きを繰り返し、膨らんだとき「寒気が南下」し寒波の襲来となります。膨らんだり、縮んだりする間隔から三寒四温となって現れます。今週中頃までは寒さが続くようです。寒波のことを冬将軍とも言います。なかなか強い将軍で、かのナポレオンもこの冬将軍には勝てなかったようです。
 今週は寒波の襲来だけでなく、ふたご座流星群がやってきます。12月のふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群とともに三大流星群のひとつに数えられています。毎年12月14日頃、地球が公転する軌道上に残されていたちりが大気にとびこんで発光して見える現象です。今年の活動のピークは14日朝8時ごろと予想されていす。13日は新月、しかもふたご座の放射点が空高く見えているので、なかなかの好条件だそうです。
 寒波にふたご座流星群、両者に因果関係はないと思いますが、いずれも師走の風物詩です。厳しい冬に立ち向かっている人間に、心を和ませる天からの激励の贈り物かもしれません。厳しい寒波は、ずっと続く訳ではありません。三寒四温を繰り返しながらやがて春を迎えます。厳しい冬の次は、穏やかな春が待っています。厳しく冷え込んだ日は素晴らしい天気になるように、夜明け前が一番厳しいように、厳しさを乗り越えた先には素晴らしいものが待っています。

2012年12月09日

調整段階の留意点

 センター試験まで40日ほどになりました。中学入試も同じです。高校三年生は明日からセンター試験に向けた特別な授業になります。
 部活動などの試合では、体力アップや技術の習得の時期が終わり、大会に向けての実戦を想定した調整の時期です。入試も同じことです。今まで学習してきたことを個々バラバラの知識としてではなく、いろいろな事象と関連づけ理解を深めていくことが重要です。闇雲に暗記するだけでは直前に覚えたことだけが強調され過去に学習したことが記憶の片隅に追いやられてしまいます。
 調整段階でもう一つ大切なことが体調管理です。特に冬の時期は低温・乾燥など、この時期特有の課題に対する対策が要求されます。 低温で空気が乾燥するとインフルエンザウイルスが活発になり、のどの粘膜の防御反応も低下してウイルスに感染しやすくなるといわれています。対策としては加湿が有効で、 室温は20度、湿度は50%以上が良いとされています。急激な温度変化は良くないので、室温は少し低めが良いようです。食事はレバーやにんじんなど「ビタミンA」を多く含むものは粘膜の働きを保つ効果が期待できるそうです。 緑黄色野菜や大根やカリフラワーなどの淡色野菜などは免疫力を上げるのによいと言われています。一般的に「旬のもの」が良いようです。あとはウイルスや菌を体内に持ち込まないための手洗い、うがいです。
 調整段階では、悩みや焦りは禁物です。ポジティブシンキングで、出来ることを淡々と積み上げていくことが、最大のパフォーマンスを発揮する道です。

2012年12月08日

ミニ入試説明会

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 進路先を決定するにあたり、まだ迷っていたり確定していない方があるのではないかという入試広報部の判断に基づき、ミニ入試説明会を急遽企画、実施しました。中学と高校に分かれて同時に行いましたが、さすがに、中学入試は志望校を決められている方が多いと見えて、参加者は少ない数でした。反面、高校入試はこれから三者面談で志望校を決められていくこともあり、予想を超える多くの方が参加されました。この時期ですので、学校が目指しているものや教育方針は説明させていただきますが、具体的な質問や疑問にお答えできるような時間をとる方向で進めました。
 「百聞は一見に如かず」、といいます。きょう参加していただいて、迷いが吹っ切れ、入試に向け全力で取り組めるようになっていただければ幸いです。入試と勝負事は違いますが、共通する点もあります。勝負事では、技量が同じならば何が勝敗を分けるかと言えば「気力」だ、どれだけ「こうしたい」と思う気持ちが強いかに係っている、といわれます。ということは、「気力」を奮い立たせる要素をどれだけ多く持つかということが重要になってきます。ミニ入試説明会がその一つになってくれると確信しています。
 つい数日前に決定し、ホームページでお知らせしただけですが、これだけ多くの方が参加してくださるとは予想外で、嬉しい「読み違い」でした。なかには「校長通信を読んで、来ました」、とおっしゃる方もあったとの報告を受けています。嬉しい限りです。来週も予定しておりますので、まだの方はぜひお越しいただきたいと思います。

2012年12月07日

二十四節気「大雪」に思う

 きょうは二十四節気の21番目にあたる「大雪」です。「雪が激しく降り始める頃で、鰤などの冬の魚の漁が盛んになり、熊が冬眠に入り、南天の実が赤く色附く頃である」とされています。
 さすがに、学校の周辺ではまだ雪が降る状態ではありませんが、寒さは一段と厳しくなってきていますし、南天の実は赤く色づいています。南天は、「難を転ずる」に通ずることから、縁起の良い木とされ鬼門や裏鬼門に植える風習があります。鰤(ブリ)については、江戸時代の本草学者である貝原益軒が「脂多き魚なり、脂の上を略する」と語ったところから、「アブラ」が「ブラ」へ、さらに転訛し「ブリ」となったとか、「『師走』(12月)に脂が乗って旨くなる魚だから」、「魚」偏に「師」と書くという説などもあるようです。またこの魚は、大きさによって呼び名が変わるところから出世魚といわれ、縁起の良い魚とされています。地方によって呼び方が変わりますが、関西地方ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと呼ばれています。
 「南天」も「鰤」も縁起の良いものとされています。これは、寒い厳しい冬の季節に、少しでも明るく前向きに元気がでるように物事を捉えようとする、昔の人の知恵があらわれているような気がします。これから厳しい入学試験の季節を迎えます。小学生→中学生→高校生→大学生と「出世魚」のごとく呼び名が変わるよう、「学力」という「脂」をシッカリ乗せ、荒海を乗り越えて欲しいと思います。季節も「大雪」→「冬至」→「小寒」→「大寒」そして「立春」へと進んでいきます。

2012年12月06日

ミニ入試説明会を開催へ


     来年度の新入生を迎える準備にパンジーの植え付けをする中1生
 中学・高校受験を考えておられる皆さんは、志望校を決定され、合格をめざして努力されていることと思います。当初、今年は暖冬との見方もあったようですが、一転して今週末からいっそう寒さが増すとの予報もでています。言うまでもなく、健康管理は入試を迎えるにあたっての重要な要素になります。風邪などひかないように気をつけながら、最善の努力をされていることと推察しております。
 一方、学校見学のお問い合わせや日曜日などに学校を訪ねてこられる方が、この間、少なからずありました。ところが、本校の説明会は中学・高校とも昨年を上回る多くの方にご参加いただき、既に終了しております。従って、十分な対応ができなくてご迷惑をおかけしたこともあったかもしれません。しかし、こう言った問い合わせがあるということは、最終どこにするか決めかねておられる方も居られると言うことですので、これを受けて本校の入試広報部はミニ入試説明会を開くことを決めました。この決定は、臨機応変な対応だと私は感心しています。
 志望校決定にあたって、学校見学は不可欠です。足を運んでみて初めて見えてくることがあります。思い描いていたイメージと違うこともあるかもしれません。しかし、学校を自分の目で見、肌で感じたものが良い印象の時は、モチベーションアップにつながることは間違いありません。学校へ足を運ぶことによって失われた時間を、何倍にもして取り返す力が出てくると思います。まだ迷って居られる方は是非、ミニ入試説明会にお越しください。学校説明会ほど十分なことはできませんが、お力になれると考えています。

2012年12月05日

「みんなに無限の可能性がある」

 きょうは幼稚園から中高までの学園の先生方を対象に、筑波大学名誉教授村上和雄先生をお招きして教職員研修会が行われました。「みんなに無限の可能性がある」というテーマでした。先生は、1983年に高血圧を引き起こす原因となる酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読に成功され、世界的に注目を集めるようになられました。
 生命が地球上に誕生してから38億年、遺伝子がずっと引き継がれてきています。その遺伝子のうちわずか2%しか解明されていないそうです。多くの遺伝子が眠っているということになります。例えば、病気など「悪さをする遺伝子」のスイッチをOFFにすれば発病を押さえられることになります。運動や食べ物によって「良い働きをする遺伝子」のスイッチがONになることもあるといいます。人間には60兆個もの細胞があるそうです。ひとつひとつの細胞に遺伝子がありますので、多くの眠っている遺伝子があるということは、文字通り「無限の可能性」を秘めているということになります。また、笑いで血糖値が下がったという研究結果もあるそうで、「“笑い”と“感動”で人生成功の遺伝子をONにする法」なども研究されているとのことです。ユーモアを交えた楽しい、笑いのある講演会でした。90分があっという間に過ぎてしまいました。
 近年、「やる気」の神経細胞や「直感力を鍛える」神経回路の研究が進んできています。遺伝子の解明を含め、意欲や直感、心や生命などに関する研究が進み、無限にある可能性を少しずつでも開花させられようになることを願っています。

2012年12月04日

複雑になる高校受験

 きょうから週末の土曜日まで期末考査です。5日間の長丁場ですが、2学期の総仕上げとして頑張ってくれていると思います。
 一方、高校受験を控えている中学3年生の皆さんは、期末考査も終わりいよいよ志望校決定の時期に差し掛かっていると思います。数年前までは、2学期末には私立高校をどこにするかは決めていましたが、公立高校をどこにするかは私立の結果を見てというかたちが多かったと思います。もちろん私立を考える時に専願か併願かは決めなければなりませんでした。ところが、今年は大阪の公立高校受験に特徴的に見られるように、私立の結果を待って公立の受験校を決定する時間的余裕がなくなってきています。私立の合格発表直後に前期の受験が行われるからです。しかも、専門学科だけでなく普通科も行われます。ということは、ほとんどの受験生が2学期の終わりには私立だけでなく公立もどうするかを考えて志望校を決めないといけないということになります。
 自分の行きたい学校はどこなのか、それが私立なら専願に、公立なら私立の併願校はどこにするのかだけでなく、前期の公立校はどこにするのか、それがダメなときは後期を受験するのかも含めどうするかを考えなければならないということになります。受験機会が増えるということはそれだけ受験パターンが複雑になり、「だめもと」で受験するということもでてきたりします。その結果、入学してみたら思っていた学校とは違ったということにもなりかねません。何故その学校を選ぶのかを明確にして受験校を選んでほしいと思います。
 本校の中学3年生も、このような受験を乗り越えてきた仲間とともに高校生活をスタートさせるのだと言うことを理解しておいてほしいと思います。

2012年12月03日

「努力する人は希望を語る」

 4月からスタートして8ヶ月が過ぎました。いよいよ明日から期末考査です。学習面やクラブ活動などを含めた学校生活も、この間大きく変化してきたと思います。順調に来ている人ばかりではないでしょう。スランプを乗り越えた経験もあれば、未だにスランプを脱出できないという人もあるかもしれません。来年に展望や明るい兆しが見えるように、努力してもらいたいと考えています。
 昨日のコンサートで、辻井伸行氏の演奏するラフマニノフを聴きました。彼は、2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて日本人として初優勝しました。楽譜や鍵盤が見えないというハンディを乗り越えての優勝です。彼は、できない理由や根拠を挙げるのではなく、自分の置かれている状況をシッカリ見つめ、そのために何をすべきかを考えて努力してきた結果の優勝だと思います。「天才」は素晴らしい才能を持っている人を言うのではなく、自分の才能を開花させるために誰にも負けない努力をした人を「天才」というのだと実感した次第です。先日、朝礼で話をした開成高校の野球部の話にも共通するものを感じました。グランドで練習できるのが週1回、その中でどうすれば強豪校を倒し甲子園に出場できるのかを考え努力しています。「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」は小説家の井上靖氏の言葉です。希望を語る人は未来に向けて努力している人であり、不満ばかり言っている人は自ら活路を見出す努力をしていない人になるのだと思います。

2012年12月02日

「30th サントリー1万人の第9」コンサート


 きょう「30th サントリー1万人の第9」コンサートが大阪城ホールで行われました。今年は南三陸の東北会場とも結んで行われました。「第9」とは言うまでもないことですが、ベートーベンの交響曲第9番ニ短調作品125のことです。
 年末に「第九」を演奏するようになったのは、戦後間もなく経った頃からだといわれています。大阪の地でも、「『年末に大きなホールが出来るなら、1万人で第九を歌ったら面白い!』ーパワフルな大阪人のアイデアと、サントリーの佐治敬三の『やってみなはれ』精神に後押しされ『サントリーオールド1万人の第九』コンサート(当時名)は、1983年12月4日産声をあげた」(パンフレット)。以来、すっかり年末の風物詩になっています。
 1万人の大合唱はさすがに迫力があります。素晴らしい演奏と自信に満ちあふれた歌声に心を打たれます。指揮者の佐渡裕氏の「ひとりひとりが主人公になることが大切。最初に”フロイデ”という言葉をとことん自分事にしてもらうようにお願いしました」という言葉のように、自分にとっての”喜び”、本当に実感できる喜びをイメージして生きた言葉としての”フロイデ”が歌われ「人と人が歌を通してひとつになれることを体感できる」大合唱でした。
 第一部の辻井伸行氏のラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番 第3楽章」のピアノ演奏は、しなやかな指の動きは勿論のこと全身から溢れ出る迫力に圧倒されました。晩年、難聴に苦しみながらタクトを口にくわえ、ピアノに押し付けて音を感じながら作曲を続けていたと言われるベートーベンの姿に重なるものを感じました。
 氷雨の降る師走の慌ただしさを吹き飛ばし、心が温まりいつまでも余韻が残るコンサートでした。

2012年12月01日

直感能力も訓練で向上

 いままで、プロ棋士が瞬時に状況を判断し最適な次の一手を導きだすのは、長年の訓練によるものなのか、もともと直感的思考の神経回路の働きが良かったのか判断がつかなかったそうです。それが理化学研究所などの研究チームにより、訓練を通じて直感的思考能力が上達すると同時に直感的思考の神経回路が発達することが確認されました。
 昨年、研究グループはプロ棋士が直感的な次の一手を導きだす時に、大脳基底核にある尾状核を通る神経回路を使っていることを発見しました。今回、素人20人を対象に4ヶ月にわたる訓練の結果、直感的思考の時にプロ棋士と同じように尾状核の神経活動が活発化していたことを確認したそうです。
「素人でも一定期間集中的に訓練すれば、プロ棋士が使っている直感的思考の神経回路を発達させることが可能なこと、つまりプロ棋士が持つ直感的思考回路は特別なものではなく、地道な訓練によって養われることを示しました」、と研究成果は述べています。持って生まれた素質や素養もあるとは思いますが、その後の地道な努力や訓練が大切だということを示しています。
 本校では、きょうの午後、卒業生による学習支援プログラムを実施しました。考査前の土曜日とあって、多くの生徒が質問に押し掛け、教えてもらっていました。これはあくまで学習支援です。ここだけで済ますのではなく、自分で学習することがベースに無いといけません。プロ棋士も長い訓練と数多くの対戦経験から思考能力を上達させ神経回路を発達させています。「どんな芸術家でも最初は素人だった」。は、アメリカの哲学者エマーソンの言葉です。