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学園自然百景
2023年06月02日
68.「輝く心」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
私が子どもの頃よく遊んだ草花の遊びの一つは、草相撲でした。3枚のハート型の葉を持った草花を引き抜いて、根元を折って静かに葉に向かって引っ張ると、細い繊維が現れ、その先に葉がぶら下がった状態にして、他の友人が作ったものと絡めて、引っ張り、葉が残ったほうが勝ちというものでした。
それが写真の草花ムラサキカタバミでした。大きくて丈夫なものを探して遊んだことを覚えています。
べる広場のムラサキカタバミの全景
ムラサキカタバミの花
ムラサキカタバミの鱗茎と根
ピンク色のかわいい花が咲き、あちらこちらに咲いていました。これは、ムラサキカタバミという植物です。よく、クローバーと間違えられます。
クローバーと呼ばれるものは、マメ科の植物で、タンポポと同じように小さな花が集まった集合花になり、葉は同じように3枚ですが、ハート型ではなく葉には白いVの字が見えます。クローバーと呼ばれるのはこちらのシロツメクサです。四葉のクローバーで知られるように「幸運」などの花言葉がついています。
ひばりの里のシロツメクサ
シロツメグサの葉
話は戻りますが、ムラサキカタバミは、写真のように鱗茎(園芸では球根)と呼ばれる球根のようなものから生えています。通常実はできないそうです。ムラサキカタバミは、要注意外来生物に指定される前話のやっかいな植物のひとつです。鱗茎から伸びる長い根が伸びるので、駆除がしにくいようです。実をつけませんが、鱗茎の回りに木子(きご)と呼ばれる小さな鱗茎がたくさん付き、それでふえていくそうです。花言葉は「輝く心」。シュウ酸を含むため、よく鏡や仏具・銭などを磨くために利用されたことから付いたようです。
カタバミの花と葉
カタバミの実 熟すと中の種がはじけます。
一方、カタバミというムラサキカタバミと比べるとかなり小さな葉と黄色い花を咲かす植物があります。これもあちこちに見ることができます。このムラサキカタバミの花の写真を撮った頃には、ほとんどが実をつけていました。熟した実をさわると、小さな赤い種が勢いよくはじけます。それによって遠くまで仲間を増やすことができます。このカタバミは、鎌倉時代日本の家紋としてデザインされました。繁殖力が強いため子孫繁栄に通じるからだと言われています。花言葉は、ムラサキカタバミと同じ花言葉です。カタバミの仲間は、シュウ酸を含んでいるようです。
ムラサキカタバミは観賞用として取り入れられ、カタバミはというとその経路ははっきりしないようです。
磨けば光るものも、光る場所によって輝ける物と鈍い光になる物もあるようですね。