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学園自然百景
2023年06月09日
69.「用意周到」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
田植えの終わったひばりの里で、小さいながらも鮮やかなムラサキ色を放っている植物があります。
キキョウといえば秋の花ですが、このキキョウソウというのは、6月から8月にかけて花を咲かせます。キキョウの花に似ているところからこの名前がついたらしいのですが、パッと見ると、そうには見えない気もします。色は確かにその色ですが。
別名ダンダンキキョウとも呼ばれ、丸い交互に出ている葉の付け根から花がついているのでそう呼ばれるようです。こちらの方がなんだかスッキリ来るように思えます。
ひばりの里のキキョウソウ
キキョウソウの閉鎖花
キキョウソウの花
キキョウソウの実
キキョウソウの熟した実
長く伸びたキキョウソウ
アメリカ原産で、福島の辺りに移入したとされています。帰化植物ですが、他に影響を与えないためか要注意特定外来種に指定はされていません。
キキョウソウは、スミレと同じく閉鎖花を持ち、確実に子孫を残す手段を持っています。この閉鎖花を先に咲かせた後で紫の花を咲かせ、雄しべは先に花粉を出し早々と役目を終えます。その後雌しべは先が3つに別れ花粉を受け入れる準備をして、昆虫たちが運んでくれるのを待ちます。これによっすて、多様性のある子孫を残すことができます。正に用意周到ところで言えるのではないでしょうか。
花言葉は「人当たりがいい」 その由来はわかりませんでした。
色々なことが起こる世の中、あまり来てほしくないこともありますが、備えることが大切ですね。