学園ブログ

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学園自然百景

2022年01月07日

1.「歳寒の松柏」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 明けましておめでとうございます

 本年より学園の豊かな動植物をご紹介したいと思います。よろしくお願いいたします。

 門松は、竹が真ん中に陣取り、主役のように見えますが、本来字からもわかるようにマツであることは間違いありません。先端には神が宿るとされ、はじめのころには、マツを根こそぎとって飾ったらしいのです。



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葉が世代交代する正門を入った

左にあるクロマツ
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低学年校舎横のアカマツ
 学園の正門を入った左にはひときわ背の高いマツがそびえ立っています。クロマツです。「歳寒の松柏」ということわざは、マツが寒い冬でも緑の葉を有していることから、苦難の中でも信念を貫いている様子にたとえられています。しかし、実際には同じ葉がずっとあるのではなく、古くなった葉は落葉し、世代交代が行われています。



 学園には二種のマツがあります。小学校の低学年校舎東側にアカマツがあります。その違いは、大きくわけて2つです。1つは幹の色、もう一つは葉の固さです。アカマツの葉は柔らかくとがっていても先は痛くありません。一方クロマツは堅く、先に手を当てるとかなり痛みを覚えます



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成熟するまで落ちない松ぼっくり
 
 松といえば松ぼっくり。さまざまな遊びや作品などに利用されます。中の種の松の実は栄養豊富で、食用にされていますが、ロシアでは松ぼっくりが蜂蜜付けやジャムなど食用に利用されているようで。日本では考えられません。

 マツは、めしべに受粉が行われた後、小さな松ぼっくりを若い枝の先につけ、三年で大きくなり、傘を開いて羽のついた種を飛ばします。その後松ぼっくりは地面に落ちていきます。いつ落ちてくるかは不明だそうです。

 三年もの間風雪に耐え、子孫を残そうとするマツは、確かに「歳寒の松柏」にふさわしいのかも知れません。