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常務理事便り
2018年02月14日
「雪は天からの手紙」
~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~
「雪は天からの手紙」。先週の日本海側の豪雪、それがもたらした大きな被害を考えるとそうも言っておれませんが、雪の季節になると、小学校の頃、担任の先生が、窓の外のゆっくりと舞い落ちてくる雪を見ながら「手紙」の話をされていたことを思い出します。「あの雪を顕微鏡で見ると空がどんな様子かよくわかる、雪は空からの手紙なんだ」。先生の空の話に興味が尽きませんでした。
「雪は天からの手紙」といった人は北海道大学の教授だった中谷宇吉郎。「雪の結晶の研究」で文化勲章を受章しています。寺田寅彦の門下で戦前から戦後にかけてエッセイストとしても活躍した人です。
さて中谷宇吉郎ですが学生時代、匿名で奨学金を受けます。月額50円(現在およそ2万円)で3か年だったようです。戦後、中谷が有名になってから、奨学金を提供していたのはサントリーの鳥井信治郎(雲雀丘学園初代理事長)だったことがわかります。どうしても会いたいと雲雀丘の鳥井家を訪ねます。中谷が奨学金のお礼を述べ、それを何とかお返ししたい旨を鳥井信治郎に伝えると鳥井は「私は今は金も相当できて皆さんに少しばかりはお手伝いできるようになったがもとは非常に貧乏だった。しかしこの財産は自分で働いて儲けたものとは思わない。これは天から授かったものと思っている。それで君もあの学資は天から授かったものと思えばよい。返済の意思があるなら天にお返しなさい。」
今日(2月10日)は朝から小雨。寒さは昨日と比べると幾分和らぎました。そんな中、学園高等学校は入学試験が行われました。1000人近くの受験生が懸命に試験問題に取り組んでいます。一方雲雀丘学園幼稚園では「表現の会」が開かれ、講堂いっぱいのご家族を前に園児がこの1年の成長の姿を見せました。特に年長はこれが幼稚園最後の大舞台、歌と合奏を存分に披露してくれました。(2018.2.10)