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学園自然百景
2023年07月14日
74.「僕らはみんな生きている」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
表題の曲は、「アンパン」の作者やなせ たかし氏が作詞、「見上げてごらん夜の星を」のいずみたく氏が作曲して大ヒットした曲です。やなせたかし氏が仕事などで悩んでいた頃、ふと、電灯にかざした手が透き通ったところに血潮が見えたことから生まれたという話です。その詩の中には9種類の生き物が出てきます。
1番ではミミズ、オケラ、アメンボ、2番ではトンボ、カエル、ミツバチ、3番ではスズメ、カゲロウ、イナゴです。2番まではご存知の方も多いでしょうが、最後の3種類は驚かれる方も多いでしょう。私もその一人ですが。
よく知っている生き物が多い中、オケラとカゲロウは、あまりご存知でない方もおられるかもしれません。カゲロウは、あのアリジゴクの成虫ですが、生まれると本当に儚い感じで、子孫を残すためだけに生まれてきている生涯を送ります。
オケラは、ケラが正しい名前なのですが、何故かこの昆虫は、オが付きます。おトンボ、おカエルとは言わないですね。何故なのか調べてみても納得するような答えは出ませんでした。この昆虫は、コオロギの仲間です。ちょうど代かきを子どもたちがするときによく見つけます。まるでモグラのように地中に穴を掘りながらすごします。そのため前足は土を掘るための立派な熊手のようになっています。英語名でもモグラコオロギと言います。土の中で植物の根や小動物などを食べる雑食性です。そのため農家では厄介者の部類に入っていたらしいです。
潜ったり、泳いだり、飛んだり、跳ねたり、上ったり、鳴いたり、走ったりと様々な事ができるケラですが、どれも一流になれないことから、螻蛄(ケラ)の七つ芸という、器用貧乏的な言葉ができました。また、万歳をしているようにも見えるので、お金を使い果たしてどうにもならないことをオケラになるといわれ、あまりいい使い方がされないのですが、なんだか憎めない愛らしい感じの昆虫です。いろんな事ができることは、いろんな事に対応できるという事ですから、自分を活かす道が開けるようにいろんなことにチャレンジしたいですね。