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学園自然百景
2023年09月08日
81.「遊び」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
前話に続いて、草花あそびに利用される植物。花言葉にもそのままの言葉がついています。朝夕は、気温も落ち着き、蝉の声が消えて、秋の虫の声が聞こえるようになってきています。この時期、イネ科の植物には、穂ができます。この穂に特徴があります。
メヒシバは、か細い感じの穂ができます。オヒシバは、一見虫がついたようにみえる穂がつきます。カヤツリグサは、短い放射状に穂をつけます。この茎は三角をしていて、それぞれの頂点の部分を引っ張って裂くと、蚊帳のようになることから、ついた名前のようです。
今年のイネはその穂を狙ってスズメが網をくぐって入り、ずいぶん食べられてしまいました。
そんなイネの種類の中でもなじみの深いものが、このエノコログサです。「いぬっころぐさ」から転じた名前らしいのです。犬の尾に例えたようです。子どもたちは、エノコログサと言ってもピンとこない場合が多いです。ネコジャラシと言う名前の方がなじみが深いかもしれません。この穂で猫をじゃらして遊ぶことからその名がついたようです。よくこの穂を軽く握って、強く握ったり、弱く握ったりすると斜め上に生えたたくさんの毛のため、手の中をよじ登ったり、下がったりする動きをみせます。その様子が、まるで生き物のように見えて、面白いのです。毛は、他のイネ科のものと違い、実の付け根のあたりから伸びているのです。
草花遊びは、自然と付き合うとても手軽で楽しいものです。そのようなあそびを通して、子どもたちが、自然の良さを実感してくれると嬉しいと思います。