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2007年07月23日

なるほど

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fig20070723_2.jpg 今回は,慶応義塾大学総合政策学部専任講師兼政策・メディア研究科委員 井庭崇先生をお迎えし,今取り組んでおられる研究事例をお話ししていただきました。
1限目は,DREAM COMES TRUEや槇原敬之,スガシカオの曲等々,歌詞を目で追いながら実際のJ-POPを聴き,ヒット曲の生まれる要因について具体的に説明を加え,どこにその魅力が潜んでいるのかを解明していきました。
それを受けて,2限目では情報処理学会MPS研究会で発表された「書籍販売市場における上位タイトルの売上分析」について,高校生向けに,具体的な事例をイメージしながら,丁寧に解説されました(具体的な内容については,http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/sb.cgi?page=1 にあります。結構面白いです)。最後に,共に協力して仕上げていった学生諸君とその足跡を,レミオロメンの「3月9日」の曲を聴きながら見て,学生諸君の研究に取り組む姿勢と井庭研のチームワークの良さがじんわり伝わってきました。
 今回の講義は,新しいビジネスモデルとして話題になっているので,中には既に知っていた生徒もいたかも知れませんが,初めて聞いた生徒にはこれからを考える時のポイントが見える授業だったと思います。

2007年07月22日

昨日の続き

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今回は関東・東海エリアです。まずは関東。
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東大・早慶上智が上位になるのは予想通り。その後に東京工大・東京芸大など国立大が続くのも想定内。そして,ICU,MARCH・三女子大と,まぁ妥当な線ではないでしょうか,わかりませんが。なんせ関西人ですので。逆に,意外にと言っちゃあ失礼かも知れませんが,東京農大・駒澤大・亜細亜大がランクイン。
それより,関西の大学では京大と同志社の2校しかないのは少々当てが外れます。もうちょっと入ってもいいはずなんですけどねぇ。

東海エリア。
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関西と違って,地元の名古屋大より東大・京大が上位に並んでます。その後に早慶上智・東京芸大が続き,やっと阪大と立命館が出てきます。どうも,地元より関東,関西より関東ですね。10位以内に限ってみても,地元大学は名大と南山・中京の3校しかありません。20位以内に拡げてみても地元は8校だけです。関西では16校でしたから,如何に関西人は地元にプライドを持っているか,よく見えます。それはそれでいいことなんですけど,もうちょっと関東でも東海でもブランドがないと・・・・・・・。この先,ないままに行くと,関西人の独りよがりって言われかねません。連合組んで,ブランドを高める努力が必要ですね。

2007年07月21日

あくまでも参考に

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朝日新聞社「大学ランキング」や「日経MJ」「サンデー毎日」によく「大学ランキング」が掲載されています。まぁ,「何でもランキング」みたいなもんで,そんな感覚で見ればいいのでしょうが,その中にブランド力によって並べた「大学ブランドランキング」があります。ある会社が大学進学希望者と企業の採用担当者を対象にアンケート調査を行ったものを元に数値化したものですが,関西では下表のようになっています。
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こういう「ブランド力」っていうのはかなりイメージが先行しますので,同じ関西でも,大阪と京都によっても違ってくるでしょうし,調査した時間帯でもまた変わるでしょう。ですから,あくまでも参考でしかないのですが,まぁ,関西だったらこんなものでしょうね。東大より京大の方がブランドがあるし,阪大・神大・関関同立・三女子大もブランドとしては通っていますよね。ただ,関学が神戸大や慶應・早稲田より上位にあることに,こだわらない方がいいでしょう。だって,首都圏大学を希望していない人は「慶應・早稲田」と回答しないでしょうし,ひょっとしたら名前すら思いつかない人もいるかも知れませんよ。なんせ関西ですから。
むしろ,そういう中にあっても早慶上智は強いと見た方が正解でしょう。

明日は,関東と東海地方の結果を見てみましょう。

2007年07月20日

どう思う?

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2007年度(本年度)入試で話題になった一つに,法政大・中央大が大阪会場を設けたことでした。それ以前に,日本大・専修大・東洋大・東京理科大・津田塾大学などの大学が行っていたのですが,有名2校が加わったことで,「少子化に向け,いよいよ,ブランド首都圏大の関西進出!」とネタにされたのだと思います。実際,法政大学の場合,「大阪」会場志願者数は,延べ311名(全学統一日程)でした。意外にたくさん受けました。産近甲龍よりは全国的に名の知れた大学の方を選んだのかも知れません。来年度は,さらに明治大学が大阪会場を設けることを宣言していますし,残る青山学院大と立教大学もそのうち・・・・かもしれません。長い不況下,地元志向が強かった傾向も少しずつ変わり始めています。
 ところで,「地方試験」とは,本学以外の場所で行う試験のことを言うんですけど,響きがどうも・・・・・・・・。大阪が「地方」扱いされてるようで,ちょっと(-_-;)。
 逆に,関西大学も東京に「地方」試験会場を設けているから,あいこかな。

2007年07月19日

古い歌ですんません

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16日,祇園祭・宵宮にいってきました(というよりは,八坂さんのお祭りだから,粽(ちまき)をもらいに行ったんですけどね)。例年,宵宮は平日のことが多かったので,京都に着くのは早くても午後6時半。夕食を兼ねて松葉のニシンそばを食べ,ゆっくり,交通規制した四条通を真っ直ぐ東に歩いて行ったんですが,今年は海の日だったので,3時半に行ったら・・・・・・・・・失敗しましたね。車の規制は始まっておらず,歩道を歩くしかない。しかも雨。大勢の人と傘と格闘しながら歩いてました。

さて,京都。こういうお祭りになると若い人の多さが目立ちます。市内には大学がたくさんありますからね。しかも,当たり前なんですけど,名所旧跡が近くにある!佛教大-金閣寺,京都御所-同志社大・同志社女子大,京都女子大-京都国立博物館,嵯峨芸術大-嵯峨野等々。羨ましいですね。
1971年チェリッシュのヒット曲「なのにあなたは京都へ行くの」に,
わたしの髪に口づけをして 可愛いヤツとわたしに言った。
なのにあなたは京都に行くの 
京都の町はそれほどいいの  この私の愛よりも♪
(視聴はこちら http://www.barks.jp/listen/?id=52009961)

この気持ち,わからんでもないですね。現に,同志社大学・同志社女子大学は,2013年に文系学部を今の京田辺から今出川キャンパスに集中させる計画をもっています。やっぱり,京都の街はいいんでしょうね。

2007年07月18日

そうだよねぇ 2

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 10代20代の頃は見た目でそう適わないものの、ある程度の年代を過ぎると、若々しい人と、そうでない人に分かれてくるものだ。その違いはどこにあるのだろうか。近頃流行のアンチ・エイジングの効果よりも何よりも、学ぶことが若さの素だとヘンリー・フォードはいい遺している。
 この定義によれば、10代20代ですでに老人と化してしまっている場合すら、あるかもしれない。何にでも好奇心旺盛なはずの若者に、携帯電話は使えても、PCがさっぱり使えない、必要を感じないケースもあるのだとか。
 現代社会は確かに豊かで便利になった。頭を使ったり、新たに学ぶことをせずともそれなりに生きていける世の中だ。しかし、人類の歴史を振り返ると、今たまたまそうであるに過ぎないことが分かる。今後もそれで通用できる保証はまったくない。ついこの間まで、人は考え、知恵を絞って必至で生き抜いてきたのである。

ヘンリー・フォード(1863-1947)
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フォード自動車の創始者。自動車の工場ラインによる大量生産方式を生み出したことで知られる。ゆえに,自動車そのものを創造したカール・ベンツに対して,自動車育ての親といわれている。なお,タイトルの言葉は,Anyone who stops learning is old, whether at twenty or eighty. Anyone who keeps learning stays young. The greatest thing in life is to keep your mind young.の一部を訳したものである。

駿台アセント「今号の金言至言」より

2007年07月17日

ちょっといい話―――――――――――――――――

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朝日新聞土曜日「be on Saturday」のコラム「こころの定年」から。

 三井貴子さん(仮名、49)はビジネス分野の研修講師。勤めていた銀行の破綻を機に5年前に転身した。
 銀行では、まず都心部にある支店に配属された。同期の男性は転勤も頻繁にあったが、女性は全員が事務の仕事で異動もなかった。三井さんは次第に同じ事務処理の繰り返しに飽きてきた。業務検定試験を受験して合格すると、先輩女性のみならず、男性同僚からもよく思われなかった。上司との面談で「転勤したい」と大泣きしたこともある。いつも、新たな世界を見たいと思っていた当時を、「出る抗でしたね」と笑顔で振り返る。
 応援もあった。上司しか出てはいけない電話を、三井さんが取ってしまったことがある。たまたま職場の全員が席を外していたためだ。夕刻、本部から「女性が電話に出た」と次長に長い小言の電話があった。次長は「部下を信頼していますか
ら」とガチャンと電話を切った。その時のことは、うれしくて今でも覚えている。その後、担当の仕事がローテーション化されて、外回りの営業も経験できた。
 チャンスが巡ってきた。男女雇用均等法への対応もあって、銀行は女性行員に業務研修を実施することになった。いろいろな職務を経験し、業務検定にも合格していた三井さんは、人事の研修担当に異動。活躍の場を与えられたのである。
 なのに、銀行はバブルの後遺症で破綻してしまった。しかし、三井さんは銀行員時代に培った経験を生かし、現在は企業などから研修業務を受託している。「70歳まで現役で働きたい」とも語る。「出る杭」となって格闘した経験は、必ず次の道を開いていく。

(ライフ&キャリア研究所   代表・楠木新)

2007年07月13日

成功者列伝 その1  滑る漬物屋

 これまでの人生の中で私は様々な人に出会ってきました。その中からそれぞれの仕事の道で成功した人を何回かに分けて紹介させていただきます。今回はその1回目、ごく親しい漬物屋さんのはなし。
 私が彼に会ったのはもう三十年も前のこと。友達の友達は友達というわけで、たまたま同じグループでスキーに行ったのがきっかけでした。彼はすばらしいスキーヤーで一緒に行った初心者を丁寧に指導していました。私はパラレルくらいはできたので、時々アドバイスをもらうくらいだったのですが、波長があったのか意気投合してしまい、その後も幾度かスキーツアーにでかけ、いまだに親交が続いています。
 この男とスキー旅行をして困るのは、ホテルの食事をいやがることです。たいていは格安のパック旅行で行くので、朝・夕食がついているのですが、彼はろくに食事をしません。テーブルの上の気が向いたものを少しつまんで、後はビールを飲むくらい。
 「どうして食べないの」と訊くと、「なんでまずいもん、食わんならん」という返事。「なあバッタン、後で寿司食いにいこ。うまい店知ってるんや」
 バッタンというのは彼が私を呼ぶときの名前なのですが、結局つきあわされる羽目になる。彼が食べたいものは日々変わりますが、原則としてスキー客相手のホテルの食事では満足しない。毎日のことだし、2回に1回ぐらいは私が払うことになるから、結局かなりの出費になる。でも、どこかおもしろいから付き合ってしまうのです。
 ホテルからタクシーに乗って夕食に出た先で、彼はヨーロッパのスキーリゾートの話などを始めるのですが、初めは半信半疑でした。ところが2月になると本当に1ヶ月ほど彼は店から姿を消してしまうのです。店の人にきくと、「滑ってますわ。今年はスイス」
 私には信じられないことでした。小さな地方都市の駅前商店街にある間口の小さな漬物屋になぜそんな財力があるのか。
 ある日、彼が上機嫌の時に訊いてみました。
「失礼やけど、あんな小さな店で、見てたらお客がひっきりなしということもない。一人の客が払うお金も500円までぐらいの店で、なんでええもん着て、ええもん食って、毎年ヨーロッパに1ヶ月も遊びに行けるわけ?」
 彼の答はこうでした。
「店で売ってるだけやない。配達が多いんや。寿司屋には必ずショウガがいる。レストランで定食たべて漬物がないとこあるか?学校の食堂でも漬物は出すやろ。日本人はどんな不景気でも漬物を食べるんや。それに気づいたから漬物屋になった。会社なんか行って人に使われるのは性ににあわんしな」
「それでもそんなに儲かるもんか?」
「バッタン、教えといたる。自分で朝早うから青果市場行って材料選んで、自分で他所よりウマイもん漬けて売るんや。他所から仕入れて売るのはあんまり儲からんし、まずけりゃ客は離れる」 
 なるほどと思い、私はもう脱帽しました。
 彼は見習いから始め、数年かけて独立して店を出しました。初めはいろいろな失敗をしたそうです。
「ナタネと雨蛙を一緒に漬けてしもて、客に謝りに行った。その時はスーパーの前の出店でやってたけど、謝る態度が悪いとさらにクレームがついて、そこのスーパーを追い出された。未熟やったな、あん時は」
 彼は昔を懐かしむように表情をゆるめたのでした。(田畑保行)
 
 

2007年07月07日

1Day college~校内オープンキャンパス 行われる!

昨日に続き、本日は大学の授業体験です。50分の授業を2講座、(100分の授業は1講座)選択して高1・2・3年生が受講しました。「学ぶ」面白さに気づき,よりすすんで学びたいと思う気持ちが 湧き上がってくれるよう、「体験型」=実習をまじえた授業も行っていただき、普段の授業とはひと味違う貴重な体験したようです。私は神戸芸術工科大学デザイン学部教授の「ファッションって何?」を受講しましたが、ジーンズ・T-Shirtのなりたちや、その変遷を分かりやすく解説していただき大変興味深いものでした。
また、今日は土曜日とあって保護者の方も多数参加され、満員の教室も出る盛況ぶりでした。


なお、本日授業をしていただいた大学・学校は以下の通りです。

人  文  科  学
1「外大式、発音・リスニング上達法」京都外国語大学外国語学部英米語学科
2「英詩の世界へようこそ!」甲南女子大学文学部英語英文学科
3「子どもの「こころと体」の発達」大阪教育大学教員養成課程家政教育講座
4「教育学としての心理学」武庫川女子大学 文学部教育学科
5「ことばから心と脳の仕組みを探る」同志社大学文化情報学部(人文科学系)
6「スクールカウンセラーの仕事」神戸女学院大学人間科学部心理・行動科学科
7「コンピュータグラフィックスを使った表現について」宝塚造形芸術大学メディアコンテンツ学部
8「ファッションって何?」神戸芸術工科大学デザイン学部ファッションデザイン学科
社  会  科  学
9「誰が法律上の母親か」関西大学 法学部
10「観光学への誘い」和歌山大学和歌山大学観光学部
11「流通・マーケティングを学ぶ」流通科学大学商学部
12「観光都市としての京都」京都女子大学 現代社会学部現代社会学科
13「「不思議」と「マジック」をつなぐもの~「ちょっとおかしな」社会学者ゴッフマンが考えたこと」大阪府立大学人間社会学部人間科学科
14「社会起業家の源流」関西学院大学社会学部地域福祉論
15「わたしの世界の見方、あなたの世界の見方」法政大学キャリアデザイン学部
理  学 ・ 工  学 ・ 農  学
16「極限の世界とその体験」大阪大学大学院理学研究科物理学専攻
17「数と図形と数式」大阪市立大学理学部数学科
18「建築のかたちと空間のデザイン」大阪工業大学工学部空間デザイン学科
19「人まね2足ロボットを動かそう」工学部知能機械システム工学科
20「竹とんぼの飛行原理を知ろう」崇城大学工学部宇宙航空システム学科
21「マグロとウナギの水産増殖学」近畿大学農学部水産学科
看  護 ・ 家  政 ・ 医  学 ・ 薬  学
22「「血液の循環」の理解に向かって」兵庫医科大学
23「感染予防」宝塚市立看護専門学校看護学科
24「生体成分検査で知る身体の異常」神戸薬科大学薬学部病態生化学研究室
25「地球温暖化の原因と影響、対策について解説し、私たちにできることを考察します」同志社女子大学 生活科学部人間生活学科

2007年07月06日

20大学合同説明会

高2・3年対象に例年行われている「20大学合同説明会」が本日5・6時間目に行われました。これは大学・大学校の各入試担当者の方々にご来校いただき,大学の紹介や入試相談会を行うものです。また、放課後には多目的ホールで個別相談会も行われ、実際,参加した生徒・保護者から,「より明確に進路を考えることができた」「直接話が聞けて大変参考になった」と好評でした。
私が生徒と一緒に聞いたのは京都工芸繊維大学です。こちらの大学はアドミッションセンターの教授に来ていただき、詳しい学部の研究内容のほか、就職のお話まで具体的なお話をしていただけました。最後のまとめとして、「数学理科はよい研究の為の道具、英語は学会に行くときに必要、国語はコミュニケーション能力がすべての場面で必要なので、高校の授業は大切だ」とおっしゃっていたことが印象的でした。
参加いただいたのは下記の大学・大学校です。
京都工芸繊維大学・大阪教育大学・神戸大学発達科学部・兵庫県立大学・海上保安大学校・中央大学・法政大学・京都女子大学・同志社大学・同志社女子大学・立命館大学・大阪芸術大学・大阪工業大学・関西大学・近畿大学・関西学院大学・甲南大学・神戸女学院大学・神戸薬科大学・NCN米国大学機構(順不同)

2007年07月05日

読書の夏2~大学入試を意識して新書はいかが?~

さてさて、昨日は小説編でしたが、正直に言うと、大学入試で出題されるのはほとんどが評論!!文章全体を「論理的」に読み取る力を試したいという大学側の姿勢の表れなのでしょうか…?

ということで本日は評論問題で何が今、出題されているか?!です。
実はこちらも最近の傾向があります。そして小説問題より明らかに流行があります。
例えば小林秀雄は過去には頻繁に出題されていましたが、今や現代文の教科書からも消えました。
今、流行っているのは新書からの出題。
昨年の例で言うと梅田望夫『ウェブ進化論』(これは昨年度の慶応大学との高大連携講座の課題にも出された新書です)、大塚英志『「おたく」の精神史』が出題の多かった新書です。新書ブーム再来と言われる今、出題者にとっても手軽に手に入ること、新しい話題で新しい出題ができること…などが新書からの出題が増えている理由のようです。これは現代文の出題に限らず、小論文の出題傾向にも当てはまります。「グローバル化」「ナショナリズム」など近年の世界観を扱った文章や、「教育」「格差」「メディア」などが最近の小論文のトレンドです。

某予備校で906学部の調査をしたところ、評論の出題の多い筆者上位10人は以下のようになったそうです。
1位:上田 紀行(14件)…「生きる意味」(岩波新書)など
2位:茂木健一郎(13件)…NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演中。「脳と仮想」(新潮文庫)など
3位:鷲田 清一(11件)…「悲鳴をあげる身体」(PHP新書)など
4位:山崎 正和(8件)…「世紀を読む」(朝日新聞社)など
4位:夏目 漱石(8件)…「私の個人主義」(新潮文庫)など
6位:齋藤 孝  (7件)…「教育力」(岩波新書)など
6位:正高 信男(7件)…「考えないヒト ケータイ依存で退化した日本人」(中公新書)など
8位:養老 孟司(6件)…「いちばん大事なことー養老教授の環境論」(集英社新書)など
8位:内田 樹  (6件)…「下流志向ー学ばない子どもたち 働かない若者たち」(講談社)など
8位:山田 昌宏(6件)…「少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ」(岩波新書)など

特に受験関係者からは「困ったときの鷲田清一、山崎正和」といわれるぐらい、この二人は受験界の流行作家。
「いつも新書をバリバリ読んでいます」…という生徒は少数派です。ぜひ、高校生は夏には新書も一冊ぐらい読んで欲しいなぁ…。

2007年07月04日

読書の夏1~大学入試を意識した小説はいかが?~

夏目漱石、伊藤整、幸田文…既に評価の定まった作家しか大学入試センター試験に登場していなかったのは、過去のことになりつつあります。
例えば、今年の早稲田大学国際教養学部・現代文の入試問題に何が出題されたかご存じでしょうか?

正解は綿矢りさの『蹴りたい背中』。2004年、第130回芥川龍之介賞を史上最年少の19歳で受賞した作品です。しかも綿矢りささんは昨年早稲田大学を卒業したばかり。これはちょっとした驚きでした。

思えば96年に吉本ばななの『つぐみ』がセンター試験に登場して以来、99年に山田詠美の『眠れる分度器』、01年に江國香織の『デューク』(←これは授業で問題を生徒に解かせても涙が出て解けない!という苦情のでる?!作品です。)と現在人気の作家たちの新しい作品がセンター試験には登場してきています。今年のセンター試験の小説問題は堀江敏幸『送り火』でしたが、この人も21世紀に入ってから入試現代文に頻出の作家です。
また、現代の作家で言えば、山本文緒、伊集院静、南木佳士、鷺沢萌、瀬尾まいこ……最近の芥川賞をとった作家や人気作家にも目が離せません。

もちろん、入試全体でみれば、夏目漱石・芥川龍之介・川端康成・中島敦・遠藤周作…といった定番の作家の作品もまだまだ出題されています。評価の定まった作家の作品では新しい問題が作りにくいという事情もあるのでしょうが、教える側の立場で言うと、やはり時代を経て生き残ったこれらの作家の文章は読書力と語彙力を鍛えてくれるものです。是非時間のある夏にはちょっと背伸びした作品を読んで自分を鍛えて欲しいと思います。

図書室にもこれらの本はそろっています。人気の本は夏休みには貸し出し中になりがちなので、早めにどうぞ!

(明日は評論編をお届けします☆)

2007年07月03日

高1 卒業生に学ぶ

6月27日1時間目、HRの時間を利用して「卒業生に学ぶ」が高1対象に行われました。
この行事は教育実習生を講師として、大学の様子や高校時代の勉強の仕方を学ぶものです。今回は学部学科を考慮して14人の実習生を講師とし、希望の講師2人を選択して15分ずつの2回、話を聞く機会を設けました。

年齢も近く、また、雲雀丘学園の卒業生ばかりということで親近感も沸くのでしょう。講師の話を聞く高1生は真剣そのもの。活発に質疑応答が行われた教室もあり、15分ずつという時間は短かく感じられたようです。また、この時間をきっかけに、時間終了後も個人的に実習生に進路の話を聞きに行く高1生も見られました。

以下、一部ですが当日の感想です。
〈大阪教育大学の感想〉
・学校の授業をちゃんと分かるようにしておけば、部活動終了後に受験勉強を始めても間に合うと言うことで、日頃の授業をしっかり頑張ろうと思った。
・部活をやっていた人は根性があるし、受験に対しても集中力があると分かった。人間は根性が必要!!(笑)
・自分は小学校の先生になることはあまり考えていなかったのですが、先生の話を聞いて小学校の先生もやってみたいな、と思いました。でも水泳で海を4㎞泳ぐのはびっくりしました。
・教育学部のアルバイトは子どもと関わることが非常に多いことが分かった。教える立場なので、様々な分野を体験しなければいけないことも分かった。
〈京都府立大学の感想〉
・大学に行ったら遊べると思っていたら、逆に大学に入ってから勉強が始まるというのを聞いて「ああ、そうだな」と思いました。自分のやりたいことや将来の夢をそろそろ決めないといけないと実感した。
・塾に行かずにやる気と努力だけで大学に行ったことに驚いた。自分も努力してみようと思った。勉強が大学に入ってからということに興味が沸いた。
・リアルな話を聞けたので、よく実感がわいた。やはり「自分のやりたいことは何なのか」「四年間の間で何をするか」ということをかんがえていかなければダメなんだと思った。これを心に留めておきたいと思う。
〈関西学院大学の感想〉
・大学に入ったらすべて自己判断なので、誰も教えてくれないから大学生になったらしっかり1人でいろいろ決められるようにしようと思いました。学校の勉強を大事にして高1から頑張っておこうと思いました。
・古文と英語の単語を覚えること、復習とやる気が受験には大事…。授業を大切にすると言うことも先生方が普段言っていた通りでした。この話を生かして頑張ろうと思います!
・大学は人生で一番楽しいところ、楽なところ…と思っていたけれど、大学は本当は社会への第一歩で中高生のように与えられるものだけをこなすだけではないと分かった。
・大学は自分で全部決めないといけないのが大変だけれど、自由にできるから良いなと思った。やる気をださなければいけないそうです。今度の英単語テスト頑張ろう!と思いました(^o^)

2007年07月02日

進路さまざま…卒業生の就職状況…

実習生の来ていたクラスでは土曜日は涙涙の別れがありましたが、3週間の教育実習も終わり、いつもの学校に戻った月曜日です。
先週水曜日には「卒業生に学ぶ」と題し、高1年生対象に教育実習生を講師として大学で学んでいることや、大学生活について聴く機会がありました。(その模様は明日以降にupします!)
また、高1以外も卒業生である実習生から様々な進路のかたちを学んだのではないかと思います。
実習中には「学園に戻ってくることを楽しみにしている卒業生、実習生を受け入れる気持ちのある在校生、そんな生徒・元生徒を暖かく見守る教職員…」と雲雀丘学園のよさ、学園への愛情をいつも感じます。

さて、実習は3週間でしたが、それを見物に(?!)実習生以外の同級生(大学4回生)の来校も多い3週間でした。就職活動も終わり内定をいただいた人も多く、先生方にその報告もかねてのようです。
工学部に進学し、鉄道関係の仕事に就く予定の人は中高在学中からの思いを貫いた人です。しかし、経済学部から銀行や、証券会社に内定をいただいた人、教育学部や情報メディア学部からメーカーに職を得た人…など実際には大学に進学してから視野が広がり、進路の選択の幅も広がった人が多いようです。

高3生にとっては、「どの大学のどの学部に行くか?!」で気持ちがいっぱいかもしれませんが、一部の専門分野学部を除き、「大学進学後の自分の鍛え方」が進路を決めていく時代なのかもしれません。