学園ブログ

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学園自然百景

2024年03月22日

108.「素直な心」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 前話の「カンザクラ」が花盛りを迎えています。そこに現れたのが、メジロです。鳥を撮影するのは、素人では、とても難しいものです。ましてや携帯では、望遠がそれほど効かないので、明るさなどを調整してなんとか撮れたものなので、とても画質も悪く申し訳ありません。

 メジロは、雑食性ですが、特に蜜を好む鳥です。カンザクラの蜜を吸いにやってきたようです。ツバキやチャ、ビワ、モモ、ウメなどの花は、鳥媒花と呼ばれ、鳥による受粉を目的としているため、花が丈夫にできているそうです。密の量も多く虫媒花などと比べるとかなり多いようです。スズメは嘴が太く短いため、花ごとちぎるように蜜を吸うのですが、メジロは、嘴が細く、舌も2つに別れて、蜜をからみとりやすくなっているらしいです。カンザクラの隣にあるハナモモも鳥媒花の種類のようです。虫がたくさん出てくる前に花を咲かせ、できるだけ同じ種類の花に受粉してもらうようにしているのだそうです。

 鳥媒花は、赤い色をしたものが多いといいます。また、鳥は鼻があまり利かないらしく、鳥媒花には、あまり香りがないといいます。

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カンザクラの蜜を吸うメジロ
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花のあちこちを見回すメジロ

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開花したハナモモ
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つぼみのころのハナモモ

 メジロは、そんな花にこの寒い時期、飛び回って花の蜜を吸うのです。写真に写ったメジロは一羽ですが、よくつがいで行動するといいます。また、めじろ押しという言葉の通り、集団で所狭しと横並びに体を寄せ合って留まる事があるようです。その様子からできた言葉だといいます。以前にもヒヨドリを紹介した時にも鳥言葉というものがあります。誕生鳥というのもあるそうで、3月21日の誕生鳥がメジロだそうです。鳥言葉、誕生鳥がどこから生まれてきたのかは不明なのですが、メジロの、鳥言葉が「素直な心」だそうです。江戸時代は、「泣き合わせ」と呼ばれる鳴き声を競う競技会があり、よく飼われていました。現在は、許可制になり、簡単には飼えませんが、警戒心がそれほど強くないことから、そんな鳥言葉がついたのかもしれないですね。

 子どもには素直に育ってほしいという親の願いは少なからずあるとは思います。とはいえ反抗期などと素直でないことも多々あるのですが、それを見据えながら、個々の子どもたちの素直な気持ちを感じ取っていかなければならないでしょう。