学園ブログ

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学園自然百景

2025年02月14日

149.「四者四様」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 強い寒波が日本を覆い、雪の災害があちこちで聞かれました。私の知り合いの新潟のお宅では、5mの積雪だったそうです。ただ、その方に言わせると、昔の雪国では、それが普通だったので、あまり驚かないとおっしゃっていました。そういえば、私の赴任した頃は、雪のために阪急宝塚線が、止まって、校庭には雪が一面につもり、子どもたちと思いっきり雪合戦をしたことを思うと、積もらない雪の今の様子を考えると、温暖化という言葉が当てはまるのかもしれません。
 ひばりの里には4つの小さな池があり、それぞれに特徴があります。池の元になる湧き水池は、97話でも述べましたが、温度がそこだけ高いので、氷ができないのです。ところがこの寒波で氷が張るまでは行かないのですが、一部が凍って浮いている状態でした。このときは、四つの池すべてに氷が見られたのですが、それぞれでき方に違いがありました。下池と呼んでいる池は、岩が多くありポンプを使って水を上池に送るため、震動があり、空気が入るためか、白く凍っています。

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氷が浮いている湧き水池 
(細長く見えるのが氷です。) 
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白く凍った下池 
 

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池全体の表面が凍っている中池 
 
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手前が凍り、下池から送られてきた水が入ってきている奥の 
方が凍っていません。 

 中池は、風通しも日当たりも良く、周りにかげをつくる樹木もないので、全体に氷が張っています。
 上池は、下池からポンプで送られてきた水がながれてくるため、水の動きがあるため、一部が凍っています。奥の方は、木が覆い茂り、風が当たりにくいかもしれません。
 この4つの池に棲む生きものも多少変化があります。上池には、ハス、マコモ、ハンゲショウなどの植物、ミナミメダカ、ヤゴなどが生息。中池は、ミナミメダカが多く、ヤゴもギンヤンマやオオシオカラトンボなど種類も多い。トチカガミなどの水草やミゾソバ、セリなどがみられる。
 下池では、ガマがよく育ち、中池から流れてくるミナミメダカやトチカガミ、シャジクモなどが生える。
 湧き水池では、キショウブ、イグサ、ガマなどが生え、ミナミメダカやヤゴの他、イモリのすみかとなっています。現在13匹まで増えています。
 それほど大きな場所でもないひばりの里でも、それぞれの池に違いがあるのは面白いです。三者三様でなく四者四様ですね。それぞれの個性が生きた生態系を大切にしたいものです。もちろん学び舎が学園の子どもたちの個性を生かせる場所でなければなりません。