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学園自然百景
2023年02月24日
55.「Japanese andromeda」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
アセビ全景
堀辰雄著「大和路」で「浄瑠璃寺の春」の冒頭に『この春、僕はまえから一種の憧れをもっていた馬酔木の花を大和路のいたるところで見ることができた。』とあります。奈良では、よく見かけるようです。それは、鹿害を減らすためだともいわれます。鹿が、この植物を食べないからだそうです。この木は毒を持ち、漢字て表されるように、馬が食べると酔うようにふらつき倒れてしまうと言われているそうですが、実際にその事実があったかどうかは定かではありません。ただ毒を持つのはたしかなようです。実際にその毒を利用して殺虫剤に利用されています。そういう意味でも鹿は食べないのかもしれません。
大和路に昔から多く栽培されていたようで、万葉集にも読まれています。
『池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入れな 大伴家持』家持は池に映るこの馬酔木を折って帰りたいほど美しく感じられたのでしょう。
表題は馬酔木の英名です。日本古来のものであることがわかる名前です。その後についているのがアンドロメダです。国を守るために怪物の生贄になろうとしたというギリシャ神話からついたようです。そのためイギリスの花言葉は「犠牲」「献身」になっています。一方日本では、「清純な心」「危険」などがあります。見た目から白い可愛らしい花の様子、毒を持つ特徴からきているようです。
馬酔木はツツジ科になり、ドウダンツツジの花に似ています。花の付き方は違うものの5月に咲くツツジとは違ったツツジ科の花の特徴です。
一年を通して見てくると、その時々の趣があります。
R5 2月17日
R4 2月18日
R4 2月17日
2月14日
1月17日
1月11日
1月6日
12月1日
今、告天舎のそばにある馬酔木は片方は花が咲き、片方はまだ蕾の状態です。
R5告天舎
これもまた面白いものです。見た目からは、「清純な心」の日本の花言葉が似合います。