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学園自然百景
2023年09月01日
80.「恩恵」
~雲雀丘学園小学校教諭 天井比呂~
草花あそびというといろんな遊びがあります。以前もムラサキカタバミの草相撲やイヌタデの実でままごとなどについて書きました。今回は、この植物ですが、名前は聞いたことがあったのですが、私自身は遊んだことはありませんでした。
「ジュズダマ」という植物です。名前を聞くとあの数珠を想像します。日本で近代では実際に数珠として使われたことはないようですが、海外の一部で使用されていたらしいです。また、例外として山伏が身につける念珠というものは、このジュズダマの一種オニジュズダマが使われていると言います。
日本では、主に装飾品や食料として利用されています。また、子どもが首飾りなどをつくる材料としても利用されています。
首飾りとして利用される理由は、実(苞鞘ほうしょう)に穴があいていること、表面に光沢があること、非常に堅いことです。中でも穴が開いているという不思議な構造は、それを容易にしているといえます。この穴は、咲かずに枯れる2つの雌花の痕だそうです。イネ科の植物ですが、雄花雌花があり、雌花が先に枯れてから雄花が咲くといいます。これは、子孫を残すための知恵で、自家受粉を防ぎ、他家受粉をすることで、丈夫な種を残すためだと言われます。
食用として利用されたのは、昔からのようですが、今ではその変種のハトムギとして栽培されていて、特にお茶は現在でも出回っています。
殻が固いので、食用にするにはなかなか難しいようですが、中の実は、食べた人のブログでは、もちもちとしていておいしいと書いておられました。
昨年、除草した際に刈られてしまったのですが、幸い今年は、大きく育ち実をつけています。
数珠から、念仏を唱えることが想像され、それに恩恵を受けるということからついた花言葉だそうです。
私たちは、豊かな自然から多大な恩恵を受けています。この自然を守っていかなくてはいけないことを痛感するこの頃です。