学園ブログ

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学園自然百景

2022年07月22日

28.「めだかもととのうち」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 今様々な観賞用のメダカが売り出されているようです。非常に鮮やかな色のメダカもいます。しかし日本ではその鮮やかさは命の危険にさらすことになります。薄い赤い色をしたヒメダカが多く、観賞用として作られたメダカです。自然界には本来いない種類です。



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 数の多くなったメダカを近くの川などに放してしまうことで、在来種の餌などが少なくなり、減ってしまうということも起こっています。現に在来種の写真にいるメダカは絶滅危惧種に指定されるほど少なくなっています。写真のメダカは、4年生の観察会で子どもたちがすくったものです。観察のあとは元の場所に逃しました。池にいるメダカを写真で撮ると、慣れないと見えにくいです。よく、野生のメダカをクロメダカと言われますが、これは本来の呼び方ではなく、ニホンメダカといったほうが正確かもしれません。私も間違って使っていました。

 漢字で書くと「目高」と書きます。体の割に目が大きく、頭の上部にあることからその名がついたようです。近くに寄れば池のメダカは、一斉に隠れてしまいます。まるで目がよく見えているようです。この目で天敵の鳥から逃げることができているのかもしれません。

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 メダカは童謡に歌われたように、とても身近な魚だったのでしょう。雑魚とは呼ばれなかったようですが、地域によって様々な名前がついていたそうです。それが少なくなったのは、田んぼの減少をはじめ、農薬の使用や先程述べた観賞用のメダカの放流などによってです。メダカもトト(魚)のうちと言われたように、小さな魚ではあるけれど、サケやマグロ、アユなどという食用になる魚と同じです。軽視はできないですね。幼稚園園児から高校生まで、全てひばりっ子のうち。同じ学園で育つ子どもたちを分け隔てなく責任を持って育てていかなくてはいけないとあらためて感じます。