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2012年09月28日

習慣の違い

 昨日のお昼休み終了間際に、こんな本をかりに来た人たちがいました
スペイン語ジェスチャー小辞典/高垣敏博 他 (白水社) 
 5.6限目のJICAの研修員の方たちとのワークショップに備えてです。「もう、体当たりでいくんやね、楽しんでね!」と見送りました 
 中高等学校の図書室にはちょっと珍しい本です。数年前まで高校には国際科がありました。在籍していた生徒は英語のほかに第2外国語として、スペイン語・フランス語・中国語の選択授業があったので、その時の名残です。中を見てみると、ジェスチャーは日本で使われるものとあんまり変わらないですね

 でも、やっぱり文化・習慣の違いはちょっとしたところにもあるようです。JICAの方たちに冷やしたお茶を用意していたら「冷たくないお茶をください」と言う方がいたそうです(個人の好き嫌いかもしれませんが)事務室ではあわてて「ぬるいお茶、ぬるいお茶」 暑かったし冷たい方が喜ばれるだろうと思ったのですが、残念。日本は夏だと冷たい水は当たり前ですが、自分の普通をものさしにしてはダメですね・・・

 宗教上の理由で食材に制限があったり、決まった時間にお祈りをしたり。規律や習慣を守って異国で暮らすのは色々大変だろうなあ、と思います
 でも、楽しい違いもあるようです。自転車の鍵の小ささに驚いたり、布団たたきの音にびっくりしたり、来日した外国人のエピソードを集めた
 おにぎりはどの角から食べるのがマナーですか?/吉野椰枝子 (祥伝社) 
留学生と日本語教師との楽しいやり取りを描いた人気のエッセイマンガ
 日本人の知らな日本語1~3/蛇蔵・海野凪子 (メディアファクトリー)もあります

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    忍者はまだ日本にいる、と思って来る人もいるようです・・・困ったなあ

 スペイン語ジェスチャー小辞典をかりた二人が、放課後やって来ました
「どうだった?」と聞くと、声をそろえて 「むっちゃ楽しかったー!」 それはなにより

2012年09月25日

国際交流に向けて

 毎年、国際交流授業の一つとしてJICA海外技術研修員の方たちと高1生との交流があり、今年も27(木)に実施されます
 JICA(国際協力機構:Japan International Cooperation Agency)は、開発途上国に対する支援や技術協力を行っていて、海外青年協力隊のように日本から技術者を派遣したり、今回のように海外の研修者を受け入れたりしています

 先日から図書室で準備授業が始まりました。今年はブータンやネパール、エルサルバドルなど10か国から、橋の建設技術を学びに来た22名を迎えます。書道体験や、おにぎり作り、ワークショップとして研修員の方たちにインタビューをしたりするそうです
 コミュニケーションをとるためには、まず相手のことも知っておかねば、と、班ごとに分かれそれぞれ担当研修員の方の出身国のことを調べ、質問の内容を考えます。その国の食生活の事、文化の事、日本の印象などなど。来日、間もないそうなので、当然インタビューは英語です。「英語が通じない人もいるかも」という情報を聞いて、現地の言葉で質問を考えるグループも
 「スペイン語できいたら、スペイン語で答えがかえってくるんちゃう?そしたら何言ってるか、わからへんのちゃう・・・??」  確かに、ね
 でも、ジェスチャーでもいいからと言われてたので、なんとかなるかな?

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数時間の交流ですが、気持ちよく迎えて、双方が良い思い出になるといいですね


2012年09月21日

国際平和デー

 今日9/21は国際平和デー:International Day of Peace です

 そこでスピーチを一つ紹介します。2003年アメリカで行われた平和集会で、13歳のシャルロット・アルデブロンさんが湾岸戦争後のイラクの子どもたちを思いつづった 「イラクの子どもたちはどうなるの?」 です
 ミサイルを受けて悪性のがんになった少年、治る病気でも経済制裁のせいで薬が手に入らず亡くなった赤ちゃん、身体は元気でも心に大きな傷を抱える少年、戦争や紛争が始まると真っ先に犠牲になるのはいつも子どもたちです

『イラクに住む2400万人の半分が15歳以下の子どもなのです。1200万人の子どもです。私のような。(中略)
 ですから、私のことを見て下さい。よく見て下さいね。イラク爆撃のことを考えるとき、私のことを思い出してほしいのです。みなさんが破壊し、殺そうとしているのは、私のような子どもなのです』

 これは、当時のイラクに限らず、現在も世界中のあちこちで起こっている戦争や紛争にも言えることです。 このスピーチは、いろんな言語に訳されて世界中に広がりました。同世代の少女が語ったスピーチです。大人はもちろん、ぜひ、みなさんも読んでくれるといいなと思います

心をゆさぶる平和へのメッセージ ~なぜ村上春樹はエルサレム賞を受賞したのか?(ゴマブックス)

      

 2009年に作家・村上春樹さんがエルサレム賞を受賞した時に、体制と人々を『卵と壁』に例えて語ったスピーチを取り上げた1冊ですが、1992年の地球環境サミットでの伝説のスピーチといわれるセヴァン・スズキさん(12歳)、シャルロットさん、2人の少女のスピーチも掲載されています

2012年09月20日

雷のこと

 本当に今年の夏は、落雷やゲリラ豪雨が各地で多発しましたね
先週も雨と雷のひどい日がありました。ちょうど図書室にいた人達は、大阪市内まで見渡せる窓から、雷鳴と稲光を目の当りにして「今の、あの辺に落ちた!」

 ベンジャミン・フランクリンが「雷放電は、雲の中の電気的現象である」と証明したのは1752年。フランクリンが、凧揚げをしている実験は有名なので教科書でも見かけますね。260年たった現在でも、まだまだ雷の研究は続けられています

 カミナリ博士こと河﨑善一郎さん。著書の雷に魅せられて~カミナリ博士、その謎を追う(化学同人)は、雷にまつわる様々な誤解を解きほぐし、雷から身を守る方法や雷を求めて世界を旅した模様ながど、専門書ではなく一般の人向けに書かれています
 北陸地方では、冬になると下から上る雷!が見られることがあるそうです。写真もありましたが、なんだか不思議な感じです(下からサンゴのように枝分かれして広がっている)
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 そんな雷を間近で、且つ安全に見られる場所が尼崎市にありました
雷対策の専門メーカー・音羽電気工業の実験施設「雷テクノロジーセンター」です。本来は製品テスト用の装置だそうですが、一般見学を始めたところ、夏以降問い合わせが多くなり、予約殺到だそうです。写真を見るとかなりの迫力。ちょっと体験してみたいですね。音羽電工ホームページをみると「雷写真コンテスト」も催していました。今年はたくさんの応募がありそうです

 ちなみに雷は夏の季語ですが、稲妻は秋の季語です。夏から秋の雷は雨を伴い、農作物に実りをもたらすものです。落雷のあった田んぼでは稲がよく育つと考えられ、雷の光を稲の妻、稲妻と呼ぶようになったとか

2012年09月18日

コーナーつくりました

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 ちょっと一休み、リラックスするためのコーナーを作りました
小さい頃に読んだ絵本や、大きさも対象も様々な写真集
郵便受けだけを集めた 世界のポスト(ピエブックス) 
コロコロ転がる子パンダ満載の ぱんだ/岩合光昭(クレヴィス
世界的に有名な写真家集団マグナム・フォトによる笑顔の写真集 Smile&Smile~100のほほえみ(マグナムフォト東京支社)
仁王立ちのリスがかわいい りすぼん。/松原卓二(集英社)
眺めるだけで「ぷっ」と笑えたり、気分転換になったり

ダーリンは外国人でおなじみのトニーと小栗左多里さんがかいた トニー流幸せを栽培する方法(ソフトバンククリエイティブ)
モノクロの写真とさらりとした数行の文章で構成されたブルーデイブックシリーズ(竹書房)
折り紙を折ってみるのはどうでしょう? 失恋おりがみ/秋元康(講談社) 
 他にもいろんなジャンルの本を集めてみました。色々、ためしてみませんか

 最後にマンガ名言大全~僕らに勇気を与えてくれた言葉(宝島社) から
   本気の失敗には価値がある 南波六太・「宇宙兄弟」より

まったく、その通り。


2012年09月14日

ひと休みしに、きませんか

 9/10は、世界自殺予防デー。その後の1週間を内閣府が自殺予防週間と設定しています
日本全体の自殺者数はこの3年多少減少傾向ですが、それでもロシアに次いで世界2位の自殺死亡率です(H22年度内閣府調べ)

 この数か月、中高生の自殺が新聞、ニュースで取り上げられています。文科省調査と警視庁統計の数字に差はあるものの、一昨年度から昨年度、小中高生の自殺は増加しているようです

 " If you feel like shooting yourself, don't. Come to the library for help instead "
(もし自殺したいと思ったのなら、やめなさい、そのかわり図書館へいらっしゃい)

 これは以前、アメリカの図書館ポスターに使われた言葉です。追い詰められた人たちを援助するというアメリカの公共図書館の基本姿勢です。図書館にはたくさんの資料があって、その中に悩みの解決となる鍵があるかもしれない、自分が思っているよりは世界はずっと広いと感じられるはずだ、そんな思いが込められています

 夏の間、朝日新聞にいじめに関するコラムが連載されていました。専門家だけではなくスポーツ選手や芸能人など多くの著名人が呼びかけています。いじめる側、いじめられている側へだけでなく、いじめを見ている人たちへ向けてのメッセージもありました。もうすぐ1冊の本になり出版されます

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 今、ゲートキーパーという役割があります。悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ見守る人の事です
 受験でくたびれてきた人、何か毎日しんどいなあと思っている人、写真集や本を眺めてみませんか?図書館も少しでもゲートキーパーの役割ができればなあ、と思います
  「傾聴」「つなぎ」など、ゲートキーパーの役割が書かれた手帳もあります。カウンセリングに興味のある人も手に取ってみてください

2012年09月13日

活気、もどる

 文化祭が終わり、図書室にもいつもの活気が戻ってきました
文化祭準備で忙しかったヘビーユーザーたち
準備で図書室を利用して「今度本をかりに行こう」と思ってくれたニューフェイスたち
 そろそろ「読書の秋」に向けて、準備に入りましょうか

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2012年09月11日

ちまたで人気の本

 学園には毎月、宝塚市立図書館から図書館だよりが送られてきます
宝塚市には、中央館と西館と2つの分室があります。宝塚在住、通勤・通学している人はもちろん、阪神間7市1町(芦屋市・尼崎市・伊丹市・猪名川町・川西市・三田市・西宮市)に在住している人は皆、貸出カードを作り、各市共通で利用することができます。すごいネットワークですね
 公立図書館でも以前は、貸出カードを作るのにお金がかかると思っている人もいて、カウンターで「いくらですか?」と尋ねる人もいたそうです

 さて図書館だよりには毎回、予約の多い本のベストテンが掲載されています
 ちまたの図書館ではどんな本が人気なのでしょう?

     nishi1%20%281%29.jpg    (西図書館だより 9月号) 

 上位2冊は、120人を超える予約者がいます。「120番目の私が読めるのいつ?」と気が遠くなりそうですね。でも、大丈夫、公立図書館では人気のある本は複本制度といって、同じ本を数冊所蔵するシステムがありますから。それでもやっぱり、手元に届くのは忘れた頃になるでしょうね
 ここにあがった本(5位以外)は、すべて図書室にも所蔵しています。もちろん予約待ちしている本もありますが、公立図書館に比べる断然「待ち」は少ないですよ!

2012年09月07日

文化祭中は閉室

 明日、明後日は文化祭です

教室から図書室へ、使用しない机といすが運び込まれました

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     AM 11:00         ⇒        PM 2:00 
 
というわけで、文化祭期間中は閉室です。楽しい文化祭を!

2012年09月06日

理系のオリンピック

 夏休み中の学園ブログに紹介されていましたが、高3のI君が、この夏、生物学オリンピック・本選に出場し敢闘賞を受賞しました
 I君は図書室にも時々やって来るので好きなこと、やりたいことについて話をしたこともあり、今回の健闘は嬉しいニュースでした。大会の様子を書いた記録を読むと、有意義で楽しい4日間だったようですよね

 アメリカでも郡や州単位のものから国際的なレベルのものまで、様々な高校生による科学のオリンピックが開催されています。その中でも最高峰がインテル国際学生科学フェア。世界中から予選を勝ち抜いた理科の自由研究が集います

 でも選ばれた子どもたちが皆、特別な教育を受けてきたわけではありません
 厳しい生活の中、辛い寒さを何とかしようと、太陽エネルギーでお湯を沸かす装置を作り出したトレーラーハウス生活をおくるネイティブアメリカンの少年だったり
 少年院に派遣された理科の教師が、バスケットボールを太陽に見立てて宇宙の広さを説くことで興味をもった非行少年だったり
 自閉症のいとこのために言語教育プログラムを開発した子もいます
みんな何かのきっかけで科学と出会い、興味を持ち、粘り強く取り組むことの大切さを実感していきます
 
 2009年の大会には、50か国から1500人をこえる高校生が参加。その大会から数名と、これまでの参加者のなかから伝説(?)と言われた数名のエピソードを集めたのが

理系の子 /ジュディ・ダットン (文藝春秋) です

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 研究そのものの話ではなく、参加した子どもたちの生い立ち、なぜその研究をしようと思ったのか、どんな苦労、挫折があったのか、そして彼、彼女らの家族や周りの大人たちの様子なども描かれています

 また、昨年は日本から古代微生物の化石をテーマにした女子高生が参加、その時の様子を寄稿しています
 会場で初めて出会ったインドネシアの学生に「(この研究をしているのは)僕だけかと思っていたけど、あなたがいました」と言われたそうです。こんなふうに国も文化も違うけれど共通点のある仲間と出会えることも、きっとこれからの糧になりますよね
 I君もきっと、そんな出会いがあったのでしょう

2012年09月03日

100年後の今日

 2112年9月3日、日本のトーキョーマツシマロボット工場で、子守り用ネコ型ロボットとしてドラえもんは誕生しました。ちょうど、100年後の今日です
藤子・F・不二雄さんが「ドラえもん」を雑誌に連載をはじめたのは1969年でした

 ドラえもんといえば、ポケットから取り出すヒミツ道具の数々がおなじみです。これらの道具、すでに多くの科学者によって理論的に証明されているのだそうです。あとは現実の科学の進歩が追いかけ、実現化させるのを待つばかり、とかいているのはサイエンス・ナビゲーター桜井さん
2112年9月3日、ドラえもんは本当に誕生する!/ 桜井進(ソフトバンククリエイティブ)
 確かに過去、コミックスに登場した『かべかけテレビ』はすでに液晶・プラズマテレビとして、身に着けた人がどこにいるかレーダー地図上に明示される『トレーサーバッジ』はGPSシステムとして、それぞれ現実のものになってはいます、ね

 ドラえもんのコーチング力に目を付けたのは、教育学者である横山泰行さん
現代のコーチング理論である「むやみやたらに答えを教え込まず、本人の能力で答えを引き出させる指導」 ドラえもんはのび太に対して抜群のコーチング力を持っている

 うん、そのていどの決心なら守りとおせるだろう (行動と学びを促すことば)

 きょうもろくなめにあわなかったらしい、足音でわかる (互いの信頼を表すことば)

ドラえもんの言葉を集めた1冊 ドラえもんのことば /横山泰行 (幻冬舎)


そして、子どもから大人まで幅広い人気のドラえもんを詠んだ短歌を集めたのは
ドラえもん短歌 /枡野浩一 (小学館)
  ドラえもん 君は固いの やらかいの それって結構 重要なので

さあ、本当に100年後、ドラえもんは誕生するのでしょうか


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