学園ブログ

学園ブログ

学園自然百景

2025年02月21日

150.「変幻自在」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

20211228-0.jpg


 また、寒波がやってきました。学園でも雪が少しですが積もる程です。
 雪は降らなくても、夜の気温が下がり、朝になると周りが白っぽくなっていることがあります。
 霜(しも)です。霜は「降りる」と言います。雨や雪は「降る」です。どちらも、同じ水蒸気が冷やされることでできますが、それが地上近くか、空高くで起こるかで言い方が違うようです。
 雨や雪はゆっくり空に水蒸気が上がって冷やされ水滴になり、それが集まり雲になり、水滴が大きくなると雨になり落ちてきます。さらに冷えると、氷の結晶ができ、降ってくるのが雪です。

20250221-1s.jpg
オランダミミナグサ 
であろう若芽についた霜 
20250221-2s.jpg
植物名はわかりませんが細かいついた霜 
 
20250221-3s.jpg
シロツメクサについた霜 葉の裏にもついて、 
葉脈がはっきりわかります。 

20250221-4s.jpg
枯れた葉についた霜 
輪郭がはっきりわかります。 
20250221-5s.jpg
里の土にできた霜柱 
 
20250221-6s.jpg
里のデッキにうっすらと積もった雪 
 

 それに対して、霜は、気温3~4度以下になり、前日の夜から朝にかけて、晴れており、風があまり吹かないことが条件になります。晴れることで、暖気が上昇して、地表は零下まで下がっていきます。冷やされた植物の葉や地表が水蒸気を急激に冷やし、水てきにならずに氷の結晶を作ります(昇華)。それが霜として現れます。雪も降らないのに、急に白くなっているので、降りるという言葉を使ったのではないかと言われています。
 結晶は写真にあるようにさまざまな模様を見せてくれます。自然の冬の宝石とでもいいましょうか。非常に美しいです。
 一方この霜が霜害をもたらし、農作物を枯らせてしまう原因にもなります。そのため、イギリスやロシアなどでは、霜を悪霊や怪物などによるものとされていたり、日本では、霜が降りないための信仰行事なども行われると言います。
 霜が降りたこの日、霜柱も見られました。霜柱は、地中の水分が、毛細管現象などで、下から氷の柱をつくり、土を持ち上げています。
 数日後、デッキの表面にはうっすら雪が積もって(乗って)いました。
 変幻自在の水は、様々な姿を冬は見せてくれます。

 前話で、新潟の知人のお宅の積雪を5m位と書きましたが、正確には積雪は1m程で、屋根から落ちた雪が重なって5mぐらいになったとのことでした。訂正してお詫び申し上げます。現在は、隣家では雪下ろしをする場所もなくなりそうになっているとのことでした。