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常務理事便り
2018年07月05日
「甘かったということです」
2019年大学卒業の就職試験は先月6月1日に企業の選考が解禁され、次々と採用内定者が決まっているようです。今年は売り手市場と言われていますがやはり有名企業への合格は難しくなかなか就職先が決まらない学生も多いと聞きます。
今日は小・中高は休業になりました 両幼稚園は休園になりました
6月の中頃でしたが一人の女子学生が学園に来ました。お礼のためということです。
実はこの学生は雲雀丘学園の卒業生で現在女子大学4年生、今年初めだったと思いますが中高の先生と一緒に私を訪ねてこられました。私がサントリーに勤務していたということで、就職のアドバイスをしてほしいとのことでした。私の経験も踏まえ企業の考え方、試験や面接での心構えなど先生のご意見も交えながら話しました。
「自信がつきました」と笑顔で帰りましたが、少し気になったのでもう一度学園に来てもらって再度お話をさせていただきました。入社試験対策というより、社会人としての生き方の話になったと記憶しています。
残念ながら、お礼で来られた女子学生は、中高の先生も同席のもと、サントリーには不合格になったと報告されました。他の会社に決めたそうです。それでも明るく丁寧にお礼を言われ「父親もお礼に行きたいと申しておりました」の言葉も添えられました。
長期の就職活動の感想を聞くと少し間をおいて「甘かったということです」と反省の弁。すべてこの言葉に集約されているように思いました。しかし私はこの就職活動を通じて女子学生はこれから生きるにあたっての最高の教訓を得たと思います。安住を求めて企業に入るのではありません。生きがい、働きがい、そして社会への貢献あっての会社勤めです。
50年近く前になりますが私たちが大学を卒業したころの花形の就職先は銀行でした。優秀な人が銀行に行ったのです。銀行というだけで信用と安定が得られたのです。しかし現在、当時の名前がそのまま残っている銀行は一行もありません。
生涯勉強。就職が到達点ではありません。これからがあなたの始まりです。あなたの会社を日本一にしてください。私は一消費者として貴社の商品を買うようにします。
(2018.7.5)