学園ブログ

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常務理事便り

2018年11月14日

「荘川桜と雲雀丘」

~雲雀丘学園常務理事・学園長 岡村美孝~

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学園幼稚園から告天舎に行く右手に一本の「荘川桜」が立冬の風にそよいでいます。高さ5mほど、紅葉が終わり枯れ葉が散り始めました。この桜は岐阜県北部、白川郷近く荘川村の御母衣(みぼろ)ダム湖畔に移植された「荘川桜」の2世桜です。平成19年2月、雲雀丘山手緑化推進委員会様からご寄贈されたものです

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 学園の荘川桜         植樹式(平成19年2月)

「荘川桜」は昭和35年、電源開発株式会社の御母衣ダム建設によって、湖底に沈む運命にあった樹齢450年余りのアズマヒガン巨桜2本を、同社初代総裁の故高碕達之助氏が水没移住する人々の心のよすがにとの思いから、植樹史上例を見ない大移植を行い、成功させたものです。2世桜は全国に植樹されましたが、高碕氏が住まいを構えられたこの雲雀丘には数多く植えられました。



今回、雲雀丘地元の有志がその「荘川桜」を「見に行こう」ということになり私も参加しました。当日はあいにくの天気でしたが、巨大老桜2本は雨の中、御母衣湖畔に堂々とその威容を誇っていました。

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 荘川桜             御母衣湖



余談ですが偶然にもその時、当時移植された庭師、丹羽政光氏のお孫様英之氏にお会いできました。英之氏は「荘川桜」の雪吊りの作業でここに来られていたのです。これも何かのご縁で、おじい様のお気持ちを教えていただきました。

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 英之氏とご一緒に                   雪吊りの作業中の荘川桜



20181113-4jpgふるさとは 湖底(みなそこ)となりつ

うつし来し この老桜

咲けとこしえに

(高碕達之助)





生まれ育った荘川村が湖底に沈むことは村民にとっては耐えられないことでした。反対する村民に高碕は自ら先頭に立ち、交渉に当たりました。了解を取り付けるため高碕は1200人の村人一人一人に自ら手紙を書いたと言います。「桜の命を助けたい。」 高碕の桜への切なる愛情、住民へのやさしい思いは「荘川桜」に宿っています。この木を雲雀丘学園にもたくさん咲かせたいと思います



(2018.11.13)