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学園自然百景

2025年02月28日
151.「親不孝」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
「こんな題名でブログを書くなんてけしからん。」とお叱りを受けるかもしれません。これは、写真に写るハトの鳥言葉です。
ハトといえば平和の象徴としてシンボルにされることが多いのですが、なぜこのようなことばがついたのでしょう。
平和の象徴は、以前にも述べましたが、ノアの箱舟にハトがオリーブの枝を加えて帰ってきたことで、罰として神が起こした大洪水が、終わったことを知ることから始まったようです。実際には、ピカソが、「第①回平和擁護世界大会」のポスターにハトを書いたことから世界的に平和のシンボルとして有名になったと言われます。
そのハトは白くギンバトやシラコバトのようで、この写真に写るハトではなさそうです。シラコバトの鳥言葉は「純粋」という言葉があります。
では、このハトは何という種類かというと自然の中にいるカワラバトの中で、家禽として飼われていたものが、逃げ出して野生化したドバトではないかと思われます。ドバトは、「堂鳩」「塔鳩」と呼ばれていたことから付いた名前だと言われます。神社などのお堂でよく見られたことから付いたのだと推測します。本来のカワラバトは、崖などに営巣し、底に生える草などを食べている様ですが、野生化したものは、自分から餌をとることが難しいため、人間に頼っているようです。たまにドバトに餌を与えて問題になっていることが聞かれますが、ドバトの性質から集まってくるのでしょう。
では、どうして「親不孝」という鳥言葉が付いたのでしょう。これは、あくまで私の推測ですが、育ての親である人間の手元から逃げ出して、野生になっていくことからではないかと考えます。見方を変えれば、親元を離れて、自立?するともいえますが。
この写真のドバトは、人間が巻かれたものではなく、どうやら落ちている実、生えている草、小さな昆虫などをつついているようにみえました。
親にとっては勝手に出て行き、帰ってこない子どもは親不孝なのかもしれませんが、親を頼らず自立して生きていくことは、親にとっては喜びでもあるでしょう。「孝行」ととるか「不孝」ととるかは親の気持ち次第なのかもしれません。