学園ブログ

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学園自然百景

2022年09月30日

36.「白膠木」

~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~

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 小学校3年生の光村図書の教科書には、「三年」という教材があります。韓国の民話です。峠で転べば3年しか生きられぬという言い伝えを1度転べば3年生きると言い換え、ふさぎがちだった主人公が立ち直るという前向きな話です。その話の冒頭に、その峠の美しさを表した文があります。「秋には、かえで、がまずみ、ぬるでの葉。とうげからふもとまで美しくいろづきました。」とあります。「かえで」は様々な種類がありますが、紅葉する日本のイロハモミジなのかメープルなのかは、わかりません。ひばりの里のイロハモミジはすでに、紅葉が始まっています。

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現在の里のモミジ

ガマズミは、特に実の赤さと紅葉した赤さの2倍がけということでしょうか。

 最後のヌルデは、紅葉している様子を表しているのでしょう。そのヌルデは、ひばりの里で白い花を咲かせていました。

 しかし、台風14号の影響でしょうか、花は現在散ってしまっています。

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ヌルデの花の写真
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花の散ったヌルデ

 このヌルデは、各地で見られます。ウルシの仲間ですが、ウルシに比べるとかぶれることは少ない種類です。葉は、羽状複葉になっており、赤く囲んである部分が一枚の葉に当たります。

その中にある小さな葉と葉の間の軸を見ると、翼といわれる帯のようなものがあるのがわかるでしょうか。これが特徴なので見分けやすいです。

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赤く囲った羽状複葉の写真
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葉の拡大

 ヌルデは、幹を傷つけると白い樹液が出てきます。これを塗料に利用したことからこの名前がついたと言われます。漢字では「白膠木」と書きます。

 ヌルデは、その塗料をはじめ人の暮らしに大きく関わってきました。幹は、木材として利用され、お歯黒や染料に利用されていた五培子とよばれる虫こぶがあります。この中には、ヌルデシロアブラムシという虫がおり、羽化前に虫こぶをとって利用するようです。果実には白い粉がふき、塩味がするので、塩麩子とよばれます。これが、下痢や咳の薬になります。

 このようにこれまでも紹介しました樹木は、人との関わりが非常に多くあります。

 別名がカチノキ。聖徳太子が、蘇我馬子の勝利を願って、この木で仏像を作ったといわれます。そこからなのでしょうか、「信仰」という花言葉が付いています。