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常務理事便り
2019年03月15日
「児童・生徒をスマホから守ろう」
文藝春秋の4月号に大変気になる記事が掲載されていたので紹介します。それは、東北大学の川島隆太教授の「スマホと学力『小中7万人調査』大公開、LINEを止めると偏差値が10上がった」です。以下、多くはその記事からの引用であることをお断りしておきます。
スマホは今や多くの人にとって欠かせないものになっていますが、2017年の内閣府の調査では小学生の約30%、中学生の約58%、高校生の約96%がスマホを利用していると言われています。
川島教授が仙台市立の小・中学校に通う約7万人の児童・生徒に調査した結果、家庭での勉強時間は同じであっても、携帯・スマホを使用する時間の長い生徒ほど成績が下がることがわかったのです。さらに衝撃的なことに、家庭で毎日2時間以上勉強していても、携帯・スマホを3時間以上使用すると、携帯・スマホを使用せず、かつほぼ勉強しない生徒より成績が低くなっていました。
携帯・スマホの使用に伴う勉強時間の減少や、睡眠時間の減少が学力低下の原因と推測される方もあろうかと思います。(一般に睡眠時間の短い子どもたちの学力は低いと言われています)しかし、川島教授は、学力低下の要因は勉強時間や睡眠時間の長短ではなく、スマホを長時間使ったことが直接影響している可能性があると指摘しています。
実際、学園にはスマホの児童・生徒への危険性を訴える先生もいますし、スマホを過度に利用する社会の風潮を憂う先生も多くいます。兵庫県をはじめ全国に自治体でも条例などで、夜9時以降の使用禁止などを呼び掛けていますが、上記の調査結果を読むと、改めて子供たちをこのままにしていていいのかという気持ちになります。
改善が進まないことにはいくつかの課題があろうと思っています。弊害の実態が保護者や子供に真剣に伝えられていないこと、悪影響が即座に現れるものではないこと,自治体が呼び掛けてもなかなか身近な問題としてとらえられないこと、学校・家庭が一体となっていないこと、などがあげられます。
雲雀丘学園では冒頭の記事を各校種の校長、副校長、教頭、園長が読みましたが、あらためて携帯・スマホの弊害を認識しました。未来を託す、未来を生きる子供たちを守る責任が学校にはあると思います。一方、改善は大きなくくりでは実効が上がりません。校種、学年、学級の単位で取り組むべきと思います。そして大切なことは、保護者の意識です。雲雀丘学園の児童生徒には携帯・スマホの悪影響から守るという共通認識のもと学校・家庭が一体となった取り組みが進められればと思います。
(2019.3.15)