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学園自然百景
2022年07月15日
27.「不退転」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
梅雨が明けたとは思えない雨が続くこのごろです。そんな雨にも負けず、元気に飛び回っている生き物がいます。日本では、秋津(あきつ)と呼ばれ、雄略天皇の腕にとまったアブを、トンボがつかんで飛んでいったというエピソードから、日本を秋津州、蜻蛉洲(あきつしま)と呼ばれたという話もあります。
「秋津・蜻蛉」は、現在のトンボのことです。
ギンヤンマ
学園内では、数種類のトンボが飛んでいます。なかなか同定が難しく、ギンヤンマ、オオシオカラトンボ、モノサシトンボ、ハグロトンボなどはわかったのですが、他は、よくわかりませんでした。
オオシオカラトンボ
モノサシトンボ
ハグロトンボ
トンボは、日本では、甲冑にもつけるほど、勝利をもたらす勝ち虫としてあつかわれていました。トンボは、後退することができず、前進しかしないことから、「不退転」の虫として、「勝ち虫」として好かれたようです。
ところが、海外の中では、「ドラゴンフライ」と名前がつくように、その動きの様子から不気味な悪魔のようなとらえ方をされています。国によってその昆虫のイメージが違うのですね。
後に下がらない、前進あるのみの姿勢は、大切なときもあると思います。しかし、ぶつかると分かって無理矢理進む前にトンボのように一度立ち止まり(ホバリングしながら)方向転換することは必要になるでしょう。