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常務理事便り
2018年06月08日
「たゆまぬ改善」
先日、トヨタの2018年3月期の決算発表がありました。売上高29兆円、純利益2兆5千億円と日本企業として過去最高額を達成したのですが、発表にあたった豊田章男社長は真剣な表情で「自動車産業は生死をかけた戦いが始まっている」と語りました。
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トヨタがこの巨大な売り上げと利益を上げる根源は、あくなき原価低減とトヨタ生産方式にあるといわれています。この好決算に表情を少しは緩めてもと思いますが、豊田章男社長はなおも「大変革の時代を『100年に一度の大チャンス』ととらえ一層の『原価低減』と『たゆまぬ改善』に取り組む」との決意を語りました。
事実私たちも「トヨタは乾いた雑巾も絞る」会社だと教えられてきました。生産現場に立つ人は歩く歩数を1歩でも少なくする工夫をすること、待つ時間を1秒でも少なくすることが「原価低減」につながるとして、ひとり一人が持ち場持ち場で「たゆまぬ改善」を続けました。
学校経営もよく似たところがあります。雲雀丘学園は「関西を代表する一流の学園を目指す」との目標を持っていますが、実はこの目標自体にはなんら推進力はないのです。というか役に立たないのです。大切なことはその目標を個々人がどう受け止めそれぞれの立場で何を実践するかにかかっているのです。
過日、小学校の運動会が開催されました。私は実に見ごたえのある充実したものだったと思っています。リレーは力強い迫力ある走りがありました。玉入れはユニークなダンスが加わり思わず笑みがこぼれ、組体操は竹棒を使うことで改善がなされていました。その他の演技でも多く改善(変化)が見受けられました。
ところが、逆説的になりますがこの改善はなくても運動会は楽しく進行し、終了したと思います。改善や変えるということはなくても不自由はない、進んでいく。ここに落とし穴があります。しかしやっておかないと知らないうちに会社や学校は確実に劣化し、いつの間にか取り返しがつかない事態になっているのです。
不断の変える努力がそれを評価する組織が生き延びていくためには必要不可欠だと思います。
(2018.6.8)