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学園自然百景
2022年05月20日
19.「意見の相違」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
ふと、小学校のグランドから、中高校の50mプールの方を眺めると、正面に薄紫色の花が咲いているのが見えました。拡大すると、
次の写真のようにみえます。一瞬トチノキかと思ったのですが、よくみると葉の形や花の様子が違います。
そこで、中高側に行って石段を降りた部室前から花と葉をみました。かなりの大木です。そこにとても鮮やかな紫を中心に淡い紫の花びらが広がり、たばになって花が咲いていました。葉は羽状複葉(うじょうふくよう)といって、一枚の葉の切れ込みが深くなって、まるで、一枚の葉が、何枚もついているようにみえる葉のことです。さらにその小葉の切れ込みができているものもあります。写真の若葉がそれにあたります。
これらのことを総合して考えると、この木は「センダン」だということがわかりました。
センダンは、丸い実がたくさんなるところからついたといわれています。アフチ(センダン)は、よく白檀(ビャクダン)と混同されるようですが、別の種類になります。
花言葉は、「意見の相違」です。この由来にはまさに意見の相違があるようで、一つは、白檀と間違えられること、もう一つは、花びらの表裏の色が違うという意見が見られましたが、ハッキリとはしないようです。白檀と間違えられる一つの理由は、花の香りです。甘い香りがします。白檀は、「栴檀は、双葉より芳し」と言われるほど双葉のころからいい香りがするようです。また、インドから中国に渡った際、栴檀の文字があてられ、日本に渡った際「チャンタン」をセンダンと読み間違えたと言われています。
実にはサポニンがふくまれ毒性があるので、食用にはなりません。ただ、薬にはなるようで、「毒を以て毒を制す」のことわざどおりですね。
互いの意見を出し合う中で、意見の相違があるとしても、齟齬(そご)にはならないように理解し合うことが大切ですね。