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常務理事便り
2019年08月19日
往復書簡④「『前任校の皆様にもっと感謝の言葉をお伝えすべきだった』大森先生の返信」
前回の私の大森先生への手紙から飛んでしまいお読みの皆様には混乱しますが、以前、大森先生と一献交わした時に、雲雀丘学園に来られた理由をお聞きしたことがあります。先生ご自身はあまり話したくないようでしたが、「人間大森」を知る上でも必要と思い書いていただくことにしました。以下、大森先生からのお手紙です。
私は31年間、兵庫県のある私立中学校・高等学校で教員として勤務しておりました。そこの理事長はとても教育に真摯であり、厳しい方でもありましたが、その裏には深い生徒に対する愛情があるのを感じていました。私の進路指導の精神と言いますか、根本はそのM学園長、そしてその姉妹校にいらっしゃったM先生、D先生の三人の先生です。皆さん故人となられましたが、私の中では今なお、教育の師で、私はその学校で骨をうずめるつもりだったのですが、M学園長に恩返しと考えていたことができなくなったこと、進路指導での管理職の方との意見のずれや精神的疲れから、退職を決めた次第です。あえて言えば、素晴らしい生徒に囲まれて、生徒をよい大学に合格させてあげたいと思う一方で、あまり進学成績を上げたくないという自己矛盾に陥ったということです。前任校には、私の教員としてのすべてと言って過言でないほど多くのことを学ばしていただきましたので、その時はいやだと思っていたことも、今振り返ると、すべてが僕を強くしてくれる人たちでしたし、出来事だったと思います。それをお話しするのは、どうも自分勝手な解釈になってしまうので、お許しいただければと思います。
岡村常務理事も、会社を辞めたいなって思われることはございませんでしたか?そんなときは、どうされましたか?私は、その当時副校長だった先生にいろいろとアドバイスをしていただいたのですが、素直に聞くことができず、55歳で退職を決意してしまいました。残っていたらどんな人生になっていただろうとも思いますが、雲雀丘学園での10年間に勝る経験ができたかどうかは、わかりませんので、後悔はしていませんが、前任校の皆さんにもっと感謝の言葉をお伝えすべきだったと、反省しています。
(2019.8.19)